プロ野球 OB投手資料ブログ

昔の投手の情報を書きたいと思ってます

鳥坂九十九

2015-01-09 21:46:37 | 日記
1976年

プロ選手のアルバイトは相変わらず盛ん。「給料が安いし、何もやらずにオフを過ごすのはもったいない」というのが大半の理由だが、ファームの選手にとっては貴重な?収入源でもある。郷里の小豆島に帰って左官屋さんを手伝っているのが、近鉄・鳥坂九十九投手。毎年、道路工事などのアルバイトをしているが、不況の煽りからもう一つ賃金がよくないとか、「左官屋の仕事はよくもうかりますよ。それに大阪にいても金をつかうだけ。クニに帰って親孝行を兼ねたアルバイトは一席三鳥です」と、秋季練習がすむと早速帰郷したものだった。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ロン・大森

2015-01-09 21:22:52 | 日記
1964年

広島にロン・大森という内野手がいる。シアトル出身の三世で、日本で野球をすることがたった一つの望みだと、昨年も広島のテストを受けたことがある。ことしも再び来日して自費で日南キャンプに参加、白石監督に頼み込んでやっと入団が許された。二年越しの念願がかなって大森は大喜び。それこそ天にも昇る心地がしたという。あこがれのユニホームを着たときは、「どう?よく似合うでしょう。スタイル満点でしょう。故郷へこの写真を送ります」と誰かれなしにユニホーム姿を見せびらかしていたほどだ。ところが大森は日南キャンプで左足の膝を痛めたのがたたって、いまだに試合に出たことがない。大した故障でないと思ってビッコをひきながら練習していたところ、ヒビが入っているとわかってガッカリ。「もう少し早くわかっていたら・・・。損をしちゃった」としょげている。しかしこの大森は広島の人気者。なにかにつけて話題をまき散らす。日本語はペラペラ。食事も日本食OKで、好物はおさしみ、たくあんとか、ナインと一緒に合宿の食堂で、「うまい、うまい」と大盛りの御飯をパクついている。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

及川宣士

2015-01-09 20:11:14 | 日記
1965年

二十九日の阪急線に先発して5回投げて4安打の1点。四回、ウィンディに右翼へたたきこまれただけであとは速球を外角へ集めて文句なしのピッチングをした及川は「チームのみなさんのお蔭です。とにかくうれしいです。オープン戦にはいってから3連敗(四試合)してるので、また負けるかなと試合前はイヤな気持でした」おとなしい及川は、いつも無口なほうだが、この日ばかりはさすがにうれしそうにニキビ面をほころばせていた。「監督さんからお前はいつもオドオドして投げとる。もっと自信をもって胸をはって投げてみろ、打たれやせんといわれて、その通りにしたんです」と初勝利の喜びをこう洩らしていた。及川は、昨秋の特訓でフォーク・ボールとスライダーの新兵器を身につけてからはメキメキと頭角を現して、今では別所コーチの秘蔵っ子にまで成長した。及川は東北人特有の粘り強さもあるのだろうが、性格がのんびりしているのがいい、と変な買われ方もしている。それには、こんな話もある。二十七日の仙台のゲームも先発がわかっていながら、両親には知らせなかった。このため釜石に住んでいる父親の辰雄さん(56)と母親のヒロエさん(53)は、とうとう息子の晴れ姿を見ずじまい。及川は、「仙台まで汽車で五時間もかかるでしょう。高校時代は、それで合宿に入ったんですヨ。オヤジたちには、連絡しなかったから、来るはずはありませんヨ」と至ってのんびりしたもの。そんな及川に別所コーチは、「もう一回、開幕までに登板のチャンスをつくってやりたい。今度はひとつ完投させて自信を持たせるようにしよう」と期待をかけている。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

吉本安徳

2015-01-09 19:41:06 | 日記
1965年

高知キャンプで阪急の青田ヘッド・コーチは、ふたりの選手に目をつけた。ひとりは快足のトップ・バッター候補として一躍クローズ・アップされた阪神山本コーチの実弟山本外野手。もうひとりが、吉本内野手である。吉本は昨年もウエスタン・リーグで活躍、シュアーな打力とキビキビしたプレーが光っていた。青田ヘッド・コーチは就任早々、さっそくこの吉本に目をつけた。「カンのいい選手だ、足も速い。それにリストが強い。鍛えようによってはいい選手になるゾ」西本監督は吉本に青田ヘッド・コーチが目をつけたと聞いたときに、ニヤリと笑ってこういった。「うん、あいつ(吉本)はいかにもアオさんの好みの選手だ。おもしろい」吉本はオープン戦のメンバーに加えられた。二塁には御大スペンサー、遊撃にはベテラン河野、三塁には大熊をはじめ岡島山口らがしのぎをけずっているので、アリのはいり込むスキもない。だが、吉本はスペンサーの控えとして守りを固める時に起用された。スペンサーもこの吉本にはなにかと気づいた点をアドバイス。「経験不足だからいろいろまずいプレーがある。そのままにしておいては進歩がないから、助言を与えてやるのが、オレの務めでもある」青田ヘッド・コーチとスペンサー日米球界の怪物に目をつけられ、励まされる吉本はラッキー・ボーイといってよいだろう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする