1963年
まだ二年目の若手投手がメガトン打線のスターたちをスイスイと片づけるのはくすぐったいおもしろさがある。吉田が森に満塁ホーマーを浴びた1個の失投以外は、この右と左のコンビで大洋重量打線をほんろう、「どうしてあれが打てないのか?」と三原監督の気げんをわるくしたほどだ。吉田はドロップが鋭くスピードもあって四回までは被安打3、うち2個は内野安打というなかなかのでき。吉田をここまで伸ばしてきた多田コーチは「上半身のフォームを変えてからスピードが元にもどった。大分での近鉄戦でも二回投げさせたが若手のなかではもっとも有望」とネット裏から熱心に見つめていた。救援した長南は投げおろす低めの内角球がズバリと決まった。五回で被安打2、自責点0は吉田以上で多田コーチもひそかに期待している左腕のひとりという。満塁ホーマーを打たれて降板を命じられた吉田を長南が「惜しかったな」となぐさめるあたり仲もいい。二年生コンビが、ふたりとも出来については「まだまだですよ」とひかえめ。尾崎、安藤の調子がも一歩の現在、ふたりの好投が東映投手陣に二本の光を投げかけたことは事実だ。
まだ二年目の若手投手がメガトン打線のスターたちをスイスイと片づけるのはくすぐったいおもしろさがある。吉田が森に満塁ホーマーを浴びた1個の失投以外は、この右と左のコンビで大洋重量打線をほんろう、「どうしてあれが打てないのか?」と三原監督の気げんをわるくしたほどだ。吉田はドロップが鋭くスピードもあって四回までは被安打3、うち2個は内野安打というなかなかのでき。吉田をここまで伸ばしてきた多田コーチは「上半身のフォームを変えてからスピードが元にもどった。大分での近鉄戦でも二回投げさせたが若手のなかではもっとも有望」とネット裏から熱心に見つめていた。救援した長南は投げおろす低めの内角球がズバリと決まった。五回で被安打2、自責点0は吉田以上で多田コーチもひそかに期待している左腕のひとりという。満塁ホーマーを打たれて降板を命じられた吉田を長南が「惜しかったな」となぐさめるあたり仲もいい。二年生コンビが、ふたりとも出来については「まだまだですよ」とひかえめ。尾崎、安藤の調子がも一歩の現在、ふたりの好投が東映投手陣に二本の光を投げかけたことは事実だ。