1993年
笹山は学法石川の荒井に真ん中高めのスライダーを左翼席に運ばれた。
一回戦の学法石川(福島)戦でサヨナラ二塁打を放った笹山がこの日も投打の主役だった。勝ち越し点を挙げる4回の左前打もさることながら、長崎日大打線の要所を抑えて1失点。打たせて取るうまい投球を続け、宮崎勢としては6年ぶりの三回戦進出の原動力に。しかし試合の表情は「調子は今一つでした」と不満そうだった。立ち上がりに直球の制球に苦しんで失点、変化球主体の投球に切り替えたところまでは一回戦と同じ、しかし、前回は中盤以降ほとんど直球を投げず、変化球ばかりに頼り過ぎた教訓を生かし、長崎日大相手には四回以降直球は「捨て球」に使って外角に集め、勝負球はスライダー。左右の打者とも徹底した外角攻めで、直球とスライダーのコンビネーションは見事だった。