「レスラー」
原題:THE WRESTLER
2008年 米 109分
■監督:
ダーレン・アロノフスキー
■出演:
ミッキー・ローク
マリサ・トメイ
エヴァン・レイチェル・ウッド
●あらすじ
ミッキー・ロークが、かつて栄光のスポットライトを浴びた人気プロレスラーの孤独な後半生を、
自らの波瀾万丈の俳優人生と重ね合わせて哀愁いっぱいに熱演し賞賛された感動の人生ドラマ。
共演にマリサ・トメイ、エヴァン・レイチェル・ウッド。監督は「レクイエム・フォー・ドリーム」のダーレン・アロノフスキー。
元人気レスラーのランディ・ロビンソンは、今でも老体に鞭打ちながら小さな地方興行に出場して細々と現役を続ける不器用な男。
しかし、心臓発作で倒れたランディは、ついに引退を余儀なくされる。
不安に襲われたランディは、馴染みのストリッパーに安らぎを求め、長らく疎遠となっていた娘とも修復を図ろうとするのだが…。
(TSUTAYA DISCASより)
★感想など
まずこの映画には感動もしたし、マニアックな楽しみ方も随分させてもらった。
「ビヨンド・ザ・マット」から結構時間が経っているのもあるが、本作を観て思ったのは
すでにアメリカにはケッフェイは無いんだなあと言う事。
日本ではミスター高橋の著書にしか書かれていないようなことが、
ハリウッドでは普通の映画の脚本として、当たり前のように登場している。
その辺の描写の細かさも含めて、本作はまるでドキュメンタリー風にも作られている。
監督はミッキー・ロークの主演に随分こだわり、彼の主演を実現させたようである。
ミッキー・ロークもその要望に応え、渾身の演技で観る物の感動を誘った。
企画段階では「ロッキー・ザ・ファイナル」の後追いのようなものだろうが
根本部分は全然違う。
栄光の過去を持つ点ではどちらも同じだが、ロッキーは第二の人生も成功している。
一方こちらは現在も同じ路線を継続中であり、過去に比べて今は落ちぶれているが、他の生き方が出来ないだけだ。
ただどちらも共通して言える事は、一生懸命生きた男の話であり、その生き様に我々は感動するのだ。
本作の主人公はミッキー・ローク自身の人生と重なり、と言うか重なるように脚本が作られているのかも知れん。
そして役者自身が己の全てを掛けて全身全霊を込めて演じた時、単なる映画という枠を超えて輝く時がある。
本作は正にそれであり、だからこそこの低予算映画でも世界中で54個も賞が取れる程の傑作となったのだ。
これ自身もミッキー・ロークの一生懸命の表れである。
前に観た「クレヨンしんちゃん」の映画もそうだったけど、やはり人生のテーマは
一生懸命生きて当たり前だ!
真面目に毎日頑張って生き、且つ今もプロレスが好きな人には文句なくオススメである!