レレレへの道

日々鑑賞した映画の中で、レレレに書かない映画の感想です

点と線

2023年12月11日 19時41分03秒 | ミステリー/犯罪

「点と線」
1958年 日本 85分
■監督:
 小林恒夫
■出演:
 南広
 山形勲
 高峰三枝子
 加藤嘉
 志村喬

●あらすじ
松本清張が初めて手がけた長編推理小説でベストセラーとなった同名作品を、
井手雅人が脚色し小林恒夫が監督したミステリー。
博多郊外にある香椎の海岸で一組の男女の心中遺体が発見される。
とある省庁の佐山課長補佐と料理割烹の女中であるお時だった。
所轄の鳥飼刑事は二人の死に疑問を抱く。
お時の同僚の八重子が、東京駅で二人を見かけたと証言。
警視庁の三原刑事は電車の運行表を調べ上げ、13番ホームから15番ホームを見渡せるのは、
1日に4分間しかないことを突き止める。
八重子の証言から省庁に出入りする安田という男が捜査線上に浮上するが、
二人が死亡したその日、安田は出張で北海道へ行っていたことが分かった。
(TSUTAYA DISCASより)

★感想など
原作は大昔に読んだなあ。
この小説の評価は、社会派推理小説と言うジャンルを作った名作と評されてたな。
どういう事かと言うと、それまでの推理小説は探偵小説と呼ばれていて、
名探偵が事件を鮮やかに解決するのが定番だった。
有名どころで言えば、日本三大名探偵と称された、江戸川乱歩の明智小五郎。
横溝正史の金田一耕助。高木彬光の神津恭介と。
しかし段々世論は変わり始め、天才のような名探偵が事件を解決するなんておかしい。
天才ではなく普通の人たちが事件を解決する方が現実に即してして自然だ。
と言う訳でその代表作が本作「点と線」なのだと。
ここで二つの流れが出来た。
いわゆる横溝正史らは”本格派”あるいは”探偵小説”と。
大して松本清張の方は”社会派”あるいは”推理小説”と。
ただ世間が社会派の推理小説を支持したのが、「点と線」が登場する前からなのか
「点と線」が登場した事によって、その流れが生まれたのかまでは、ちょっと調べてないんだけどね。
と言った訳で遥か大昔に読んだ推理小説の映画化版を観てみた。
制作年度が1958年。いわゆる昭和33年なので、画面に映る街並みはおろか国鉄の車両が懐かしいものばかりで
どれを見てもワクワクする。
特に西鉄の車両の三枚窓のデザインは、本当に好きなデザインの一つだったりする。
まあ原作がトラベルミステリーなのだから、こういった嬉しいオプションが付いてくるにしても
話の方は何だか消化不良な感じで終わった。
時刻表を駆使したトリックで、なんか原作を読んだ時に比べて、映画版はトリック解明がいまいちハッキリしなかった。
と言うかトリックが良く分からなかった。
犯人の動機とかもイマイチすっきりせず、全体的に捜査する刑事側の描写に比率が高すぎる感じだった。
主役の若い刑事も、暴走キャラすぎていまいち感情移入できなかったしな。
ただこの時代の邦画は、今では見る事ができない当時の日本を楽しむことができるので
もっと観てみたいとは思うよね。
コメント
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