わはは、言うねえ。『週刊こどもニュース』(8日)のお父さん=岩本裕解説委員。
近所のおにいさん=ハイキングウォーキングのロン毛暑苦しいほう=Qちゃんが今週めでたく結婚との報告があり、“セミはどうして鳴くの?”という視聴者からの質問に答えた後で、コスプレでセミの翅つけたまんまのQちゃんに、相方松田、光浦靖子お母さん、3人のレギュラー子供たちも含めて全員「ヒューヒュー」ムードで盛りあがったところで、岩本お父さんニコニコしながら「人にはいろんな好みがありますからネー♪」だって。
地合いがだいぶ違うけど、1ヶ月ほど前だったか、いずれにせよ夕方6:00台のローカルニュースで4月からメインキャスターをつとめておられる、若きロマンスグレー登坂淳一アナが、火災だったか事故だったかのニュースを淡々と報じて、その後幾つかニュースとコーナーを消化した後で「…ここでお詫びと訂正です。○○町の△△で、“現場から××歳の女性が遺体で発見”とお伝えしましたが、“意識不明の重体”の誤りでした。」「…では、次のニュースです。」
……音声だけで聴いていた月河も、画面を横目で見ていた家族も思わず向き直って「まろーーーー!!!」と吹き出してしまいました。一歩間違えれば抗議の電話どころか、訴訟にもなりかねないところを、あたかも高級料亭の素麺流しのごとく(高級料亭で素麺流しがあるのかとか、そういうことはさておき)サラッと華麗に通過させましたよ。
取材調査や、原稿書きには直接タッチせず、書き上がってディレクターから渡されたものをひたすら正しく読み上げるのが仕事のアナウンサーだからこそ、この淡々さに徹することができるのでしょう。しかし、重体を遺体で発見とは。お詫びして済むことと済まないこととの、ギリギリの、白髪…じゃなくて髪の毛ひと筋の隙間を、武器“淡々”ひとつでよくぞスリッと(←隙間だけに)すり抜けたもんです。
まじめ、几帳面、悪意なしニュートラル。
カッカと燃えさかる粗暴な悪意より、これが場合によってはいちばん強力なんですね。登坂アナも、現在進行でお詫び読み上げ中は「時間内にそつなく読み切ろう」ぐらいの意識しかなかったでしょうけど、読み終わってから「…いまオレ、すごいこと読んじゃった?」と微量ドキッとして、ショックで髪が少し黒に戻ったのではないでしょうか(ない)。