TVの国会中継を細切れにでも見ていると、演説や質疑応答の内容に耳が向くより、真っ先に思うのは「国会議員多すぎ」。
民主主義政治は代議制で支えられていることはわかるけど、こんだけの人数が全員、本当に民意を国政に反映させるべく仕事をしているのだろうかと、素朴に疑問に思ってしまいます。あのうすらボケた顔、あそこの目つきの悪いヤツ、その下の脂ぎった酒癖悪そうな顔、その隣の厚化粧のセンスが古くさいおばちゃん、どいつもこいつも善意の国民が期待をこめて投じた一票の積み重ねでこの席に座っているはず。だったらとっくに、もっと大勢の国民がまずまずは満足する政治になってるはずなんだが。
昨日に続き今日は別の人が質問台に立ってるな、議席のレイアウトもちょっと違う?と思ったら、日本には参議院っちゅうものもあったのでした。うんざり。誰が作ったんだ。要らないだろうそんな人数。
先日、非高齢家族が新聞で見つけて、全員でちょっとびっくりしたニュースは、9月27日に終了した『瞳』の平均視聴率が歴代朝ドラのワースト更新だったという話題。
高齢組なんかは「瞳ちゃん(榮倉奈々さん)可愛いしさっぱりしたいい子だったし、飽きないペースで問題が起きてはさくさく解決して快適だった」「西田敏行(=勝太郎さん役)の長髪とバンダナが汚らしくてヘンに若作りで気持ちが悪かったけど、あとは特にイヤな人物もいなかったし、あのダンスの人(=KEN役眞木大輔さん)もヒゲな割りには不良くさくなくさわやかだった」「途中からだけど久しぶりにちゃんと続けて見た朝ドラだったのに、そんなに不人気とは信じられない、○○さんとこの奥さんも、△△のおばちゃんもみんな見てるって言ってたのに」「数字捏造じゃないのか」とほとんど喧嘩腰。
耳が遠めな彼らに説明してどの程度理解してもらえたか不安ですが、月河はちょっと低数字の理由がわかる気がしました。
まず最近はTVドラマ全体が、大河『篤姫』など一部の例外を除いて長期ジリ貧傾向で、老若男女を通じた文句なしのヒット作が生まれない状況が続いていること。NHKの看板ブランドのひとつである“朝ドラ”も例外ではありません。
もうひとつは、『瞳』限定で言えば主舞台が東京の月島で、しかもお洒落で魅力的とも、あるいはリアルとも言い難い、戦前のようなご近所付き合いが基調になっており、これで視聴率の“大票田”たる東京のお客さんが、だいぶ失望して逃げただろうと思う。現に高齢家族と月河共通の友人知人で東京23区在住の人たちは、軒並み「いまやってる朝ドラ?アレあり得ないよ」と一笑に付していましたから。
たとえ瞳が「~っしょ」「~っす」のそれこそあり得ない北海道弁を連発しても、札幌にとどまったままの話で行ったほうが、関東の視聴者は珍しがり喜んだかもしれない。
もっと言えば、朝ドラってそれこそブランドで、『瞳』『ちりとてちん』など個々のタイトルや出演者、作品としての出来不出来に関係なく、“NHK朝ドラ”という商品名の商品だと思う。時間帯的に、見る人はいつも見てずっと見続けているし、見ない人は存在すら意識しない。歴代作の中で数字がちょっと上だったとか下だったとかいうのも、“いつも見ている人たちの中で、たまたまそのとき見忘れた人がいた”“たまたまチャンネルが他所に合ってた”“翌日また元に戻した”程度の話だと思うのです。
“常連客”のウツワ内の話ではなく、いつも朝ドラを見る習慣のなかった人が、大挙して録画してでも見たい、是非にも見ようという“山が動く”ような流れを作れてこそTVドラマ作品としてのヒットと言えるでしょうが、“朝ドラ習慣のない人”は生活時間的・物理的にリアル視聴不可能な人が大半だろうし、ならばほとんど録画での視聴でしょうから、視聴率にはまったく反映されてこないでしょう。
要するにドラマとしてヒットしたか、人気作になったか、ならなかったかは、視聴率数字をいくら引っ張り出しても引っくり返しても検証はできないのです。
後番組『だんだん』、本日もラジオで音声のみ聴取。公式サイトによると、音楽が05年『契約結婚』、06年『偽りの花園』を担当された新鋭・村松崇継さんなんですね。宍道湖サイドのめぐみ(三倉…茉奈さん)が、自分に何の断りもなくシジミジルメンバーに引導渡しちゃった石橋(山口翔悟さん)に携帯で直談判する場面のバックに流れていたスリリングな曲調が村松節。
「プロ、プロって、プロがなんぼのもんかね!」と石橋にくってかかるめぐみ、やはりこういうハキハキ、シャキシャキした演技は三倉さんうまい。舞妓修業中の夢花=のぞみ(三倉、んー、だから、佳奈さん)のほうは、意地悪ライバル・涼乃(木村文乃さん)に言い返すときぐらいしかシャキシャキする場面がないので、ちょっと持ち味がまだ出ていないかな。
京都で修業し、母・花雪さん姉さん(石田ひかりさん)のひそかな配慮で出雲に足を踏み入れるのを避けさせられていたのぞみが、お花がついて出雲での仕事に出張せざるを得なくなるきっかけが、その涼乃が上客を逃すまいとしたあまりのお先走りの結果、という巡り合わせ、脚本的になかなかよくできていると思う。
涼乃役の木村さん、宝塚娘役さん風のお顔立ちで、ちくちくイビリ台詞を発してもどこか可愛げがあって、月河はいまのところ登場人物の中でいちばん好きかも。“舞いの芸でもルックスでも絶対自分が上なのに、愛嬌っきりで人気している夢花はん、何か釈然としない”って気持ちも、均等法後世代の女子らしくてよくわかる。
のぞみちゃんは多少のことでは致命的にはヘコまなそうだし、花雪さん姉さん以外にも花むら女将(藤村志保さん)、今作は大富豪(@『富豪刑事』)ってほどではなさそうだけど日本一のお祖父さま俳優・夏八木勲さんの一条隆康さんなど山のように味方がいるので、つい「涼乃ちゃん頑張れ」な気分で見てしまいますね。
一方、昼の『愛讐のロメラ』は、少女時代珠希役(増山加弥乃さん)がとても演技的に頑張っていて、04年『愛のソレア』の美保少女時代・前田綾花さんを思い出しますが、“愛”はともかく復讐の“讐”へ向かう情念の強烈さは物語的に未だしかな。こちらも東京から駆けつけた加賀美院長(名高達男さん)に、高校生恭介(染谷将太さん)が「愛した女性の子(=珠希の血のつながらない弟・亮太)なのに冷たい」と反抗するシーンで流れた鋭利なエレキギターの音など、コーニッシュさんの音楽が要所で光っています。
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