ポコは、私の中では好きなバンドの十指の中に入る。
初期のイーグルスなんかが同じ系列に入るのだが、私的にはどちらかを選べとなるとポコに軍配が上がる。
人気やレコードの売上高から比べるとイーグルスとはまったく勝負にはならないわけであるが、数多くのメンバーチェンジを繰り返すも、グループのデビュー時から在籍してきたラスティー・ヤングを中心にバッファロー・スプリングフィールドから引き継いだともいえるカントリー・ロックを愚直にも長年の間ほぼぶれずに演奏してきた。
イーグルスは3枚目のアルバムにギタリストのドン・フェルダーが参加したときから、なんとなくそれまでの音楽の方向性がややハード系に変わった。そして次作のアルバムを出した後、バーニー・レドンが脱退し代わりにジョー・ウォルシュが加わった時点で明白な路線変更となった。
この変化が見事に当たり、イーグルスは世界的なビッグ・バンドへと変貌を遂げたのであるが、このホテル・カリフォルニアと次のロングランは、個人的にポコと比べるとあまり安らぎを感じない暗さがある。
まあ、新生イーグルスのここが凄く好いと言う人が多いのは承知のうえだが…
一方ポコは、中心メンバーだったジム・メッシーナやリッチー・フューレイが脱退し、それまでスティール・ギターの演奏のみに集中してきたラスティーが作曲したりボーカルととったりと抜けた穴を苦労してカバーし、バンドも安定した。
と思ったのもつかの間、ベースのティモシー・シュミットがイーグルスに引き抜かれる事態に。
ついにバンドが崩壊かと思いきや、新メンバーを加入されレコーディングに臨んだ1978年のLegendが相変わらずのポコ・サウンドだったにも係わらず彼ら最大のヒットとなった。
Blue and GrayはLegendの後のスタジオ・アルバムを一枚挟んで出された1981年のアルバムで、同様のシンプル(もしくは地味)なカントリー・ロックでアルバム全体が統一されている。南北戦争のをテーマにしたもので、兵隊のユニフォーム、ブルー(北軍)とグレー(南軍)がアルバムのタイトルとなっている。
ラスティーと途中加入の盟友ポール・コットンそして3人の新たなメンバー
1981年と言えばAORやニュー・ウェイブが流行った時代で、70年代から続くトラディショナルなカントリー・ロックは特に若年層には地味と捉えられ、チャートも全米76位と小ヒットに留まった。
しかし、そこから36年たった今これを聴けば、あら不思議!
80年代のAORやニュー・ウェイブは今となってはアレンジが古めかしく時代遅れとなり、60年代末頃からずっと続いてきた相変わらずのカントリー・ロックはすんなりと頭に入っていく。
地味頁:おいらのサード・アルバムもセカンドと比べてトラッドなアコースティック・サウンドが幅を利かしハードさが足りね~!と扱下ろされたが、今聴くと結構いけてるんじゃね~?