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フィル・コリンズのFace Value、我が家の地味なレコード紹介シリーズ、その十四

2017年10月06日 | BRITISH ROCK
これを地味と言えば怒られるかも知れない。

何しろ、1981年に大西洋を挟んでイギリス (全英1位、約百五十万枚以上の売り上げ)とアメリカ(全米7位、約5百万枚以上の売り上げ)で大ヒットを記録アルバムだから。


しかし我が家では少し事情が違った。

異論は有るかも知れないが、イエス、フロイド、クリムゾン、ELPそしてジェネシスからなる当時の5大プログレ・バンドの中では、ジェネシスは少し苦手であった。

1974年にボーカルのピーター・ガブリエルが脱退し、1976年からドラムのフィル・コリンズがリード・ボーカルを取るようになってからは、少しばかりポップ寄りになり、若干の親しみは芽生えたのだが、即アルバム購入とはいかなかった。

このアルバムはジェネシスがポップ度満開の時期に当たるちょうど1980年に出したDukeと1981年のABCABの間に出された。

それでもまだ地味な印象が心の中にあって、アルバム発売当時はあまり興味を持たなかったのだが、アルバムに収録されたフィル・コリンズの自作曲(共作も含む)以外に唯一カバーされた曲にふと目がいった。

ビートルズのTomorrow Never Knowsだった。

イエスも初期の頃、ビートルズやサイモン・アンド・ガーファンクルの曲をカバーしていて、おなじみの名曲をフィル・コリンズが如何に料理するのかに興味が沸き購入と相成った。

しかしレコードに針を下ろすと、私の興味はビートルズのカバーよりも、アース・ウィンド・アンド・ファイヤーのホーン・セクションを起用し、ファンキーな味付けにされた曲に移ってしまった。

フィル・コリンズは、プログレのイメージがあるが、アメリカのR&Bに親しみを持って聴いていたようで、後になってなるほどと判った次第。

後の更なる成功を収めたソロやジェネシスのアルバムなんかにもホーン・セクションを使ったファンキーなR&Bの影響が見て取れる。

ただアース・ウィンド・アンド・ファイヤーのホーン・セクションの起用は、下手すればその派手さによって自身の曲が食われてしまうリスクもあったのだが、そこは旨くプロデュースされ英国版ファンキー・プログレの誕生となった。

見た目優先のポップ・アイドルでも無いのに、一見してちょっと引いてしまうような彼自身の顔のド・アップをジャケットに使用し、タイトルをFace Value(額面)とつけたのは、聴けばわかる!って感じでこのアルバムの内容によっぽどの自信があったのか?

裏ジャケ、まだまだフサフサしている。

ゲートホールド・ジャケットの内側、なんとなくプログレって感じのしないポップなデザイン。

芸は身を助けるとよく言われるが...

ほんと!容姿端麗でもなくまた芸無しの私からすれば本当にうらやましい限りといつも実感する。