アコースティックなサウンドによる穏やかなフォーク・ロックと思いきや、ディストーションの掛かったエレキ・ギターを掻き鳴らす。
ウナギのようになかなかつかみ所のないこのお方、ニール・ヤング。
彼は1992年にアルバム、 Harvest Moonを出す。
20年前の1972年に出た大ヒット・アルバム、Harvestの第二幕とも言われている穏やかなフォーク・ロック調のアルバムだ。
もちろんその20年の間には、1987年のComes A Time、1980年のHawk & Doveや1985年のOld Waysなど同系統のアルバムは出たのだが、このHarvest MoonにはHarvestの録音時に登場したニールのバンド、Stray Gatorsの名がアルバムに敢えてクレジットされているので本人も何か特別な思い入れはあるのかも...
収穫の夜天頂に光り輝く月の下で、20年の時を経てもう一度あの日に帰ったみたいに君と愛を語り合おうではないか。
私のような者が、Because I’m Still In Love With You、On The Harvest Moonなん〜て歌うと、かーちゃんに何か下心があるのではないかと取られかねない。
まあ、日本人にはチート無理な世界かな….
因みに本作はCrazy Horseとの共演した前作Ragged Gloryの爆音による耳鳴りを鎮めるためのリハビリみたいなもので、その次のアルバム、Sleep With AngelsではまたまたCrazy Horseと組んでガンガン爆音を披露する。
敢えてジグザグに人生を切り開いて進んで行けるのは今やニールだけかもしれない….
本当に貴重なお方であります。