CLASSIC ROCKを聴こう! PLUS

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アルビン・リーのソロ・プロジェクトに想う

2020年11月01日 | AMERICAN ROCK/POPS

朝夕もめっきり肌寒くなり、あっと言う間に晩秋の頃を迎える。

ここで一句、

秋深き隣は何をする人ぞ

じゃなかった。

誰もいない森の木立の中、アルビン・リーと共に歩を進めるこの見かけない隣の人物は何をする人ぞ?

彼はアメリカのゴスペル・シンガー、マイロン・ルフェーブルなる人物。テン・イヤーズ・アフターのツアーの前座を務めた事のあるミュージシャンで、アルビンに誘われて共同でアルバムを制作。

それが1973年の、アルビン・リーとマイロン・ルフェーブルのデュオ名義のアルバム、On The Road To Freedom(自由への旅路)。

CS&Nに参加したグラハム・ナッシュ、クラプトン、デイブ・メイスンや3枚組ソロ・デビュー・アルバム、All Things Must Passでのジョージ・ハリソンなどなど、何故か70年代の初め頃英ロッカー達はアメリカ南部系ルーツ・ミュージックに目覚め更に惹かれたのと同様に、アルビンもそれまでのテン・イヤーズ・アフターでの活動に退屈さを覚えソロ活動第一弾としてその自身の思いを込めたアルバム、自由への旅路でルーツ・ミュージックを披露することに。

アルバムにはアルビンの交友関係からジョージ、森三兄弟のスティービー・ウィンウッド、ロン・ウッド、ミック・フリートウッドらにクリムゾンIslandsコンビのボズ・バレルとイアン・ウォーレスら有名どころが参加し、中々締まったサウンドとなっている。

ジョージ・ファンの私としては、聴きどころはオリジナルの悲壮感がそれほど感じられなく淡々と歌い上げられたジョージ作のSo Sadですかね?

ただ残念ながら続編は発表されず、デュオは解散。アルビンとマイロンはそれぞれの道を歩んで行くことに。

テン・イヤーズ・アフター時代の派手な芸風は見受けられず、芭蕉の句の如く晩秋の侘び寂びが染み入る様なアルバムではないかと思います。

ああ〜 秋深し。