1966年5月に全米で発売されたペット・サウンズというアルバムはちょっと不思議なアルバム。
(2000年発売のモノのCDと50周年記念のステレオのレコード)
その前作といえば、1965年に出た2枚のアルバム、サマー・デイズとビーチ・ボーイズ・パーティがあるが、内容はいつものビーチ・ボーイズ。
大まかに言えば、軽快なホットロッド・サウンドに分厚いコーラスでカリフォルニアの夏を歌う明るく外に絵エネルギーを発散する様なイメージが個人的に感じられる。
しかしペット・サウンズでは詞の内容は別にして、そのサウンドがベクトルが内向きになってしまった様な曲が多い様に思える。
作風が急に変わって戸惑うリスナーもいたが、ペット・サウンズはそもそもブライアンの作り手としてのぜひ実現してみたいと温めていた構想とレコード会社からの売れ線を作れというプレッシャーのせめぎ合いの末の妥協の産物ではなかったかなと思う。
そのため、一曲目にはWouldn’t It Be Niceを配置。軽快でアップ・テンポのいつものビーチ・ボーイズ。
しかし それでもレコード会社はペット・サウンズがまだまだ地味だという判断をしたのか、同じく軽快なSloop John B を発売前1ヶ月前に急遽録音し、それが収録されている。
発売後そこそこ売れはしたものの、レコード会社が期待したほどは売れなかったため、そのてこ入れとして同年にベスト盤を出した。
このベスト盤が新譜だったブライアン渾身の作品、ペット・サウンズの販売を大きく上回り、その結果を知って彼は相当へこんだと言われている。
今でこそペット・サウンズの評価は高くなったものの、60年代を生きてきた一般大衆は、それを求めてはいなかったのだろう。
まあ、基本的には他人の意見などあまりに当てにする必要はなく、個人的に良いと感じれば聞けばいいしそうでなければ聴かなければいいのだと思う。
な〜んって、偉そうなことを書いたが、当ロック研究所がペット・サウンズを不思議なアルバムというのは、別のところにある。
それは、ジャケ裏の写真。1966年1月に日本公演を行った時のいろいろな白黒写真がジャケ裏に集合。
ライナー・フォトとして、Dave Jampel/Tokyo, Japanとジャケ裏に記載されていて、コンサートでの写真もあるが、目を引くのは彼らが侍の姿に扮して写した写真が混在するなんとも不思議な光景。
CDにも同様のデザインがなされているが、小さくて今までスルーしていたのを、50周年記念のレコードのジャケ裏を見て発見!
そこにはビーチ・ボーイズが、コントで使う様な安っぽいズラと着流しスタイルではなく、結構本格的な時代劇用のちょんまげ姿に大名侍の衣装を着用し侍に成り切っている姿が!
(大名お抱えの武士にヒゲは禁物だが....)
(人力車の様なものに乗り、余は満足じゃ!)
(何処かの映画の撮影所で撮ったのかな? 侍姿の日本人俳優らしき人物が)
おふざけにしても、60年代にロックスターがちょんまげ〜って、ここまでやるか〜と妙に感心する。もしかして、当時のアメリカ人がこれを見て日本ではまだちょんまげが存在するなんて勘違いしたかもしれない。
ペット・サウンズが地味すぎてビーチ・ボーイズの持ち味が出ていないだとか、過大評価のアルバムだとかおっしゃる方がいるが、私は一切耳を貸さない。
彼らのこだわりのサムライ姿を一目し、この何とも言えないアンバランスさを持つペット・サウンズに清き一票! キリッ。
通りすがりの人:ブライアンだけでなく、あなたもちょっと変わってるね〜。
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