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今年はずっと暖冬気味でスキー場も雪不足で困っているニュースなんかもあり、“やっぱり冬は例年並みに寒さも必要だな”なんて気楽にほざいていたのだが、ここ数日急に寒くなり、今朝は大雪のせいで各地の交通網に大混乱が生じているとのこと。
路面がシャーベット状態で、溶けた雪が冷たい水となりそれが薄い革靴内に侵入してきたら、スペアの靴と靴下がない限り、一日中気持ち悪く過ごすことになる。
冬にはある程度の寒さは必要だが、急な大雪は困りものである。
ところで北緯34度に位置するロサンゼルスは、位置的には日本では大阪より少し南に位置する徳島辺りと同じとされる。しかしながら、彼地の気候は地中海性気候に分類され、夏は暑く雨が少なく乾燥し、冬は雨も降るが温暖な気候である。
その昔、サンタモニカ市の東に接する ウエスト・ロサンゼルスという地区に住んでいた時、2月ごろは暖かく日中半袖のTシャツを着ていた記憶がある。これがよく言われるインディアン・サマーだなと思っていたのだが、その後ネットで調べてみると、“小春日和”もしくは“北米のニュー・イングランド地方で使われる言葉で、秋から初冬にかけて日中暖かい穏やかな天候”と記されていて完全に間違ってその意味を理解していたような…(汗)
アメリカのカントリー・ロック・バンド、ポコが出したアルバムにINDIAN SUMMERがある。これは、1977年の通算10枚目のスタジオ・アルバムに当たる。
全米57位と大ヒットしなかったものの、特にギター担当のポール・コットンの地味というか落ち着いた雰囲気の楽曲に心が和む。そして、このアルバムは、ベースのティモシー・シュミットがイーグルスに移籍 する前の最後のアルバムとなる。
ところで、このアルバムに収録されているポールが書いたアルバムタイトル曲、INDIAN SUMMERの歌詞の一部に、
INDIAN SUMMER IS ON THE WAY (インディアン・サマーがやって来る)
COOL AT NIGHT-AND HOT ALL DAY (涼しい夜-暑い日中)
AIN’T NO BLACK CLOUDS FILLED WITH RAIN(雨を伴う黒い雲はなく)
SANTA ANA WIND BLOW THEM ALL TO MAINE(サンタ・アナの風は雲を全てメインまで吹き飛ばす)
とある。
ロサンゼルス・カウンティーにあるサンタ・アナ市の風が、雲を東海岸ニュー・イングランド地区のメイン州まで吹き飛ばす、となっているのでやっぱりロサンゼルスでもインディアン・サマーという言葉は使われているのだろう。ただし、10月頃にそれはやって来るみたいだが…
この曲には、スティーリー・ダンのドナルド・フェイガンがゲストとしてシンセサイザーを弾いている。もともと、ポコは前々作のHEAD OVER HEELで、スティーリー・ダンの幻の曲と呼ばれるDALLASをカバーしているし、ティモシーが彼らの幾らかのアルバムにバック・コーラスとして参加した縁もあるので、そのようなことが実現できたのかもしれない。
しかし、中後期のスティーリー・ダンと言えば自作のアルバムやコンサートなどで彼らより演奏技術の高い凄腕セッション・ミュージシャンを大量に起用しこだわりのアルバムの制作やライブ活動をしていた特別な存在だった。しかもセッション・ミュージシャンの方が、オリジナル・メンバーの二人より時給が高いなんて話も聞いたことがあった。
プロデューサーのスティーブ・カッツを含めた三人はとても気むずかしく完璧主義者で”自身のアルバムが想い通りに制作出来るのなら、他のことなんてどうでもいいからね~”という印象が個人的にあった。
そのため、まさかスティーリー・ダンのメンバーが自ら出向いて他のアーティストのオリジナル・アルバムの録音セッションにゲスト参加する正反対のようなことが起こるとは!
まあ、それはインディアン・サマーと言う季節はずれ事象のように珍しい出来事だったのではないかと無理やりこじつけてみる…
しかし、ポコのINDIAN SUMMERはファンにとっては、何のこじつけも必要としない、何時聴いても落ち着く素晴らしいアルバムなのである。
Indian Summer by Poco
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