私をカントリー・ロック好きにさせてくれた一番のバンドといえば、フライング・ブリトーやバッファローでもなく、またイーグルスでもなく、個人的にはやっぱりポコである。
軽快なカントリー・スタイルのロックにハイトーンの爽やかなコーラスが被さり、ラスティーの時折ハモンド・オルガンにも聴こえるスティール・ギターの演奏がなんとも言えない魅力だった。
バンド設立時の中心メンバー、リッチー・フューレィやジム・メッシーナが去り、さらにはベースのティモシィー・シュミットがイーグルスに引き抜かれても、残ったラスティーとポール・コットンを中心バンドは団結し1978年のアルバム、Legendやシングル・カットされたCrazy Loveでは脱退メンバーがいた頃になし得なかった大ヒット連発。
なんだか自分のことの様に嬉しく胸の空く思いだった。
それからレーベルが変わろうともずっと追いかけていたバンドであるが、2013年のラスティーのリタイヤー宣言(スポットのコンサートは行うもののバンドの新規アルバム制作はないなど)によってしばらくの間ご無沙汰だった。
つい最近のネット情報を見ると、なんとラスティーが今年の4月、ポールがつい先月と相次いで亡くなっていたことがわかった。
バンドとしての音楽活動が無くなったとして二人とも70代中盤でまだまだこれからの人生を刻めるはずなのに、残念に思えてならない。
本日はその追悼として、ラスティーとポールがバンド・メンバーとして出逢い初めて出した1971年のアルバム、From Insideでも。
ジム・メッシーナがバンドから去り、代わりにローカル・バンド、イリノイ・スピードプレスからポールが加入した。このアルバムでは楽曲の半数以上を提供したリッチーがバンドのリーダーではあったが、新加入のポールも自身の作品3曲を提供し存在感を放った。
内容的にはそれまでのポコのカントリー・ロックではあるが、ポールの加入によりアルバム全体のイメージは淡々としたブルージーな味わいに。
それが地味と取られるかもしれないが、この方向性がリッチーが脱退したその後のポコのミュージックの背骨となっていく。
もちろんもう少しポップでキャッチーなメロディーを取り入れればイーグルスには及ばずとももっとヒット曲が出せたのではないかと思うが、やっぱりポコのスタイルはこれで良かったのだと…
遅れ馳せながら、合掌。
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