私が住む湯河原町で地域振興券が発行されてから、2年が過ぎた。1万円に使える商品券が9千円で買えるから、地域の住民は喜んで購入する。しかし、ほとんどの場合、割引がなくても買う予定だったビールやタバコを1割引で買うだけのこと。商店は売上が増えるが、それは一過性であり商品の需要が増えるわけではないし、長い目で見れば地域経済が活性化するわけでもない。
地方創生交付金として、国が地方自治体に経済活性化の資金を与えるという発想そのものは評価できる。しかし、地方自治体に知恵がないから、予算を効果的に使うアイディアが生まれず、税金がムダ使いされる。いわゆるバラマキだ。
役立たないバラマキは、バカらしさに気付けば廃止されるだろうと思っていたら、今年はそれに芸者の花代を補助するプランが加わるという。2万円に使えるお座敷券が1万5千円で600枚発売されるらしい。金額にして3百万円。
補助があろうがなかろうが芸者遊びをする予定だった客は、出費が減るから喜んで券を買うだろう。だからといって、補助券を使って楽しんだあと、遊びの回数を増やすとは思えない。
芸者遊びをしたことがない人が、花代補助券のおかげで芸者遊びが病みつきになり(笑い)、次回からは正規料金を払うリピーターになるなら消費拡大だ。しかし、常識的に考えてその可能性は極めて少ない。
湯河原温泉の芸者衆は最盛期の350人から30人に激減したという。気の毒ではあるが、ライフスタイルの変化が根底にあるから、花代補助券程度で業界が盛り返すとは考えられない。
地域振興券の原資である地方交付金は国民が収めた税金であり、利用しなかったら自分が損するだけだから、多少でも納めた税金を回収する意味で私も地域振興券は利用した。しかし、花代補助券では、自分が納めた税金を回収することにはならない。やめておく。
なんとかならんかね!