頑固爺の言いたい放題

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中国の百年マラソン

2015-07-06 16:33:23 | メモ帳

「正論」8月号に掲載された二つの論文、一つは元陸自西部方面総監の用田(もちだ)和仁氏による「日本よ、軍備大増強の決断を」、もう一つは京都大学名誉教授で「正論」の常連執筆者である中西輝政氏による「日米中動乱時代の幕明け」、が共に引用した論文がある。

それはマイケル・ピルスベリー氏による「百年マラソン―超大国アメリカにとって代わる中国の秘密戦略」(The Hundred-Year Marathon: China’s Secret Strategy to Replace America as the Global Superpower) という今年3月に発刊された書物で、最近ワシントンで非常に注目されているらしい。

ピルズベリー氏は1969年から国連、CIA,国防総省等に勤務した中国問題の専門家である。従来、親中派だったが、この著書では「私の対中認識が間違っていた」と告白している。その内容は「中国共産党は建国から百年目の2049年までに、経済・軍事・政治すべてにおいて世界の支配者になることを目標にしている」というもの。それがタイトルにある「百年マラソン」の由来である。

そして、用田氏と中西氏の論文を総合すると、「南シナ海の岩礁埋め立て工事も、アジアインフラ投資銀行(AIIB)も、この戦略の途上にあり、習政権は着々と百年マラソンを実現しつつある」、「そして南シナ海の次は、尖閣諸島・沖縄」ということになる。

米国も岩礁埋立てには抗議しているが、中国はオバマが軍事介入しないと見て、出方を窺っているのではないか。

こからは私の推測だが、安倍首相は同じ危機感を持っており、できればすぐにでも憲法第9条を改正したいところだが、それは国民の反発が強いと見て、とりあえず集団的自衛権の拡大解釈にとどめているのだろう。