車の運転免許証を返納した。高齢になり、運転に自信がなくなったためである。同時にID用として数千円払って、運転経歴証明書(形式は免許証に同じ)を交付してもらった。あとになって、マイナンバーカードがIDとして活用できるはずなので、数千円をムダにしたことに気づいたが、それはよしとしよう。
後日、運転経歴証明書を見せるとタクシー料金が1割引になることを知った。タクシーの運転手に「値引き分は公的機関から補填されるのですか」と聞くと、「いや、当社が負担します」という。料金を受け取る時に、運転手がボタンを一つ押したら1割引の料金が表示されたから、システム化されていることがわかる。
車を運転していた人が運転をやめればタクシーを利用することが増えるだろうから、これはタクシー会社の販売促進策なのか。それにしては車中にその値引きを知らせる表示がない。もっとも、乗ってしまったあとでは、その制度を告知する必要はないが…。
ところで、交通機関を利用しようと思っている高齢者が、「1割引だから、タクシーで行こう」と思うだろうか。この制度はタクシー会社にとって、何のメリットもない。それなのに、なぜこの制度が考案されたのか。
ともあれ、私にとって有難いことなので、深く考えず恩恵にあずかることにしている。