頑固爺の言いたい放題

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慰安婦問題は解決していない

2015-12-29 14:29:58 | メモ帳

岸田外相が慰安婦問題に関し、「軍の関与のもとに…」と発言した。外相は「関与」の意味を「軍が慰安施設の存在を黙認もしくは奨励していた」、「軍が慰安婦の性病予防・治療に介入した」、「軍が慰安婦を輸送した」という意味で使ったと推測するが、韓国では「強制性を日本政府が認めた」と受け止めている。本29日付けの韓国大手新聞日本語版の記事を下に貼り付ける。

朝鮮日報

日本側が軍の関与と政府の責任を認め、首相が謝罪した点は、とりあえず前向きの評価に値する。日本は1993年の「河野談話」で、慰安婦の動員が強制的に行われたことを認めた。しかし安倍内閣になると、極右勢力と共に河野談話を否定するに至った。主要人物の口から「慰安婦は売春婦だった」という妄言まで飛び出した。そんな安倍内閣が「軍の関与」という表現を通して強制性を部分的にでも認めたことは、一歩前進と言える。日本政府が予算を基金に拠出することも、責任認定の延長線上にある。

中央日報

合意文が日本政府の法的責任と軍の慰安婦動員の強制性を間接的に認めたという解釈も出てきた。「軍の関与の下に,多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題」と明示しながら「日本政府は責任を痛感している」とした部分のためだ。キム・ソンハン教授は「『軍の関与』はまさに法的責任を、『傷つけた問題』という文面には強制性が内在している」として「日本政府もこれを間接的に認めたことと同じようなもの」と話した。梨花(イファ)女子大学のパク・インフィ国際学部教授もやはり「日本が直接取り上げ論じにくい部分について別のやり方で共感を示したもの」とみた。

多分、「軍の関与」という文言は韓国側から要請され、岸田外相も「日本政府が強制性を認めた」と受け止められることを承知の上で使ったものと思う。日本のメディアは日韓合意を好意的に報じているが、私は最大の争点で譲ったことは、外交の敗北だと認識している。

そもそも、朝日新聞の誤報が原因でこじれた問題である。朝日は謝罪したが、日本語による謝罪であり、国際的に謝罪したのではない。ついては、朝日新聞は「当社は責任を感じて10億円の日本政府の拠出の半分を負担します」と表明し、改めて英語で謝罪すべきである。