平板に発音する外来語
最後の米国生活(18年)を終えて10年前に永久帰国した時、違和感を持ったのは平板に(つまりアクセントなしに)発音する外来語である。例えば、メール、ネット、ゲーム、クラブ、サポート、カウント、レポーター、サーファー、ライン(これは最近)など。
通常の英語の発音なら頭にアクセントがあるが(サポートはポの部分)、日本語の文章の一部になるとアクセントがなくなるのは不思議な話だ。教養がない人たちだけのことかと思うと、言葉には間違いがないはずのNHKのアナウンサーでもそうなのだから、日本人すべてに共通する現象だと言える。
中には、平板に発音する場合と正しい発音の場合では、意味が違ってくることがあるからややこしい。例えば、「銀座のクラブのママさん」の場合はクにアクセントがあるが、ディスコダンスが踊れるクラブの場合はアクセントがない(むしろブにアクセントがあるように聞こえる)。
「こんなことに違和感を持つのは私だけなのか」と思っていたら、内館牧子氏(「カネを積まれても使いたくない日本語」)や梶原しげる氏(「不適切な日本語」)も同じことを言っているので安心した。
そこで出てくる疑問:
(1) 日本語を流暢に話す外国人(例えば、ケント・ギルバート氏)が増えたが、彼らも平板に発音しているのだろうか。
(2) 平板に発音しているとそれが習慣になって、英語を話す時に平板に発音してしまわないか。
もっとも、平板に発音する英語の単語は、英語ではなく日本語化した英語と思えばいいのかも知れないが...。