頑固爺の言いたい放題

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「日本会議」論争

2016-07-17 15:53:29 | メモ帳

最近「日本会議」という民間団体がメディアを賑わしている。その運動目標はweb siteをご覧頂くとして、安倍政権の基本政策に完全に一致している。そして、この団体には安倍首相を始めとして、ほとんどの閣僚が所属しているという。海外メディアも日本会議を取り上げている(かなり誤解があるが…)。

日本会議がメディアに注目されるようになったのは、「日本会議の研究」(菅野完著 扶桑社)がベストセラーになったことが影響していることは間違いない。菅野氏が無名の著述家であることを考えると、画期的である。さらに最近、「日本会議の正体」(青木理著 平凡社新書)も出版された。

菅野氏の立場は反安倍内閣・反改憲であり、「日本会議の研究」の序文で「安倍政権の暴走が止まらない。…傍若無人な政権運営はとどまるところを知らない。」と嫌悪感を露わにしている。そして、「日本会議は大きな力がある運動団体で、安倍内閣をコントロールしている」と主張している。

その主張に対して、日本会議の会長である田久保忠衛氏は、「日本は民主主義国家である。特定の運動団体が、国会や政治の動きを自在にコントロールできるわけがない」と反論している(「月刊Hanada」8月号)。

また菅野氏の「日本会議は宗教色が強い」という批判に対しては、田久保氏は「日本会議の運動方針に賛同する向きは個人、団体、宗教団体などに限らず、入っていただいている」と反論している。

田久保氏の反論に対し、菅野氏は週刊朝日7月15日号で反々論しているが、田久保氏の反論と焦点が噛み合っていないので、省略する。

ともあれ、こうして議論が深まることは喜ばしいことだと評価する。

さて改憲問題だが、改憲にはいくつかの争点があり、その最大の争点は第九条、第二項の「…陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」である。この条文がある限り自衛隊の存在を違憲とする憲法学者が多いのは当然だ。しかし、現実の国際情勢を考えれば、自衛隊の存在なくして日本の安全保障は保たれないと考える(これは日本会議の主張)。つまり、私はこの点に関しては、改憲派である。