Saitolab 「なにもせんほうがええ」

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父子草(1967)

2019年08月15日 | 書籍・映画・音楽
YOUTUBEで渥美清主演の映画「父子草」(1967)を観る。はじめは全編観るつもりはなくオープニングをチラ見した。映画冒頭に通過する鉄道車両の窓形状と配置が阪急2000系車両に見えた。作品は東宝、宝塚映画の合作ということから然もありなんとロケ地を調べてみた。映画の主な舞台は踏切横ガード下のおでん屋台。屋台の女将(淡路恵子)と飯場暮らしの土工(渥美清)、そして大学浪人(石立鉄男)で物語は始まる。先ずロケ場所はネット情報から阪急箕面線の石橋駅付近と判明。やはり阪急だった。そこで石橋駅近くの跨線橋を調べると二か所あった。国道171号と176号のガード下が候補にあがる。映画のなかで跨線橋の橋脚左右にアーチ状の特徴的形状を見つける。この形状に合致したのは176号のガード下。アーチは左右に二か所ありどちら側かを特定したいところ。映画の終盤にガード奥手方向に石橋駅がのぞく。位置関係でみれば屋台左手が駅ということになる。Googleのストリートビューで確認したところ映画撮影当時と現在では線路配置に大きな変化があった。現在はアーチ部分にも線路が敷かれ宝塚線へと大カーブの複線が走る。そこで1963年の航空写真をしらべたところ昔はこの大カーブは存在していなかった(アーチ部分に線路はなかった)。箕面線は1969年に架線電圧が600Vから1500Vに昇圧された。このタイミングで宝塚線との複線接続が行われたのではないかと推測する。因みにガード下屋台は現地撮影とスタジオセットの二か所で進められた模様。スタジオセットでは遠景の石橋駅の灯りは上下に乱れ盆踊りの照明のようで不自然。踏切を通過する車両の窓配列も単調すぎる。たぶん布幕ロールを回転スクロールさせているのだろう。肝心の映画は連続テレビドラマ「泣いてたまるか」の映画版といったところ。渥美清と淡路恵子とのかけあいが見どころ。初々しい星由里子や石立鉄男が新鮮。改めて気付くのが出演されている俳優みなさん既に鬼籍に入られていること。今どきの学芸会の延長のようなお芝居とは一線を画しています。

映画 父子草

検証 その2

検証 その3

実地検分 その1

実地検分 その2

実地検分 その3

実地検分 その4

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