三浦知之が燐光群に初出演する、『ブレスレス ゴミ袋を呼吸する夜の物語』。稽古場写真初公開。(撮影・姫田蘭)
三浦さんが主演した、劇団〈俺は見た〉の『僕らの城』は、私が今年見た劇の中でも、とくに印象深いものだった。
作・演出の八木橋努さんは、独自のスタイルを持っていて、三年前に見た『ニュータウンの影』のときにはどこまで意識してそうしているのだろうと思ったことが、今回、確信犯であることが、はっきりとわかった。間違いなくこれから評価されてゆく人だと思う。
『僕らの城』の、三浦知之演ずる男の役は、どうやら八木橋氏自身のことも投影されている感じで、観客は事態の推移をはらはらと見守ることになる。こういう求心力は、昨今の小劇場演劇からは消えかけていたもので、演劇の臨場感を再生させる試みであり、三浦知之は確実に劇全体を牽引していた。
『ブレスレス ゴミ袋を呼吸する夜の物語』については、初顔合わせの三浦さんを、お客様には先入観なく見ていただければ、と思っている。新しい出会いに感謝、である。初日は今月十五日。
『ブレスレス ゴミ袋を呼吸する夜の物語』上演情報
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