Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

初演から32年、どの上演でも同じ役をやってきたのは、川中健次郎だけである。 『ブレスレス ゴミ袋を呼吸する夜の物語』

2022-07-05 | Weblog

『ブレスレス ゴミ袋を呼吸する夜の物語』初演から32年、どの上演でも同じ役をやってきたのは、川中健次郎さん、あなただけです。(撮影・姫田蘭)

『ブレスレス ゴミ袋を呼吸する夜の物語』のタドコロ役は、この劇団では、川中さん以外の人がやったことはない。というか、別な人がこの役をやることを考えられない、というか。初演時の仕掛けとしては、『リア王』の道化役を今やるとしたらこうなる、ということでもあった。

川中さんは燐光群のラフカディオ・ハーンシリーズ全作品でハーン役をやってきた。『神々の国の首都』『漱石とヘルン』『夜光るもの』、すべてである。日本の俳優がギリシアとアイルランドの両親から生まれたハーンを演じて説得力があり、海外11都市に及ぶ『神々の国の首都』ツアー公演でも、注目された。

川中さんは七十年代から活動していた内田栄一さん主宰の「東京ザットマン」時代、金子正次さんと常にダブル主演だった。金子さんというのは誰かというと、映画『竜二』の脚本・主演、『ちょうちん』『チンピラ』等のシナリオを残した、あの金子正次である。じつは私も金子さんとは親しく、二十歳そこそこの私に金子さんが『チンピラ』の手書き生原稿を読ませ、自分の理想キャストを伝えてくれたのを、昨日のことのように覚えている。『竜二』公開時に急逝されたときのショックは今も鮮やかに覚えている。1983年秋だった。真っ赤なジャンパーに真っ白な歯の笑顔。それが金子正次である。

川中健次郎という俳優は、他にない。

 

稽古は終盤戦。やれる限りのことはする。皆様、お楽しみに。

 

初日は今月十五日。

 

 

『ブレスレス ゴミ袋を呼吸する夜の物語』上演情報

http://rinkogun.com/Breathless_2022.html

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南谷朝子、鴨川てんしのコンビ競演 『ブレスレス ゴミ袋を呼吸する夜の物語』。

2022-07-05 | Weblog

ベテラン二人のコンビネーション  『ブレスレス ゴミ袋を呼吸する夜の物語』。

『ブレスレス ゴミ袋を呼吸する夜の物語』では、南谷朝子、鴨川てんしのコンビ競演に、注目していただきたい。(撮影・姫田蘭)

演劇界の至宝ともいえる、お二人である。ここまで、がぶり、と組んだのは、初めてである。

観た方々に、すげえ、と言わせたい。

 

鴨川てんしさんは、私が演劇を始めた頃、すでに演劇界の重鎮だった。アングラ、新劇の境界を乗り越えた、最初の世代である。ほぼ三十年、ご一緒させていただいているが、『ブレスレス』という作品に出演していただくのは、なんと今回が初めてである。鴨さんのキャリアの中でも屈指の、パワフルな演技を見届けていただきたいと思う。私は、鴨川さんご自身にも、本当に楽しんでいただきたいと思っている。

南谷朝子さんとの出会いは、『セパレート・テーブルズ』での共演者としてであった。2005年。そこからなんだかんだと気が合って、色々ご一緒させていただいている。ミュージシャンでもある彼女にはオリジナル曲を作っていただき瀬戸内海・犬島の野外で上演した『内海のクジラ』はじめ、得がたい体験を重ねている。……こんかい、森尾舞さんと彼女が、かつて俳優として紀伊國屋演劇賞を受賞されていて、「紀伊國屋演劇賞受賞女優二人が共演するのって、小劇場ではあるようでないですね」、と誰かに言われたことがあるが、なるほど、豪華競演である。

 

稽古は終盤戦に入った。やれる限りのことはする。皆様、お楽しみに。

 

初日は今月十五日。

 

 

『ブレスレス ゴミ袋を呼吸する夜の物語』上演情報

http://rinkogun.com/Breathless_2022.html

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