『ブレスレス ゴミ袋を呼吸する夜の物語』初演から32年の上演にあたり、第35回岸田國士戯曲賞の選評から、井上ひさし、唐十郎、別役実、田中千禾夫、八木柊一郎の五氏の文を引用させていただいた。あらためて御礼申し上げます。
◆井上ひさし ゴミを蝶番にして世界の価値をすっかりひっくり返してしまったのは、まことにあざやかな 力業だ。(中略)やはり戯曲は構造が大切だ。
◆唐十郎 その蟲動感は、読む者に、その場に行ってみたい衝動を起こさせる。
◆別役実 久しぶりに、文字通りの「力作」と言えるものであり、今後演劇はこのようにしか動いていか ないであろうと考える。
◆田中千禾夫 活字離れが云々される現代、こうして言葉の「文学性」が明示されるのに接すると私など老 輩は、有難うと言いたくなる。
◆八木柊一郎 演劇行為への欲望と表現者としての根源的な衝動とが一体になっている点では際立っていた。両者のバランスの問題ではなく、お互いがお互いをどうしても必要としたという実感 が少なくとも私にはつたわってきたのである。
『ブレスレス ゴミ袋を呼吸する夜の物語』上演情報。プレビュー初日は15日です。
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