「三田文学」夏季号が届く。
私も協力した部分のある号だが、なんだか想像を超えた充実ぶりに驚く。
私のオーストラリアの兄貴、ロジャー・パルバースさんの戯曲版『銀河鉄道の夜』をお届けできるのは、本当に嬉しい。
作中繰り返されるせりふ、
もし「いつまでも」がいつまでもであったらば
というフレーズが、祈りのように、呪詛のように、これまでの「賢治もの」と一線を画す認識を獲得している。
そして、「ウクライナ・ロシアからの声」という特集は、慶應義塾で教鞭を執っていたアンドリイ・ナコルチェフスキーさんが帰国後に記した「ウクライナ —自由こそ我らの信仰」に、さいきんウクライナ史に関わる小説『地の塩』リーディングの仕事の過程で、かの地の固有名詞に敏感になった身としては、ほんとうに目が醒める思いをするし、現在形としては、最後の三行の衝撃に、慄然とする。
言葉は、いま、このように立ち上がり、たたかっているのだ。
同志に、友に、感謝する。
私は私の仕事をしなければ。