米上院は20日、銃撃されて死去した安倍晋三元首相をたたえる決議案を全会一致で採択した、という。
安倍氏を「一流の政治家で民主主義の価値の擁護者」「日本の政治、経済、社会、そして世界の繁栄と安全保障に消し去ることのできない足跡を残した」と持ち上げてみせたが、それは「アメリカにとってこの上なく都合のいい属国の指導者だった」ということを意味しているだけだ。
詳細を見ると、「日米同盟を強化」した、「北朝鮮の非核化や日本人拉致問題の解決にも精力的に取り組んだ」という、やってもいないことを並べ立てている。「拉致問題の解決」を完全に放棄・破壊したのが彼である。
岸田首相が独断に走った理由としては、安倍氏が歴代最長の8年8カ月にわたり首相を務めたことや、「遊説中に凶弾に倒れたこと」が重視されたという。だが、その長さを私達がどれほど苦々しく思っていたか、そして彼が自分の旗色が悪くなると「体調不良」を理由に簡単にその職務を放棄してきたことを、忘れてはならない。「遊説中に凶弾に倒れたこと」の特殊性は、きちんと判断されるべきであり、暴力行為は否定されるべきものとしても、一国の総理が犯罪者集団である宗教の広告塔であったが故に襲撃された事実を前に、それでも国葬にするというのは、未来に「恥」を残すことになる。本当にこの時代の人たちは、そんなことを許したのか、と。