三田市議会議員 肥後淳三のウェルビーイング(幸せ)日記

幸せな出来事、その日の思いをブログにしたためます。        皆さんと一緒に幸せを追求しましょう!

最悪のシナリオを描くことから始まる減災

2011年07月09日 | 防災・減災
 8日の「スーパー広域災害・スーパー都市災害と危機管理」と題した講演会とパネルディスカッションは、防災専門家として、第一線で活躍している方ばかりと言うこともあり、それぞれの発言に参加者らは、耳をそばだてていました。

 講師の河田恵昭(よしあき)氏は、東日本大震災の発生のメカニズムに触れ、地震の発生が、タイミングをずらして起ったことで、津波の上にかぶさる形となり想定外と言われている大津波となった事例からも、今後発生確率が60%とされている、南海・東南海・東海地震の津波も、同時発生というよりむしろ、時間がずれて発生する三連動の最悪のシナリオをイメージして被害想定する必要があると強調されていました。
 
 (上記の紫色部分は、ハザードマップ浸水想定範囲であり、赤色部分が、東日本大震災で浸水した区域)
 
 また、東日本大震災で被災した地域では、従来から作成されていたハザードマップが「安心マップ化」した傾向があり、そのことが、地域住民の逃げ遅れにもつながった。と指摘していました。
 
 さらに、東日本大震災の事例ではないものの、タヒチ地震で避難しなかった住民が35%おり、これらの方に対して「何故避難しなかったのか」との調査では、避難しなくても良いと思ったからが58%、他の地域の状況を見て判断と回答した人が18%という結果となり、これらのデータからハザードマップが安心マップにつながっていることを裏づけされていました。

 さて、パネルディスカッションには、東日本大震災復興構想会議議長の五百旗頭(いおきべ)真氏、室崎教授、河田教授、志方俊之氏、コーディネーターとして林敏彦氏らが出席。
 東日本大震災と神戸淡路大震災は、まったく質、量において異なる性格のものであるが、今回の震災に対する復興計画については、その根底に阪神淡路大震災の教訓や失敗から得られたものがベースにある。との話しは特に印象に残りました。
 
 また、16年前の仮設住宅と今、建設している仮設住宅を比較すると、まったく技術的な進化が見られない。とのことで、阪神淡路大震災の教訓が、まるきり生かされていないと室崎先生が指摘していました。
 パネルディスカッションでは、このほかにも帰宅難民の話や政治主導と言われている政府での対応の遅れの話、原発災害をどう見るのか、防災よりも減災、首都機能移転問題、など。様々な角度から東日本大震災を踏まえて貴重な話しを聞く事ができたと思います。

 あっと言う間の4時間だったように思います。
 
 特に、震災が起った時のリーダーの役割は、全体の被災を掌握するスケール感(復興経費や災害の状態を把握する)が大切であり、これをつかめると指示し易くなり、復旧、復興にスピード感が出る(室崎先生談)。この部分の話しは、三田の災害時にも生かせる話しです。

 河田先生が言うように、想定外という言葉が出るようでは駄目であり、最悪をイメージして防災・減災対策に動く。は大切な考えだと思います。 
コメント
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