ご報告が遅くなりましたが、先週7月29日~30日にかけて全国災害ボランティア議員連盟の研修会に参加しました。
研修会場は、静岡県地震防災センターでした。
お世話になった議連事務局の福井県細川議員、そして地元静岡市議の皆様、さらに地震防災センター所長をはじめ静岡県関係職員の皆様ありがとうございました。
地震防災センターでは、津波や地震について学習するシステムが揃っていて、夏休み期間中とあって親子連れが目立ちました。
センターに入ってすぐのホールには、静岡県の地図と過去の津波の高さを示したものや地震体験装置、様々な家の構造、防災グッズ、津波の仕組みなどの分かるデジタル装置によりあらゆる災害の知識の習得ができるようになっています。
さて、研修内容は、地震防災センター所長からの地震や津波のできる仕組みの学習、静岡県職員による防災組織づくりに関する講義、災害ボランティアへの国の支援にかかる法案を検討する議員間のグループワーク、常葉大学社会環境学部 准教授小村隆史先生によるDIG講座など盛りだくさんでした。
この研修で感じたことは、静岡県が南海トラフの巨大地震に備えて自主防災組織づくりに真剣に取り組んでいること。それに伴う防災リーダーなどづくりにも積極的に取り組まれていることが挙げられます。フェイスブックでも書き込みましたが、自主防災組織づくりは、本来市町の役割が大きく、市町独自で取り組まれており、市町によって組織率はまちまちとなっています。この自主防災組織づくりを静岡県がわざわざ音頭をとって指導していること自体、もう間もなく大きな地震が来ることを県内外に知らしめていることにもなっています。
私自身、いつも自主防災の組織づくりについて感じるのは、これが「努力義務」となっていること。行政がやっきになり働きかけても肝心の地縁団体(自治会)がその気にならなければ自主防災組織は出来ないことになります。
その自治会すら近年組織率が低下してきており、本来であれば、自主防災組織やご近所の方の協力で要援護者の支援にあたる必要があるのですが、今は、かなりの部分が民生児童委員など特定の方にその負担がのしかかっていると感じます。
私は、住民の命を守れるのは、身近な住民の方です。であればこそ自主防災組織への加入を義務にしなければならないと思っています。自治会のような任意加入では、組織は成り立ちません。義務で加入することで、真剣に要援護者の方を守る行動につなげられます。
現在のように「自治会=自主防災組織」の会員という位置づけでは、「自治会に入っている方を優先に助ける」というような発言が飛び出すことになってしまいます。
法の自主防災組織に関連する位置づけを見直す時期に来ているのではないかと思っていますが、「そんなことできるはずはない!」と思っていては、巨大地震が来る確立が高い、あるいは巨大地震が来ない地域でも災害の多い日本にあって、助け合って生きてきた国民性の回復につながらないのではないかと思います。
さて、常葉大学社会環境学部 准教授の小村隆史先生によるDIG講座で防災について再考させられたことがありました。
小村先生は、講義の冒頭に日本地図を広げられました。
日本地図の太平洋沿いに南海トラフが線となって海深く沈んでいます。この連動により九州宮崎から関東方面の沿岸部で10mを超える大きな津波と震度7クラスの巨大地震が発生することが予想されています。
小村先生は、「この地図の沿岸部には、多くの国民の方が住んでいること、さらに産業が多く集積していることを私たち研修生に創造をしてほしい」と話しかけます。確かに、地図を広げることで仮に津波が襲った場合や地震がきた時のあり様を頭に浮かべることができました。
先生は、続けます。「今、これらの範囲の方々に必要なのは、避難訓練でしょうか?それとも防潮堤を構築すればよいのでしょうか」と我々に問いかけます。
今や釜石の軌跡は、地域住民の命を守った取り組みとしていろんなところで報道されています。先生は、それはそれで訓練として正しいが、本質を見誤ってはいけないと言います。
要するに津波の来ることが分かっている沿岸部に保育所や老人ホームを作り、ここから高台に逃げる訓練を繰り返すよりも高台にこれらの場所を移設する方向に政府も行政も向かわなければならないと言うのです。
幼稚園児は、お昼に地震が発生すれば逃げることが可能かもしれませんが、老人ホームや病院が沿岸部にあれば、人命救助はおそらくほとんど出来ない可能性があります。
また、震度7クラスの地震では、耐震化できていない建造物は潰れますし、耐震化できていても家具類転倒による圧死が想定されます。
小村先生は、「耐震化や家具転倒を防止する施策をすることで多くの人命を救うことができる」「これは、政治家の責任ではないか」とも明言しました。
確かに津波を想定した何メートルもある防潮堤を多額の費用を投じて建設するのも有効な手段かも知れません。しかし私たちは、あの東日本大震災で想定を超える津波を経験しました。防潮堤が既にある町でさえ津波から人命を守ることができなかったのです。
そう考える時、今、巨大地震に備える私たちの取るべき行動は、防潮堤の建設ではなく、福祉施設などの高台移転をはじめとする諸施策なのではないでしょうか。
(今回の研修会では、政務活動費から研究・研修費として支出させていただいました)
研修会場は、静岡県地震防災センターでした。
お世話になった議連事務局の福井県細川議員、そして地元静岡市議の皆様、さらに地震防災センター所長をはじめ静岡県関係職員の皆様ありがとうございました。
地震防災センターでは、津波や地震について学習するシステムが揃っていて、夏休み期間中とあって親子連れが目立ちました。
センターに入ってすぐのホールには、静岡県の地図と過去の津波の高さを示したものや地震体験装置、様々な家の構造、防災グッズ、津波の仕組みなどの分かるデジタル装置によりあらゆる災害の知識の習得ができるようになっています。
さて、研修内容は、地震防災センター所長からの地震や津波のできる仕組みの学習、静岡県職員による防災組織づくりに関する講義、災害ボランティアへの国の支援にかかる法案を検討する議員間のグループワーク、常葉大学社会環境学部 准教授小村隆史先生によるDIG講座など盛りだくさんでした。
この研修で感じたことは、静岡県が南海トラフの巨大地震に備えて自主防災組織づくりに真剣に取り組んでいること。それに伴う防災リーダーなどづくりにも積極的に取り組まれていることが挙げられます。フェイスブックでも書き込みましたが、自主防災組織づくりは、本来市町の役割が大きく、市町独自で取り組まれており、市町によって組織率はまちまちとなっています。この自主防災組織づくりを静岡県がわざわざ音頭をとって指導していること自体、もう間もなく大きな地震が来ることを県内外に知らしめていることにもなっています。
私自身、いつも自主防災の組織づくりについて感じるのは、これが「努力義務」となっていること。行政がやっきになり働きかけても肝心の地縁団体(自治会)がその気にならなければ自主防災組織は出来ないことになります。
その自治会すら近年組織率が低下してきており、本来であれば、自主防災組織やご近所の方の協力で要援護者の支援にあたる必要があるのですが、今は、かなりの部分が民生児童委員など特定の方にその負担がのしかかっていると感じます。
私は、住民の命を守れるのは、身近な住民の方です。であればこそ自主防災組織への加入を義務にしなければならないと思っています。自治会のような任意加入では、組織は成り立ちません。義務で加入することで、真剣に要援護者の方を守る行動につなげられます。
現在のように「自治会=自主防災組織」の会員という位置づけでは、「自治会に入っている方を優先に助ける」というような発言が飛び出すことになってしまいます。
法の自主防災組織に関連する位置づけを見直す時期に来ているのではないかと思っていますが、「そんなことできるはずはない!」と思っていては、巨大地震が来る確立が高い、あるいは巨大地震が来ない地域でも災害の多い日本にあって、助け合って生きてきた国民性の回復につながらないのではないかと思います。
さて、常葉大学社会環境学部 准教授の小村隆史先生によるDIG講座で防災について再考させられたことがありました。
小村先生は、講義の冒頭に日本地図を広げられました。
日本地図の太平洋沿いに南海トラフが線となって海深く沈んでいます。この連動により九州宮崎から関東方面の沿岸部で10mを超える大きな津波と震度7クラスの巨大地震が発生することが予想されています。
小村先生は、「この地図の沿岸部には、多くの国民の方が住んでいること、さらに産業が多く集積していることを私たち研修生に創造をしてほしい」と話しかけます。確かに、地図を広げることで仮に津波が襲った場合や地震がきた時のあり様を頭に浮かべることができました。
先生は、続けます。「今、これらの範囲の方々に必要なのは、避難訓練でしょうか?それとも防潮堤を構築すればよいのでしょうか」と我々に問いかけます。
今や釜石の軌跡は、地域住民の命を守った取り組みとしていろんなところで報道されています。先生は、それはそれで訓練として正しいが、本質を見誤ってはいけないと言います。
要するに津波の来ることが分かっている沿岸部に保育所や老人ホームを作り、ここから高台に逃げる訓練を繰り返すよりも高台にこれらの場所を移設する方向に政府も行政も向かわなければならないと言うのです。
幼稚園児は、お昼に地震が発生すれば逃げることが可能かもしれませんが、老人ホームや病院が沿岸部にあれば、人命救助はおそらくほとんど出来ない可能性があります。
また、震度7クラスの地震では、耐震化できていない建造物は潰れますし、耐震化できていても家具類転倒による圧死が想定されます。
小村先生は、「耐震化や家具転倒を防止する施策をすることで多くの人命を救うことができる」「これは、政治家の責任ではないか」とも明言しました。
確かに津波を想定した何メートルもある防潮堤を多額の費用を投じて建設するのも有効な手段かも知れません。しかし私たちは、あの東日本大震災で想定を超える津波を経験しました。防潮堤が既にある町でさえ津波から人命を守ることができなかったのです。
そう考える時、今、巨大地震に備える私たちの取るべき行動は、防潮堤の建設ではなく、福祉施設などの高台移転をはじめとする諸施策なのではないでしょうか。
(今回の研修会では、政務活動費から研究・研修費として支出させていただいました)
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