良寛和尚の嫌いなもの。
と言えば、大半の方が、ははぁんと肯くであろう。
然れば、料理人の料理、歌詠みの歌、書家の書とされている。
形式と習慣とに嵌った、通り一遍のものを嫌われたものと思われる。
そうとすると、良寛和尚は、どこまでも突き詰めて、創造的なものを追求することを求められたのか?
これは大変なことになった!
うかうかはしていられない。
まずは、自らの作句を顧みなければ!
猫もまた想ひにふけるや長閑かな 素閑
客飽きて噺の不味き長閑なり 素閑
長閑さや座敷のひやかぜそろりとも 素閑
きつい嫁餅を頬張る長閑さよ 素閑
うたかたの恋に憧がる長閑さや 素閑
からす啼き友を呼びたり長閑かな 素閑
昼知らすサイレン揺れて長閑かな 素閑
古はがき埃にまみれ長閑さよ 素閑