これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

出会い系小学校

2009年07月09日 20時04分10秒 | エッセイ
 私が6年間通った小学校を、仮に「新松小学校」と呼ぶことにしよう。
 引越しをしていないから、姉と妹も新松小学校の卒業生である。のみならず、姉の夫である義兄も新松小学校を出ている。さらには、妹の夫である義弟も、新松小学校を卒業しているのだ。
 
 何という偶然……。

 学校数の少ない地方ならばいざ知らず、首都圏でこうなる確率はかなり低い。
 姉と義兄は低学年のときの同級生で、そのときは愛が芽生えなかったようだが、30代後半になってからのクラス会で再会し、結婚にこぎつけた。
 妹と義弟は、地元の企業で知り合った。義弟が勤めている会社で妹がアルバイトを始め、意気投合して今にいたっている。たまたま同じ小学校だっただけなのだが、経歴を聞くかぎりでは、小学校からの知り合いと思われても不思議はない。
 ちなみに、妹の息子と娘も、新松小学校に通っている。
 ちょっとくどい……。

 私の夫は、生まれも育ちも練馬なので、さいたま市にある新松小学校とは縁もゆかりもない。
 義弟と義兄が新松小学校出身だと知ったとき、私は非常に悔しい思いをした。
 もし、私も新松小学校卒の相手を選んでいたら、3姉妹とその夫が、揃って同じ小学校を卒業しているという珍記録が生まれたのに!!
 ふと、5年生のとき同級生だった、イケメンでスポーツマンの浩君のことを思い出した。
 
 甥が習いたての「新松小学校 校歌」を歌い始めると、妹夫婦だけでなく、姉夫婦や私までもが口出しをする。
「し~んまつ、の音が外れてる」
「あはは、ホントだ~」
「そこ、伸ばしすぎ!」
「もういっぺん歌ってみなさい」
 大人が、甥を囲んでにぎやかに歌唱指導していると、話題についてこられない夫と娘が「仲間外れだ……」と静かになる。

 新松小学校では、最近、こんな出会いも生まれている。
 先日、妹から送られてきたメールを読み、私は仰天した。
「とうとう新松小の児童が2人、新型インフルエンザに感染したわ~! 他に陽性反応が5人、高熱による欠席者が5人だって。放課後に連絡網が回ってきて、明日から一週間休校だよ!!」

 つ、ついに、こんな身近なところまで来てしまったか!!

 いくらなんでも、新型インフルエンザウイルスとは出会いたくないものだ。
 私はそそくさと返信をした。
「あら、大変ね。しばらく遊びに来なくていいわよ」



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コメント (16)
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