これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

かまちょ猫と伊江島

2014年05月29日 20時06分40秒 | エッセイ
 那覇から伊江島に行くには、本部(もとぶ)港から出ているフェリーに乗らねばならない。本部に行くには、まず名護に出て、そこからバスを乗り継いでいく。
 那覇から名護まで、高速バスでも90分かかる。名護で車外に降りたときには、靴を脱いで裸足になったような解放感があり、気分もよかった。

 次のバスは、15分後か。

 両腕を高く上げ、伸びの姿勢をしたあとは、バス停前のベンチで待つ。人はまばらだ。平日とはいえ、こんなに利用客が少なくて大丈夫なのだろうか。採算面を心配していたら、どこからともなく猫がやってきた。
 名護の猫とはいえ、「ナ~ゴ」と鳴くわけでもなく、黙って私と隣に座った若者を見比べている。こちらも猫を見て、「毛並みがよくないな」と値踏みした。その思いが伝わったのか、プイと顔をそむけて、私のもとから離れて行った。
 猫は隣の若者の前まで来ると、軽やかにジャンプして膝に飛び乗った。拒否されないと見ると、安心したように目を細め、眠り猫と化している。



「かまちょ」という若者言葉をご存じだろうか。「かまってちょうだい」を短縮した言い方なのだが、これはまさに「かまちょ猫」。遊んでもらって幸せそうだ。
 まもなくバスが来て、若者が立ち上がると、猫もしぶしぶ膝から降りた。また次のターゲットを探すにちがいない。
 本部港につくと、フェリーが停まっていた。



 伊江島まで30分。ここにも修学旅行生がわんさといて、沖縄がいかに人気なのか、痛いほどわかった。
「キャーッ、島が見えるぅ」
「はいっ、チーズ!」
 デッキは子どもたちに占領され、写真が撮れない……。まあいいや。
 伊江島に着くと、まずは自転車を借り、ニャティア洞に向かう。車はほとんど通らず、せわしない東京とはまったく違うのどかさがあった。



 15分ほど走ると、ニャティア洞だ。この洞窟には、「ビジル石」という子授け神が崇められているそうだ。この石を持ち上げ、軽いと感じたら女の子、重いと感じたら男の子に恵まれるという言い伝えがあるらしい。
 中に入ってみると、たしかに神がいそうな気配である。



 天井から滴る水が、カメラを濡らすこともあるのでご注意を。
 洞窟から見える海の素晴らしいこと。



 そして、これがビジル石である。



 実際に持ち上げたりはしなかったが、やってみればよかったかもしれない。
 ちょっと前までは、その先の米軍補助飛行場でオスプレイが見られたそうだ。一度くらいはお目にかかりたかったのに、最近は飛んでこないとか。
 お次は島の見どころ、城山(タッチュー)を目指す。むきだしの岩肌が、パワースポットの雰囲気を醸し出している。ここには、神が住んでいるような気配が感じられる。



 この神秘的な城山に、オスプレイは似合わない。また、飛行を再開するのだろうか。
 左側の登山口から、山に登ることができるという。もし時間があれば、私も登りたかったが、午後のフェリーで帰らなければならない。次の機会を作りたいものだ。
 短時間の滞在で、帰りのフェリーに乗った。伊江島の民家では、修学旅行生の受け入れを行っており、農業や料理などの体験学習をしているという。それも楽しそうな気がする。
 名護に戻り、今度は帰りのバスを待つ。近くを探してみたが、あの猫はいなかった。十分かまってもらえて、満足したのかもしれない。
 ホテルの近くには万座毛があった。



 ここは、とても好きな場所。到着時、不思議と雨も上がり、景色を楽しむことができた。
 沖縄はいいところだ。
 来年、また仕事で来るのでよろしく~!


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 「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
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コメント (10)
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