進路の決まった高校3年生はやる気がない。
授業をしていても、寝てしまったり、しゃべってしまったりで、集中力もない。
私の科目は美術系。課題を仕上げるだけで、期末テストを実施しないから、余計に勉強モードにならないのかもしれない。ないないづくしである。
「ううーん、何かもっと、モチベーションの上がる教材はないかなぁ」
ヒントを求めて図書室に行ってみた。
「ややっ、これはこれは!」
すぐに、いいものが見つかった。

切り紙というアートは知っているが、難しくて見るだけのものかと思っていた。
でも、そうではなかった。
この本に載っている型を使えば、簡単に素敵な切り紙が完成する。
たとえばこれ。

折り紙を半分に折り、ハサミで絵の外側を切れば天使が登場する。

「おお~」
ちょうど、12月になったことだし、テーマはクリスマスにした。
さて、これは?

ろうそくでした。

これは、おわかりになるだろう。

クリスマスツリーでした。

ちなみに、星の部分を切り取るのが難しく、下手するとこうなる。

「キエ~ッ!」
星のもげたツリーにショックを受け、思わずキジのように、けたたましい悲鳴をあげた。
じゃあ、これは?

リボン!

ふむふむ。今度は難しいですよ。
紙は6つ折りにします。

????

はい、雪の結晶です。
最後に、8つ折りにした、これはわかりますか。

いや、全然。

薄氷です。難易度高いっす。
すっかり気に入り、型紙を作って折り紙に印刷する。折り目と切り取り線がわかれば、ハサミを使って、誰でも切り紙を楽しむことができるからだ。
さて、だらけた3年生にウケるかな?
「先生、何これ?」
生徒は目新しいことが好きだ。教材を並べておいたら、すぐに近寄ってきた。
「点線で折って、実線のところを切るの。いろいろな絵ができて面白いよ」
「ふーん」
多くの生徒が「全種類制覇する」と意気込んで折り紙を取っている。席に着き、ハサミを動かし始めると無言になる。
「できた」
完成した図案を広げるときの期待感といったらない。予想を遥かに超える作品が出来上がるので、生徒の顔にも笑顔が広がる。
「すごい」
「やばい」
今の子どもは、ゲームなどのバーチャルな遊びで育ってきたから、紙を切るなどのアナログ作業は経験が浅い。手先を動かせば、次々と美しい絵柄を生み出せることに驚いているようだ。
「面白いね、これ」
次々と折り紙が減っていく。居眠りやおしゃべりもなく、彼らはひたすらハサミを走らせていた。できた作品は紙に貼り、クリスマスらしくデザインする。中には、切り取り線をアレンジして、オリジナルの絵柄を作り出す者もいる。「やっぱりプレゼントがないとね」などとつぶやきながら。
もしかすると、今までで一番集中した授業だったかもしれない。
何しろ、チャイムが鳴っても、まだ作業を続けている生徒がいたくらいだから。
「先生、余った折り紙、もらってもいい?」
家でやりたいのか、持ち帰る生徒もいて、かなりビックリする。
今日の授業はハナマルだ。
こんなに高度な作業を、わかりやすく本にまとめ、誰にでもできるようにしてくれた作家さんに感謝感謝。
すっかり、イワミ カイさんのファンになった。
紙さま、もとい、切り紙の神様と呼ばせていただきます!

↑
クリックしてくださるとウレシイです♪
※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
授業をしていても、寝てしまったり、しゃべってしまったりで、集中力もない。
私の科目は美術系。課題を仕上げるだけで、期末テストを実施しないから、余計に勉強モードにならないのかもしれない。ないないづくしである。
「ううーん、何かもっと、モチベーションの上がる教材はないかなぁ」
ヒントを求めて図書室に行ってみた。
「ややっ、これはこれは!」
すぐに、いいものが見つかった。

切り紙というアートは知っているが、難しくて見るだけのものかと思っていた。
でも、そうではなかった。
この本に載っている型を使えば、簡単に素敵な切り紙が完成する。
たとえばこれ。

折り紙を半分に折り、ハサミで絵の外側を切れば天使が登場する。

「おお~」
ちょうど、12月になったことだし、テーマはクリスマスにした。
さて、これは?

ろうそくでした。

これは、おわかりになるだろう。

クリスマスツリーでした。

ちなみに、星の部分を切り取るのが難しく、下手するとこうなる。

「キエ~ッ!」
星のもげたツリーにショックを受け、思わずキジのように、けたたましい悲鳴をあげた。
じゃあ、これは?

リボン!

ふむふむ。今度は難しいですよ。
紙は6つ折りにします。

????

はい、雪の結晶です。
最後に、8つ折りにした、これはわかりますか。

いや、全然。

薄氷です。難易度高いっす。
すっかり気に入り、型紙を作って折り紙に印刷する。折り目と切り取り線がわかれば、ハサミを使って、誰でも切り紙を楽しむことができるからだ。
さて、だらけた3年生にウケるかな?
「先生、何これ?」
生徒は目新しいことが好きだ。教材を並べておいたら、すぐに近寄ってきた。
「点線で折って、実線のところを切るの。いろいろな絵ができて面白いよ」
「ふーん」
多くの生徒が「全種類制覇する」と意気込んで折り紙を取っている。席に着き、ハサミを動かし始めると無言になる。
「できた」
完成した図案を広げるときの期待感といったらない。予想を遥かに超える作品が出来上がるので、生徒の顔にも笑顔が広がる。
「すごい」
「やばい」
今の子どもは、ゲームなどのバーチャルな遊びで育ってきたから、紙を切るなどのアナログ作業は経験が浅い。手先を動かせば、次々と美しい絵柄を生み出せることに驚いているようだ。
「面白いね、これ」
次々と折り紙が減っていく。居眠りやおしゃべりもなく、彼らはひたすらハサミを走らせていた。できた作品は紙に貼り、クリスマスらしくデザインする。中には、切り取り線をアレンジして、オリジナルの絵柄を作り出す者もいる。「やっぱりプレゼントがないとね」などとつぶやきながら。
もしかすると、今までで一番集中した授業だったかもしれない。
何しろ、チャイムが鳴っても、まだ作業を続けている生徒がいたくらいだから。
「先生、余った折り紙、もらってもいい?」
家でやりたいのか、持ち帰る生徒もいて、かなりビックリする。
今日の授業はハナマルだ。
こんなに高度な作業を、わかりやすく本にまとめ、誰にでもできるようにしてくれた作家さんに感謝感謝。
すっかり、イワミ カイさんのファンになった。
紙さま、もとい、切り紙の神様と呼ばせていただきます!

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「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)