これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

ボジョレー殺人事件

2018年11月15日 22時06分52秒 | エッセイ
 本日はボジョレー・ヌーヴォー解禁日である。
「別にいいかな、買わなくたって」
 お祭り気分に浮かれたい気もするが、ボジョレーは特に好きじゃない。スルーしようと思っていたら、ネットにスパークリングのボジョレーがあった。
「えっ、スパークリングなの? これなら飲みたい!」
 すばやく注文し解禁日を待つ。今日の午前中に到着したらしい。



 アンリ・フェッシー ルージュバブルス・ヌーヴォー2018と書いてある。
 ラベルがオシャレ♪
 コルクを抜こうとしたが、ものすごく固い。もしや、ボトルの中では、ワインや炭酸がこんな会話が交わしているのではないか。
「飲まれてたまるか」
「最後まで戦い抜くぞ」
「何があっても、ここは守り抜く」



 オイオイオイ。
 しょうがない、ワインオープナーを使ってみよう。
 グサッ。



 さらにグリグリグリと回転させ、コルクの奥深くに沈めていく。
「あっ、攻め込んできたぞ」
「よし、作戦変更だ」
「見てろよ」
 と言ったかどうかはわからない。だが、急にコルクがせり上がってきて、ポーンと飛んでいった。
「あああ、溢れちゃった!」
 コルクが抜けた途端に炭酸が勢いよく噴き出してきて、この通り。



 鋭利な刃物で刺され、血だまりができたように見える。まるで殺人事件ではないか。とんだボジョレーであった。
 騒ぎに乗じて、集団脱走を図ったのかな?
「ふう、手間暇かせさせて面倒くさいヤツだな」
 グラスに注ぐと、シュワシュワと静かな音を立て、赤くて透き通った液体が目を楽しませてくれた。



「いただきまーす」
 中甘口と書かれた通り、これは私の好みの味だ。まろやかで美味しい。
 殺人犯が逃走したせいか、残りのボジョレーはリラックスしているような味がした。


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コメント (8)
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