指輪のサイズは10号である。
決して細い指ではないが、10代の頃は11号だったので、これでもワンサイズダウンを達成した。しかし、昨年、不摂生から体がむくんで指も太くなり、指輪が「なかなか入らない」事態になってしまった。第一関節は通過するのだが、第二関節が外に張り出したせいで引っかかり、「やだやだ」と抵抗するのだ。
朝の出勤時、太ってウインナーのようになった指に、無理やり「えいえいっ」と指輪を押し込む作業が続くと、毎日が憂鬱になってくる。また朝から指と格闘しなければいけないのかとため息がもれる。そういうときは、脳がストレスを回避しようと頑張るのかもしれない。ピピッと合理的なアイデアが浮かんできた。
「そうだ、母からもらったプラチナの指輪に替えてみたらどう?」
私の母は指が太い。手だけ見たら、男性と間違われるであろう。薬指でも13号というサイズなので「もうつけないからあげるわ」なんて言われて指輪を渡されても、ついぞありがたみには結びつかなかった。たまに中指にはめる程度で、引き出しの中で眠り姫と化していたアレを生かすチャンスだよ、と思い出させてもらったようだ。
「どれどれ」と指輪を取り出してみる。
薬指にはめてみたが、以前と変わらずゆるゆるで、ポケットから手を出した弾みで、指輪が取れてしまったなんてこともあった。なくさないように気を付けなければ。
でも、締め付けられる窮屈さがなくて、靴を脱いで素足になったときのような解放感が味わえる。指も自由を満喫し、さぞ爽快に違いない。
「このまま放っておいたら、第二関節が元に戻ったりして。様子を見てみよう」
楽観的に都合よく考え、3カ月ほど放置していたのだが、残念ながら仮説は間違いであった。
先日、好き勝手に過ごさせた薬指の太さを確認しようと、10号の指輪をはめてみた。
「ううっ、前よりもきつくなっている!」
体重は1kg減ったというのに、薬指は太っていることが解せない……。
この状態では、10号の指輪が全部入らないということになる。お気に入りのパールも、並んだダイヤも、はめるのを諦めるなんてことはできず大問題だ。この第二関節を何とかしなくてはと焦った。
本気で考えると、さらにアイデアが生まれるものらしい。
「右手の親指と人差し指で、問題の関節を挟んでみたら、少しは細くなるかも?」
まさかねとの思いもあったが、四の五の言わずにやってみた。痛くない程度に挟む指に力を入れると、関節の幅が多少は小さくなる。押さえたまま、指輪を下に動かしてみたら、スルッと第二関節を通過した。
「やった~、入った!」
指の根元に肉が増え、指輪がめり込んでいるけれど、つけているうちに細くなるであろう。明日からは13号ちゃんには眠ってもらい、10号ちゃんに働いてもらうことにした。
得られた教訓は、指を甘やかしてはいけないということだった。
加えて、もっと早く思いつけよコラッ、と自分を叱った。
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「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
決して細い指ではないが、10代の頃は11号だったので、これでもワンサイズダウンを達成した。しかし、昨年、不摂生から体がむくんで指も太くなり、指輪が「なかなか入らない」事態になってしまった。第一関節は通過するのだが、第二関節が外に張り出したせいで引っかかり、「やだやだ」と抵抗するのだ。
朝の出勤時、太ってウインナーのようになった指に、無理やり「えいえいっ」と指輪を押し込む作業が続くと、毎日が憂鬱になってくる。また朝から指と格闘しなければいけないのかとため息がもれる。そういうときは、脳がストレスを回避しようと頑張るのかもしれない。ピピッと合理的なアイデアが浮かんできた。
「そうだ、母からもらったプラチナの指輪に替えてみたらどう?」
私の母は指が太い。手だけ見たら、男性と間違われるであろう。薬指でも13号というサイズなので「もうつけないからあげるわ」なんて言われて指輪を渡されても、ついぞありがたみには結びつかなかった。たまに中指にはめる程度で、引き出しの中で眠り姫と化していたアレを生かすチャンスだよ、と思い出させてもらったようだ。
「どれどれ」と指輪を取り出してみる。
薬指にはめてみたが、以前と変わらずゆるゆるで、ポケットから手を出した弾みで、指輪が取れてしまったなんてこともあった。なくさないように気を付けなければ。
でも、締め付けられる窮屈さがなくて、靴を脱いで素足になったときのような解放感が味わえる。指も自由を満喫し、さぞ爽快に違いない。
「このまま放っておいたら、第二関節が元に戻ったりして。様子を見てみよう」
楽観的に都合よく考え、3カ月ほど放置していたのだが、残念ながら仮説は間違いであった。
先日、好き勝手に過ごさせた薬指の太さを確認しようと、10号の指輪をはめてみた。
「ううっ、前よりもきつくなっている!」
体重は1kg減ったというのに、薬指は太っていることが解せない……。
この状態では、10号の指輪が全部入らないということになる。お気に入りのパールも、並んだダイヤも、はめるのを諦めるなんてことはできず大問題だ。この第二関節を何とかしなくてはと焦った。
本気で考えると、さらにアイデアが生まれるものらしい。
「右手の親指と人差し指で、問題の関節を挟んでみたら、少しは細くなるかも?」
まさかねとの思いもあったが、四の五の言わずにやってみた。痛くない程度に挟む指に力を入れると、関節の幅が多少は小さくなる。押さえたまま、指輪を下に動かしてみたら、スルッと第二関節を通過した。
「やった~、入った!」
指の根元に肉が増え、指輪がめり込んでいるけれど、つけているうちに細くなるであろう。明日からは13号ちゃんには眠ってもらい、10号ちゃんに働いてもらうことにした。
得られた教訓は、指を甘やかしてはいけないということだった。
加えて、もっと早く思いつけよコラッ、と自分を叱った。
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大丈夫なんですか?
それとも女性はやはり、“痛み”よりも“美”が優先なのですかね~
はい、血行が悪くなりそうなキツさです。
しかし、少し時間がたてばなじんでしまうような気がしました。
お気遣いいただき、ありがとうございます。
今回わかったことは、使わないと指はさび付くという事実でした。
水分・塩分の取り過ぎでむくまないようにして、大いに活用しないといけません。
オットが結婚後数年、私がその後しばらくして
外し、大事にしまってあります。
おかげで汚れる心配はないものの、たまには
オシャレではめたい。
合う指を探すより、右手の力を借りてみますか♪
結婚指輪も仕事上していません。
指輪…、どこに行ったかなぁ。
昨日から10号サイズをはめています。
入ってしまえば違和感なしです。
一度なくしているので、二回目の指輪は稼働しないといけません。
元をとるぞ~!
外してネックレスにしている人がいました。
はい、働き者の手です(笑)
元々骨太なんでしょうね。
手のひらは薄べったいかも~。
あまり肉がついていなくて、のっぺりしているもので。
指輪は奥さんが大事にしまってくれているのでは?
むくみは気になりますよね。
私の場合は甘いものを控えるようにしたら改善しました。
指輪……ダイヤルすれば音が鳴るわけでなし、どこにあるんでしょうね。
お仕事頑張ってください!