「賢徳は蟹の精」「小飛出は狐」「泥眼に女の性をみる」。

2022-07-26 12:44:33 | 祭り
三つの面を説明するのに何かいいモノガタリはないかと探していました。
「上野天神祭」では、たとえ小鬼(コオニ=子どもが演ずる)とはいえコワ~い「鬼」として出演します。
が、それは「能や狂言」で活躍する『面』でもあるのです。


賢徳(ケントク)

キョロリとし た眼があさっての方向を向き、小鼻をふくらませた表情が、笑いを誘う。
植物ならキノコ、動物ならカニや犬などの精霊の役に用いられる面だそうです。

【狂言:蟹山伏(カニヤマブシ)】(動画あり)

山伏が供を連れて沢に差し掛かると蟹の精が現れる。
供のものが取り伏せようとするが逆に耳を挟まれる。
助けようとした山伏も捕まってしまう。
その「蟹の精」が「賢徳。 

楽しい動画を見つけました、
【失敗ばかりのスーパーマン】狂言キャラクター紹介シリーズ#3 〈山伏編〉
〜狂言「蟹山伏」映像提供:横浜能楽堂〜



小飛出(コトビデ)】能/小鍛冶など

狐などの畜類に用いる面です。
 この小飛出よりも目や鼻、口が大きい金色の面を「大飛出(オオトビデ)」といい、
 荒々しい神の役に用います。≫

使用する演目:『小鍛冶(コカジ)』『殺生石(セッショウセキ)』『鵺(ヌエ)』『合浦(カッポ)』など

この能の「小鍛冶」、伊賀上野城下町福居町の「清水谷の小鍛冶伝説」とそっくり…

能「小鍛冶」 能舞台の原点へ―照明による野外能舞台の再現―


「小飛出」の面が大活躍です。



泥眼(デイガン)】能/葵上

≪嫉妬を抑えようとする表情を目と歯に金泥(キンデイ)を入れて表しています。
 後れ毛(オクレゲ)が少し乱れているように書かれているのが特徴です。
 嫉妬に苦しむ女性や龍女などに用います。≫

400年以上経っていますので、いささか細かいところは見にくいですが、
ジッと見ていると、、、コワ~~い「面」なのです。

使用する演目:『葵上(アオイノウエ)』『海人(アマ)』『砧(キヌタ)』など

「女面」の変遷(福岡市博物館HPより)
≪若い女性(小面)から凄みを湛えた面、嫉妬にさいなまされる女性の怒りと哀しみの極限(般若)を形にあらわしたものまで
 なかなかおどろおどろしい世界が見えてきます。≫

「能の5分間」第7:『葵上』


 女面の変りゆく姿…

「葵上」の分かりやすいあらすじはここで。


「藤堂高虎の眼病平癒の祈祷のお礼として、能面を賜った」という歴史と共に、
これからもずっと伝えていくことの難しさ…祭り町町民(マツリマチチョウミン)はいつも考えています。
今年こそ「上野天神祭」が行われますように

本日12時、室温33度、暑うございます
家にいても干からびそうなので、最後は少し怖いお話で締めてみました。
ではまた
コメント
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