水森サトリ著、『でかい月だな』、読了。
豊崎女史が強烈にプッシュするだけはあるなぁと思いました。
親友に崖下に突き落とされ(っていうか蹴り落とされ)、大好きだったバスケが二度と出来なくなった少年のお話。
でもって、侵略SFでもある。
新人作家のデビュー作がこれだけの出来なら手ばなしで褒めてもよいと思います。
一つだけ気に入らなかったのが微妙にBLの匂いが漂うところかな、、、BL、生理的に受け付けないんです。
ただ、アマゾンのレビューに、『エヴァ』の影響下にある作品というコメントが載ってて、なるほど、それならBLの匂いが漂っていても致し方ないか、と思いました。
というわけで、本作は『エヴァ』ファンには特にお薦めです。
お気に入り度は★★★☆、お薦め度は★★★☆(★は五つで満点、☆は★の半分)。
豊崎女史が強烈にプッシュするだけはあるなぁと思いました。
親友に崖下に突き落とされ(っていうか蹴り落とされ)、大好きだったバスケが二度と出来なくなった少年のお話。
でもって、侵略SFでもある。
新人作家のデビュー作がこれだけの出来なら手ばなしで褒めてもよいと思います。
一つだけ気に入らなかったのが微妙にBLの匂いが漂うところかな、、、BL、生理的に受け付けないんです。
ただ、アマゾンのレビューに、『エヴァ』の影響下にある作品というコメントが載ってて、なるほど、それならBLの匂いが漂っていても致し方ないか、と思いました。
というわけで、本作は『エヴァ』ファンには特にお薦めです。
お気に入り度は★★★☆、お薦め度は★★★☆(★は五つで満点、☆は★の半分)。
うわー、はっえーな、ついこの間、明けましておめでとうございます!おめでたいことが自分だけにありますよーに!!(心狭いな!)って新年の挨拶をしたよーな気がするんですけど、もう六月も終わろうとしていますよ。うかうかしてたら来週辺り年の暮れになっちゃうかもしれませんね(ならねーよ!)。
というわけで(どんなわけだ?)2008年6月末までの、っていうか、2008年上半期の劇場鑑賞映画一覧です。
何かのお役に立てれば幸いです。
*リンク先は拙ブログのレビュー記事になっています。
28.『インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国』(6/14、Tジョイ久留米にて)
お気に入り度★★★、お薦め度★★★☆
27.『ザ・マジックアワー』(6/7、Tジョイ久留米にて)
お気に入り度★★★、お薦め度★★★☆
26.『ランボー』(6/1、ユナイテッド・シネマキャナルシティ博多にて)
お気に入り度★★★、お薦め度★★☆
25.『アフタースクール』(6/1、ユナイテッド・シネマキャナルシティ博多にて)
お気に入り度★★★★、お薦め度★★★★
24.『シューテム・アップ』(6/1、ユナイテッド・シネマキャナルシティ博多にて)
お気に入り度★★★★、お薦め度★★★☆
23.『相棒 -劇場版- 絶体絶命! 42.195km 東京ビッグシティマラソン』(5/18、Tジョイ久留米にて)
お気に入り度★☆、お薦め度★★☆
22.『ミスト』(5/10、Tジョイ久留米にて)
お気に入り度★★★、お薦め度★★☆
21.『ノーカントリー』(5/5、イオンシネマ佐賀大和にて)
お気に入り度★★★、お薦め度★★★
20.『つぐない』(4/19、KBCシネマにて)
お気に入り度★★★☆、お薦め度★★★★☆
19.『ヒットマン』(4/12、Tジョイ久留米にて)
お気に入り度★★★★、お薦め度★★☆
18.『うた魂♪』(4/5、Tジョイ久留米にて)
お気に入り度★★、お薦め度★★☆
17.『死神の精度』(4/5、Tジョイ久留米にて)
お気に入り度★、お薦め度★☆
16.『クローバー・フィールド/HAKAISHA』(4/5、Tジョイ久留米にて)
お気に入り度★★★☆、お薦め度★★★☆
15.『超劇場版ケロロ軍曹3 ケロロ対ケロロ 天空大決戦であります!』(3/29、Tジョイ久留米にて)
お気に入り度★★★、お薦め度★★★
14.『アフター・ウェディング』(3/16、シアター・シエマにて)
お気に入り度★★★☆、お薦め度★★★★
13.『ゾンビーノ』(3/16、シアター・シエマにて)
お気に入り度★★★☆、お薦め度★★★
12.『ジャンパー』(3/9、Tジョイ久留米にて)
お気に入り度☆、お薦め度★
11.『バンテージ・ポイント』(3/9、Tジョイ久留米にて)
お気に入り度★★★、お薦め度★★★☆
10.『マゴリアムおじさんの不思議なおもちゃ屋』(3/1、Tジョイ久留米にて)
お気に入り度★★★、お薦め度★★★
9.『潜水服は蝶の夢を見る』(3/1、Tジョイ久留米にて)
お気に入り度★★☆、お薦め度★★★☆
8.『ライラの冒険 黄金の羅針盤』(3/1、Tジョイ久留米にて)
お気に入り度★☆、お薦め度★★
7.『団塊ボーイズ』(2/11、Tジョイ久留米にて)
お気に入り度★★★☆、お薦め度★★★☆
6.『大脱走』(2/10、久留米スカラ座にて)
お気に入り度★★、お薦め度★★★☆
5.『アメリカン・ギャングスター』(2/2、Tジョイ久留米にて)
お気に入り度★★★、お薦め度★★★☆
4.『KIDS』(2/2、Tジョイ久留米にて)
お気に入り度☆、お薦め度☆
3.『善き人のためのソナタ』(1/20、シアター・シエマにて)
お気に入り度★★★★☆、お薦め度★★★★☆
2.『28週後・・・』(1/19、TOHOシネマズトリアス久山にて)
お気に入り度★★★★☆、お薦め度★★★
1.『スウィーニー・トッド/フリード街の悪魔の理髪師』(1/19、TOHOシネマズトリアス久山にて)
お気に入り度★★☆、お薦め度★★★☆
★は五つで満点、☆は★の半分です。
というわけで(どんなわけだ?)2008年6月末までの、っていうか、2008年上半期の劇場鑑賞映画一覧です。
何かのお役に立てれば幸いです。
*リンク先は拙ブログのレビュー記事になっています。
28.『インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国』(6/14、Tジョイ久留米にて)
お気に入り度★★★、お薦め度★★★☆
27.『ザ・マジックアワー』(6/7、Tジョイ久留米にて)
お気に入り度★★★、お薦め度★★★☆
26.『ランボー』(6/1、ユナイテッド・シネマキャナルシティ博多にて)
お気に入り度★★★、お薦め度★★☆
25.『アフタースクール』(6/1、ユナイテッド・シネマキャナルシティ博多にて)
お気に入り度★★★★、お薦め度★★★★
24.『シューテム・アップ』(6/1、ユナイテッド・シネマキャナルシティ博多にて)
お気に入り度★★★★、お薦め度★★★☆
23.『相棒 -劇場版- 絶体絶命! 42.195km 東京ビッグシティマラソン』(5/18、Tジョイ久留米にて)
お気に入り度★☆、お薦め度★★☆
22.『ミスト』(5/10、Tジョイ久留米にて)
お気に入り度★★★、お薦め度★★☆
21.『ノーカントリー』(5/5、イオンシネマ佐賀大和にて)
お気に入り度★★★、お薦め度★★★
20.『つぐない』(4/19、KBCシネマにて)
お気に入り度★★★☆、お薦め度★★★★☆
19.『ヒットマン』(4/12、Tジョイ久留米にて)
お気に入り度★★★★、お薦め度★★☆
18.『うた魂♪』(4/5、Tジョイ久留米にて)
お気に入り度★★、お薦め度★★☆
17.『死神の精度』(4/5、Tジョイ久留米にて)
お気に入り度★、お薦め度★☆
16.『クローバー・フィールド/HAKAISHA』(4/5、Tジョイ久留米にて)
お気に入り度★★★☆、お薦め度★★★☆
15.『超劇場版ケロロ軍曹3 ケロロ対ケロロ 天空大決戦であります!』(3/29、Tジョイ久留米にて)
お気に入り度★★★、お薦め度★★★
14.『アフター・ウェディング』(3/16、シアター・シエマにて)
お気に入り度★★★☆、お薦め度★★★★
13.『ゾンビーノ』(3/16、シアター・シエマにて)
お気に入り度★★★☆、お薦め度★★★
12.『ジャンパー』(3/9、Tジョイ久留米にて)
お気に入り度☆、お薦め度★
11.『バンテージ・ポイント』(3/9、Tジョイ久留米にて)
お気に入り度★★★、お薦め度★★★☆
10.『マゴリアムおじさんの不思議なおもちゃ屋』(3/1、Tジョイ久留米にて)
お気に入り度★★★、お薦め度★★★
9.『潜水服は蝶の夢を見る』(3/1、Tジョイ久留米にて)
お気に入り度★★☆、お薦め度★★★☆
8.『ライラの冒険 黄金の羅針盤』(3/1、Tジョイ久留米にて)
お気に入り度★☆、お薦め度★★
7.『団塊ボーイズ』(2/11、Tジョイ久留米にて)
お気に入り度★★★☆、お薦め度★★★☆
6.『大脱走』(2/10、久留米スカラ座にて)
お気に入り度★★、お薦め度★★★☆
5.『アメリカン・ギャングスター』(2/2、Tジョイ久留米にて)
お気に入り度★★★、お薦め度★★★☆
4.『KIDS』(2/2、Tジョイ久留米にて)
お気に入り度☆、お薦め度☆
3.『善き人のためのソナタ』(1/20、シアター・シエマにて)
お気に入り度★★★★☆、お薦め度★★★★☆
2.『28週後・・・』(1/19、TOHOシネマズトリアス久山にて)
お気に入り度★★★★☆、お薦め度★★★
1.『スウィーニー・トッド/フリード街の悪魔の理髪師』(1/19、TOHOシネマズトリアス久山にて)
お気に入り度★★☆、お薦め度★★★☆
★は五つで満点、☆は★の半分です。
明日、六月二十八日は何の日か、ご存じですか?
そう、他でもない自分の誕生日!!ではなく(なぜ嘘をつく・・・)、『ターミネーター2 特別編』がテレビ放映される日なんです!!
といっても、これが初放映ってワケではなく、むしろこれで何度目の放映だよ、おぃ、っていいたくなるぐらい繰り返し放映されてますので、今日は『ターミネーター2』をよりマニアックに楽しむためにいくつかトリビアを紹介します。
その1.消えたり現われたりする警官バッジの謎。
旧型ターミネーター(以後シュワ)と新型ターミネーター(以後パトリック)が初顔合わせとなるゲームセンターの裏口から続く業務用通路での銃撃シーン。シュワはパトリックにショットガンの銃弾を七発撃ち込みます。このときパトリックの胸についている警官バッジが(よくよく注意して見ると)不規則に消えたり現れたりしているのです。
また弾痕も二発目以降移動しています。
同じことはクライマックスでの溶鉱炉の前のシーンでもあり、サラの放った六発の銃弾に対し、弾痕は五箇所しかありません。
その2.阿修羅型ターミネーター。
通常パトリックは警官の姿をしています。必要によっては他人に化けることもありますが、ともかく人の姿をしています。車と追いかけっこをする羽目になったときも律儀に人の姿をしたままで追いかけます。バイクなどにはなれずともせめて四つ足で走ったらどうだ、と思わないではないですが、基本的にパトリックは人の姿、形でいることが好きなのでしょう。
そんなパトリックが唯一人型であることを放棄しているのがヘリコプターを操縦しているシーン。
このときのパトリック、何とヘリコプターを操縦しつつ、同時にサラたちの乗るバンにその手に持っている銃で発砲しています。つまり、このときの彼には四本腕が生えているのです(!)。
阿修羅のような形相という表現がありますが、まさに阿修羅となってパトリックはサラたちを追いかけていたのですね。
その3.義理堅いジェームズ・キャメロン。
ハリウッド一義理堅い映画監督であるジェームズ・キャメロンは、日本人雑誌編集者に『ターミネーター2』へ出演したいと頼まれ、断れず、特別出演させています。業務用通路でパトリックに殺されるアジア系の男性がそうなんですけど、この人、今何やってるんでしょうね?
また、義理堅さはキャスティングにも及び、しばしば同じ役者を自作で起用しています。『ターミネーター』でカイル・リース役だったマイケル・ビーンが『エイリアン2』ではヒックス伍長役だったのはよく知られていますが、『エイリアン2』でバスケス役(筋肉ムキムキで懸垂をやってた女兵士)だったジェニット・ゴールドスタインが『ターミネーター2』ではジョンの養母役なのはあまり知られていない事実です。
その4.超古典的なトリック。
当時としては最新のCGを用いていた『ターミネーター2』ですが、そのCGの技術は今見てもまったく見劣りしません。
しかし最新のCGが用いられる一方、古典的といっていいトリックもまた用いられていました。
精神病院に侵入したパトリックは自動販売機にコーヒーを買いにきた警備員をその手にかけます。このときパトリックは警備員に化けたため、同一画面上に二人の警備員が出現します。
このシーン、CGによるものと思っている人もいるかもしれませんが、実は何のことはない、双子の役者を使って撮影されています。
同じトリックはもう一ヶ所使われていて、それはどこかというとやはり溶鉱炉のシーン。同一画面上にサラと彼女に化けたパトリックが映っています。で、このとき、一方のサラはサラ役のリンダ・ハミルトンの双子の妹であるレスリー・ハミルトンが演じています。
自分はこの話を聞いたとき、トリック一つを取ってもジェームズ・キャメロンはセンスが違うなぁと感心しました。ジョン・モストゥとはえらい違いだよ。
ま、こんなところでしょうか。
では皆さん、六月二十八日の土曜プレミアムの『ターミネーター2』をお楽しみ下さい。
ps.トリビアネタはデータハウス刊『ターミネーターの秘密』から拝借しました。
そう、他でもない自分の誕生日!!ではなく(なぜ嘘をつく・・・)、『ターミネーター2 特別編』がテレビ放映される日なんです!!
といっても、これが初放映ってワケではなく、むしろこれで何度目の放映だよ、おぃ、っていいたくなるぐらい繰り返し放映されてますので、今日は『ターミネーター2』をよりマニアックに楽しむためにいくつかトリビアを紹介します。
その1.消えたり現われたりする警官バッジの謎。
旧型ターミネーター(以後シュワ)と新型ターミネーター(以後パトリック)が初顔合わせとなるゲームセンターの裏口から続く業務用通路での銃撃シーン。シュワはパトリックにショットガンの銃弾を七発撃ち込みます。このときパトリックの胸についている警官バッジが(よくよく注意して見ると)不規則に消えたり現れたりしているのです。
また弾痕も二発目以降移動しています。
同じことはクライマックスでの溶鉱炉の前のシーンでもあり、サラの放った六発の銃弾に対し、弾痕は五箇所しかありません。
その2.阿修羅型ターミネーター。
通常パトリックは警官の姿をしています。必要によっては他人に化けることもありますが、ともかく人の姿をしています。車と追いかけっこをする羽目になったときも律儀に人の姿をしたままで追いかけます。バイクなどにはなれずともせめて四つ足で走ったらどうだ、と思わないではないですが、基本的にパトリックは人の姿、形でいることが好きなのでしょう。
そんなパトリックが唯一人型であることを放棄しているのがヘリコプターを操縦しているシーン。
このときのパトリック、何とヘリコプターを操縦しつつ、同時にサラたちの乗るバンにその手に持っている銃で発砲しています。つまり、このときの彼には四本腕が生えているのです(!)。
阿修羅のような形相という表現がありますが、まさに阿修羅となってパトリックはサラたちを追いかけていたのですね。
その3.義理堅いジェームズ・キャメロン。
ハリウッド一義理堅い映画監督であるジェームズ・キャメロンは、日本人雑誌編集者に『ターミネーター2』へ出演したいと頼まれ、断れず、特別出演させています。業務用通路でパトリックに殺されるアジア系の男性がそうなんですけど、この人、今何やってるんでしょうね?
また、義理堅さはキャスティングにも及び、しばしば同じ役者を自作で起用しています。『ターミネーター』でカイル・リース役だったマイケル・ビーンが『エイリアン2』ではヒックス伍長役だったのはよく知られていますが、『エイリアン2』でバスケス役(筋肉ムキムキで懸垂をやってた女兵士)だったジェニット・ゴールドスタインが『ターミネーター2』ではジョンの養母役なのはあまり知られていない事実です。
その4.超古典的なトリック。
当時としては最新のCGを用いていた『ターミネーター2』ですが、そのCGの技術は今見てもまったく見劣りしません。
しかし最新のCGが用いられる一方、古典的といっていいトリックもまた用いられていました。
精神病院に侵入したパトリックは自動販売機にコーヒーを買いにきた警備員をその手にかけます。このときパトリックは警備員に化けたため、同一画面上に二人の警備員が出現します。
このシーン、CGによるものと思っている人もいるかもしれませんが、実は何のことはない、双子の役者を使って撮影されています。
同じトリックはもう一ヶ所使われていて、それはどこかというとやはり溶鉱炉のシーン。同一画面上にサラと彼女に化けたパトリックが映っています。で、このとき、一方のサラはサラ役のリンダ・ハミルトンの双子の妹であるレスリー・ハミルトンが演じています。
自分はこの話を聞いたとき、トリック一つを取ってもジェームズ・キャメロンはセンスが違うなぁと感心しました。ジョン・モストゥとはえらい違いだよ。
ま、こんなところでしょうか。
では皆さん、六月二十八日の土曜プレミアムの『ターミネーター2』をお楽しみ下さい。
ps.トリビアネタはデータハウス刊『ターミネーターの秘密』から拝借しました。
森見登美彦著、『太陽の塔』、読了。
この小説、読んでみて何が驚いたかというと日本ファンタジーノベル大賞受賞作であるにも関わらずファンタジー小説ではない、ということ。
確かに主人公の暴走が妄想している、、、じゃない、妄想が暴走している箇所はファンタジーぽくはあるのだけれど、これをもって本作をファンタジーというのであれば『めぞん一刻』も立派なファンタジーだよ。笑。
無論ファンタジーじゃないからといって面白くないといってるわけでなく、本作は同じ著者の、こちらは純然たるファンタジー小説である『夜は短し歩けよ乙女』の原型といえるので、読んでいる間は充分楽しい。
しかしながら水尾さん、植村嬢、遠藤氏、もちろん主人公を含めた四人組もだけれど、主要登場人物が皆が皆魅力的なものだから、その分何一つ物事が決着を見ないまま、尻切れトンボな結末を迎えたのには如何にも不満を覚えてしまいます。
まぁだからこそ(作者自身もそう思って)傑作たる『夜は短し歩けよ乙女』が生まれたのでしょうね。
お気に入り度は★★★、お薦め度は★★★(★は五つで満点、☆は★の半分)。
この小説、読んでみて何が驚いたかというと日本ファンタジーノベル大賞受賞作であるにも関わらずファンタジー小説ではない、ということ。
確かに主人公の暴走が妄想している、、、じゃない、妄想が暴走している箇所はファンタジーぽくはあるのだけれど、これをもって本作をファンタジーというのであれば『めぞん一刻』も立派なファンタジーだよ。笑。
無論ファンタジーじゃないからといって面白くないといってるわけでなく、本作は同じ著者の、こちらは純然たるファンタジー小説である『夜は短し歩けよ乙女』の原型といえるので、読んでいる間は充分楽しい。
しかしながら水尾さん、植村嬢、遠藤氏、もちろん主人公を含めた四人組もだけれど、主要登場人物が皆が皆魅力的なものだから、その分何一つ物事が決着を見ないまま、尻切れトンボな結末を迎えたのには如何にも不満を覚えてしまいます。
まぁだからこそ(作者自身もそう思って)傑作たる『夜は短し歩けよ乙女』が生まれたのでしょうね。
お気に入り度は★★★、お薦め度は★★★(★は五つで満点、☆は★の半分)。
ジョシュ・ハートネット主演、 ポール・マクギガン監督、『ホワイト・ライズ』、DVDにて鑑賞。
この作品を見てみようかな、と思ったのはミクシィのあるコミュニティのトピックで、劇団ひとりが本作を「アッ!」と驚くストーリーの映画の一本として紹介していたと書いてあったからです。
サプライズド・エンディングの映画は決して嫌いじゃないので、劇団ひとり、勝負じゃ!!と思って、借りてみることにしました。
本作は、ある人物の悪意によって引き裂かれた、一組の恋人たちの物語です。
ぶっちゃけ、よく出来てると思いますよ。パズル的な構成も、物語の幕の引き方も決して嫌いじゃないです。
でも、だからこそ気になるんですよね、どーして、主人公は携帯電話を持っていなかったのか?(もしくは持っていないのか?)
この映画を観た人の半分ぐらいは疑問に思ったんじゃないかと思うし、アマゾンのレビューでも指摘していた人がいたんですけど、主人公とヒロインに降りかかった災厄は主人公が携帯電話さえ持っていれば避けられたものではないでしょうか。
オリジナルはフランス映画だそうですが、オリジナルではその問題はクリアしていたのかな?
ともかく、そのことにさえ目をつぶれば、『ホワイト・ライズ』、なかなか楽しめると思います。
あ、そういえば、この映画を見ても別に「アッ!」とは驚きませんでした。
劇団ひとりに勝ちました。
お気に入り度は★★☆、お薦め度は★★★(★は五つで満点、☆は★の半分)。
ps.ついでに同じ日に見た『秘密のかけら』、デヴォンさんからレビューは書かないで!と懇願されたので点数だけ付記しておきます。笑。
お気に入り度は★、お薦め度は★☆(★は五つで満点、☆は★の半分)です。
この作品を見てみようかな、と思ったのはミクシィのあるコミュニティのトピックで、劇団ひとりが本作を「アッ!」と驚くストーリーの映画の一本として紹介していたと書いてあったからです。
サプライズド・エンディングの映画は決して嫌いじゃないので、劇団ひとり、勝負じゃ!!と思って、借りてみることにしました。
本作は、ある人物の悪意によって引き裂かれた、一組の恋人たちの物語です。
ぶっちゃけ、よく出来てると思いますよ。パズル的な構成も、物語の幕の引き方も決して嫌いじゃないです。
でも、だからこそ気になるんですよね、どーして、主人公は携帯電話を持っていなかったのか?(もしくは持っていないのか?)
この映画を観た人の半分ぐらいは疑問に思ったんじゃないかと思うし、アマゾンのレビューでも指摘していた人がいたんですけど、主人公とヒロインに降りかかった災厄は主人公が携帯電話さえ持っていれば避けられたものではないでしょうか。
オリジナルはフランス映画だそうですが、オリジナルではその問題はクリアしていたのかな?
ともかく、そのことにさえ目をつぶれば、『ホワイト・ライズ』、なかなか楽しめると思います。
あ、そういえば、この映画を見ても別に「アッ!」とは驚きませんでした。
劇団ひとりに勝ちました。
お気に入り度は★★☆、お薦め度は★★★(★は五つで満点、☆は★の半分)。
ps.ついでに同じ日に見た『秘密のかけら』、デヴォンさんからレビューは書かないで!と懇願されたので点数だけ付記しておきます。笑。
お気に入り度は★、お薦め度は★☆(★は五つで満点、☆は★の半分)です。
鍛えてます。
朝起きてまず何をするかというとヒゲを剃って、顔を洗って、そのあとは筋トレですよ、筋トレ。
まぁ朝だと時間がないのでやるのは腕立て伏せ四十回と腹筋四十回ぐらいですけどね。少ない回数でも負荷が多くかかるように腕立て伏せは踏み台に足先を乗せ、拳を握ってやってます。腹筋はフツーに膝を曲げての腹筋ですけど。
帰宅後はプロテイン入りの牛乳なんか飲んじゃってます。プロテインって飲みにくいイメージがあったんですけど、自分が飲んでる奴はバナナ味で結構美味しいです。
そんな涙ぐましい努力をしている理由はもちろん夏が近づいているからに他なりません。今年こそ海にデビューしたい!!(デビューっていうか再デビューね。)
もう何年海に行ってないことやら。
いい加減海のしょっぱさも忘れちゃったよ!
すべての生命は海で誕生したっていうのにね・・・。
正直去年まではテレビの中継か何かで海岸でいちゃついてるカップルを見ようものなら呪ってましたよ。
おめぇら揃ってクラーケンにでも食われちまえ!そう思ってました。
でもいい加減そろそろ自分も呪われる側に回りたい。
海のしょっぱさを思い出したい。
自分たちを生んでくれた母なる海に感謝の意を表したい。
そんなこんなで体を鍛えてるってわけなんです。
しかし、自分では結構鍛えてるつもりなんですが、これがねぇ、なかなか胸板は厚くはならないし、腹筋の方は割れる、というところまでは行かない。おかしいなぁ、まだまだ回数が足りんのかいな。
こんなんじゃ、浜辺のマーメイドの視線を釘付けすることが出来ないよ(おぃ)。
と思って休みの日は普段の倍以上腹筋をしてたら、見事割れましたよ、ケツが。
まぁ割れたっていう表現は正しくないんですけどね、腹筋をしてて、尾てい骨のところが畳にこすれて(裸でやってたわけじゃないですよ?)、何か知らないけど血が滲んでました。今はかさぶたになってます。腹筋するとちょっぴり痛いの・・・。
というわけで、今年も自分の海(再)デビューは無理っぽいです。
ま、いいけどね、どーせ、一緒に海に行く相手もいないし・・・。
え~い、今年も海で夏をエンジョイする奴らは呪われてしまえ!!
あぁ、自分も呪われてぇ・・・。
朝起きてまず何をするかというとヒゲを剃って、顔を洗って、そのあとは筋トレですよ、筋トレ。
まぁ朝だと時間がないのでやるのは腕立て伏せ四十回と腹筋四十回ぐらいですけどね。少ない回数でも負荷が多くかかるように腕立て伏せは踏み台に足先を乗せ、拳を握ってやってます。腹筋はフツーに膝を曲げての腹筋ですけど。
帰宅後はプロテイン入りの牛乳なんか飲んじゃってます。プロテインって飲みにくいイメージがあったんですけど、自分が飲んでる奴はバナナ味で結構美味しいです。
そんな涙ぐましい努力をしている理由はもちろん夏が近づいているからに他なりません。今年こそ海にデビューしたい!!(デビューっていうか再デビューね。)
もう何年海に行ってないことやら。
いい加減海のしょっぱさも忘れちゃったよ!
すべての生命は海で誕生したっていうのにね・・・。
正直去年まではテレビの中継か何かで海岸でいちゃついてるカップルを見ようものなら呪ってましたよ。
おめぇら揃ってクラーケンにでも食われちまえ!そう思ってました。
でもいい加減そろそろ自分も呪われる側に回りたい。
海のしょっぱさを思い出したい。
自分たちを生んでくれた母なる海に感謝の意を表したい。
そんなこんなで体を鍛えてるってわけなんです。
しかし、自分では結構鍛えてるつもりなんですが、これがねぇ、なかなか胸板は厚くはならないし、腹筋の方は割れる、というところまでは行かない。おかしいなぁ、まだまだ回数が足りんのかいな。
こんなんじゃ、浜辺のマーメイドの視線を釘付けすることが出来ないよ(おぃ)。
と思って休みの日は普段の倍以上腹筋をしてたら、見事割れましたよ、ケツが。
まぁ割れたっていう表現は正しくないんですけどね、腹筋をしてて、尾てい骨のところが畳にこすれて(裸でやってたわけじゃないですよ?)、何か知らないけど血が滲んでました。今はかさぶたになってます。腹筋するとちょっぴり痛いの・・・。
というわけで、今年も自分の海(再)デビューは無理っぽいです。
ま、いいけどね、どーせ、一緒に海に行く相手もいないし・・・。
え~い、今年も海で夏をエンジョイする奴らは呪われてしまえ!!
あぁ、自分も呪われてぇ・・・。

一枚の写真だけでわかるでしょうか、『折鶴の指輪』です。折鶴の羽根の先と先が胴体の真下で繋がっています。もちろん一枚の紙で出来ています。
考案したのは自分です、、、といいたいところですが、考案したのは自分が管理人をしているミクシィのコミュニティ『創作連鶴』のメンバーであるwizさんです(この作品を折ったのは自分ですけどね)。
この指輪、ほんとよく出来てると思います。正面から見たらリングのところがちょうどハート型になっているのです。わかるかな?そういうのって女の子的にはポイント、高くないですか?まぁ指にはめたら関係ないですけどね。笑。
もし作り方を知りたい、という人がいたら、上述の『創作連鶴』コミュにおいて、wizさんが詳細に折り方を教えているトピックを公開しているので、是非ご覧になって下さい。
コミュに参加してもいいよ~という方がいらっしゃったら、そちらの方も是非よろしくお願いします。
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指輪がぜんぜんハート型に見えない!JAROに訴えてやる!!というクレームが届いたので、指輪を正面と横から撮った写真を追加します。
ほら、正面からだとハートの形に見えるでしょう?
え?やっぱり見えない?
・・・・・。
ふーんだ、いいもん!!信じるものは救われるんだから!!(逆ギレかよ・・・)
ファン・カルロス・フレスナディージョ監督、『10億分の1の男』、DVDにて鑑賞。
二月に劇場で観た『28週後・・・』が自分のツボだったので同監督の本作を借りた次第です。
一言でいえばフレスナディージョ監督なりの吸血鬼もの(の亜流)だったんだな、と思います。
吸血鬼ものってホラー映画(もしくはホラー小説)の素材として非常に魅力的なんですよ。
永遠の命を持つ吸血鬼の悲哀とか、処女性を好むインモラルさとか、そういうのが。
ただ、よくよく考えると吸血鬼っていないんですよ(よくよく考えなくてもいないかもしれないけれど)。
吸血行為によって仲間が増えるっていうなら、とりあえずバンバン血を吸っときゃいいじゃん、みたいな。
そういうことを突き詰めて考えていくと、吸血鬼ものって非常に成立しにくいんですよね。
でも、それでもやっぱり吸血鬼って魅力的ではあるから、物語として成立しにくい要素を一つ一つ引き算して生まれたものが、例えばロメロが生み出したゾンビものだったりするんじゃないかって自分は思うわけです。
それで、フレスナディージョ監督なりの一つの答えがこの『10億分の1の男』なのではないでしょうか。
吸血鬼が吸い取るのは文字通り血液なのですが、本作で吸い取られるのは“運”。相手の運を自在に我が物にしてしまう能力の持ち主が本作では登場します。
この基本設定は非常に面白いって自分は思いました。
ただ、その設定の面白さが残念ながら物語の面白さに繋がっているとはいえないので、『10億分の1の男』、自分は楽しめましたが、人に薦めようという気にはなれないですけどね。
お気に入り度は★★★☆、お薦め度は★★(★は五つで満点、☆は★の半分)。
二月に劇場で観た『28週後・・・』が自分のツボだったので同監督の本作を借りた次第です。
一言でいえばフレスナディージョ監督なりの吸血鬼もの(の亜流)だったんだな、と思います。
吸血鬼ものってホラー映画(もしくはホラー小説)の素材として非常に魅力的なんですよ。
永遠の命を持つ吸血鬼の悲哀とか、処女性を好むインモラルさとか、そういうのが。
ただ、よくよく考えると吸血鬼っていないんですよ(よくよく考えなくてもいないかもしれないけれど)。
吸血行為によって仲間が増えるっていうなら、とりあえずバンバン血を吸っときゃいいじゃん、みたいな。
そういうことを突き詰めて考えていくと、吸血鬼ものって非常に成立しにくいんですよね。
でも、それでもやっぱり吸血鬼って魅力的ではあるから、物語として成立しにくい要素を一つ一つ引き算して生まれたものが、例えばロメロが生み出したゾンビものだったりするんじゃないかって自分は思うわけです。
それで、フレスナディージョ監督なりの一つの答えがこの『10億分の1の男』なのではないでしょうか。
吸血鬼が吸い取るのは文字通り血液なのですが、本作で吸い取られるのは“運”。相手の運を自在に我が物にしてしまう能力の持ち主が本作では登場します。
この基本設定は非常に面白いって自分は思いました。
ただ、その設定の面白さが残念ながら物語の面白さに繋がっているとはいえないので、『10億分の1の男』、自分は楽しめましたが、人に薦めようという気にはなれないですけどね。
お気に入り度は★★★☆、お薦め度は★★(★は五つで満点、☆は★の半分)。
監督ジョン・カーニー、出演グレン・ハンサード、マルケタ・イルグロヴァ、『ONCE ダブリンの街角で』、DVDにて鑑賞。
というわけで(どういうわけなのかは昨日の日記を参照のこと)『ONCE ダブリンの街角で』を鑑賞しました。
自分は鑑賞する前はこの映画、[ダブリンの街角で音楽を通じて知り合った男と女が、様々な困難を乗り越えた末に結ばれるお話]なのかと思ってました。
が、違ってました。それも思いっ切り。
まぁでもそれはよくよく考えてみればタイトルからまるわかりなんですけどね。
主人公はしがないストリート・ミュージシャンです。(驚くべきことに役名が“GUY”)。本当にしがないミュージシャンで、作中彼の歌を立ち止まって聴こうとする通行人は(ヒロインと置き引きを除いて)一人もいません。
そんな彼がプロモーション用のCDを製作するためにレコーディングをする際、ベテランと思われるミキサーから、「すごい」と手ばなしで褒められます。
たった一人の通行人すら立ち止まらせることの出来なかった男が、ベテランのミキサーから認められたのは何故か?
通行人に彼の音楽のよさを理解するだけの耳を持っていなかったのか?それともミキサーの趣味が特別に変わっていたのか?
自分は単純に主人公の音楽が、そして歌が、ヒロインと出会ったことによって目に見えない、けれど劇的な、何かしらの変化をしたからだと思いました。
ぶっちゃけヒロインと出会う前の主人公は十人並みの才能しか持たず、ヒロインの存在があってこそ彼の音楽は認められたのだと思います。
つまりヒロインがいなければ、悲しいかな、主人公はやはり凡庸なミュージシャンでしかない。
ここらへんまでの、売れないミュージシャンが一人の女性と出会うことによって才能を開花させるという展開は、お気楽なハリウッド映画である『ラブソングが出来るまで』に通じるものがある、と思いました。
違うのはここから先、主人公がヒロインに求愛をしてからです。
「一緒にロンドンに行こう!もちろん娘さんも一緒に!」
ヒロインは寂しげに微笑んでこう言います。
「母も呼び寄せていい?」
彼女の言葉に男は一瞬固まって、二の句が接げません。
どうしてかなぁ?どうして「もちろんお母さんもだよ!」といえない?
凡庸なミュージシャンである主人公が一流のミュージシャンになるためにはともかくヒロインの存在が不可欠なのだから、子持ちだろうが、こぶつきだろうが、ともかくヒロインがそばにいなければダメだろうに。
この後ヒロインは「夫がチェコから来ることになった」と主人公に打ち明けますが、元々そういう話があったとしても、最終的にそれを決断させたのは主人公の(中途半端な)求愛だった、ヒロインは主人公に自分を諦めさせるために敢えてそう言ったのではないか、自分はそう考えます。
でなければレコーディング最中の二人の睦まじさが説明出来ないからです。
物語はロンドンへ旅立つ主人公と主人公からプレゼントされたピアノを楽しげに弾いているヒロインという、一見ハッピーエンドっぽい終わり方を迎えます。
しかし自分にはそれがハッピーエンドには到底見えませんでした。
ヒロインのいない主人公が音楽で成功するとは到底思えないし、またヒロインはヒロインで、子供が出来たからという理由で(愛もないのに)結婚したに過ぎない夫と結婚生活が上手く行くとは思えません。しかも夫は異国で仕事もなく、さらには言葉も不自由なのでしょうから(直接的な説明はないですが、そうとしか考えられません。それ以外に夫がチェコにとどまっていた理由がないからです。我が物顔でテレビを見に来る同じアパートの住人の存在がそれを裏付けます。)。
何だか自分がこの作品を嫌っているかのようですが、そうじゃないんです。
自分は主人公とヒロインに結ばれて欲しかった。主人公にはロンドンで成功して欲しかったし、ヒロインには主人公のそばで幸せになって欲しかった。
しかし安易なハッピーエンドでないところがこの作品が多くの人に支持されている所以なのでしょうね。
タイトルからわかると書きましたが、『ONCE ダブリンの街角で』は、「ONCE」、つまり「かつて一度」ダブリンで出会った男と女の物語であり、「かつて一度」ダブリンで才能を開花させようとした男の物語であり、「かつて一度」ダブリンで幸せを手に入れようとした女の物語なのだと思います。
お気に入り度は★★★、お薦め度は★★★★(★は五つで満点、☆は★の半分)。
というわけで(どういうわけなのかは昨日の日記を参照のこと)『ONCE ダブリンの街角で』を鑑賞しました。
自分は鑑賞する前はこの映画、[ダブリンの街角で音楽を通じて知り合った男と女が、様々な困難を乗り越えた末に結ばれるお話]なのかと思ってました。
が、違ってました。それも思いっ切り。
まぁでもそれはよくよく考えてみればタイトルからまるわかりなんですけどね。
主人公はしがないストリート・ミュージシャンです。(驚くべきことに役名が“GUY”)。本当にしがないミュージシャンで、作中彼の歌を立ち止まって聴こうとする通行人は(ヒロインと置き引きを除いて)一人もいません。
そんな彼がプロモーション用のCDを製作するためにレコーディングをする際、ベテランと思われるミキサーから、「すごい」と手ばなしで褒められます。
たった一人の通行人すら立ち止まらせることの出来なかった男が、ベテランのミキサーから認められたのは何故か?
通行人に彼の音楽のよさを理解するだけの耳を持っていなかったのか?それともミキサーの趣味が特別に変わっていたのか?
自分は単純に主人公の音楽が、そして歌が、ヒロインと出会ったことによって目に見えない、けれど劇的な、何かしらの変化をしたからだと思いました。
ぶっちゃけヒロインと出会う前の主人公は十人並みの才能しか持たず、ヒロインの存在があってこそ彼の音楽は認められたのだと思います。
つまりヒロインがいなければ、悲しいかな、主人公はやはり凡庸なミュージシャンでしかない。
ここらへんまでの、売れないミュージシャンが一人の女性と出会うことによって才能を開花させるという展開は、お気楽なハリウッド映画である『ラブソングが出来るまで』に通じるものがある、と思いました。
違うのはここから先、主人公がヒロインに求愛をしてからです。
「一緒にロンドンに行こう!もちろん娘さんも一緒に!」
ヒロインは寂しげに微笑んでこう言います。
「母も呼び寄せていい?」
彼女の言葉に男は一瞬固まって、二の句が接げません。
どうしてかなぁ?どうして「もちろんお母さんもだよ!」といえない?
凡庸なミュージシャンである主人公が一流のミュージシャンになるためにはともかくヒロインの存在が不可欠なのだから、子持ちだろうが、こぶつきだろうが、ともかくヒロインがそばにいなければダメだろうに。
この後ヒロインは「夫がチェコから来ることになった」と主人公に打ち明けますが、元々そういう話があったとしても、最終的にそれを決断させたのは主人公の(中途半端な)求愛だった、ヒロインは主人公に自分を諦めさせるために敢えてそう言ったのではないか、自分はそう考えます。
でなければレコーディング最中の二人の睦まじさが説明出来ないからです。
物語はロンドンへ旅立つ主人公と主人公からプレゼントされたピアノを楽しげに弾いているヒロインという、一見ハッピーエンドっぽい終わり方を迎えます。
しかし自分にはそれがハッピーエンドには到底見えませんでした。
ヒロインのいない主人公が音楽で成功するとは到底思えないし、またヒロインはヒロインで、子供が出来たからという理由で(愛もないのに)結婚したに過ぎない夫と結婚生活が上手く行くとは思えません。しかも夫は異国で仕事もなく、さらには言葉も不自由なのでしょうから(直接的な説明はないですが、そうとしか考えられません。それ以外に夫がチェコにとどまっていた理由がないからです。我が物顔でテレビを見に来る同じアパートの住人の存在がそれを裏付けます。)。
何だか自分がこの作品を嫌っているかのようですが、そうじゃないんです。
自分は主人公とヒロインに結ばれて欲しかった。主人公にはロンドンで成功して欲しかったし、ヒロインには主人公のそばで幸せになって欲しかった。
しかし安易なハッピーエンドでないところがこの作品が多くの人に支持されている所以なのでしょうね。
タイトルからわかると書きましたが、『ONCE ダブリンの街角で』は、「ONCE」、つまり「かつて一度」ダブリンで出会った男と女の物語であり、「かつて一度」ダブリンで才能を開花させようとした男の物語であり、「かつて一度」ダブリンで幸せを手に入れようとした女の物語なのだと思います。
お気に入り度は★★★、お薦め度は★★★★(★は五つで満点、☆は★の半分)。