『サマータイムマシン・ブルース』、DVDにて鑑賞。
えーっと、まぁ一言でいうと和製『バック・トゥ・ザ・フューチャー』です。
誰もがそれなりに楽しめる、タイムトラベル(トラブル?)コメディの佳作と言っていいでしょう。
ただ、amazonのレビューで絶賛されているような大傑作!というわけでもないと思います。
amazonのレビューではあまりにべた褒めしているので、ここでは多少厳しくレビューさせてもらいます。
まず、キャラクターの描き分けが出来ていません。
主人公を含め、SF研究会に五人の大学生が所属してるんですけど、五人が五人とも後先を考えないバカなんですよ。いや別に登場人物にバカがいることが悪いといってるのではなく、ここで問題なのは五人がまーったく同じ性格だということ。
目の前にタイムマシーンが出現した!
じゃエアコンのリモコンも壊れたことだし、昨日に行って壊れていないリモコンを取ってこよう!と一人が言い出すと残りの四人も異を唱えることなく付和雷同する。
で、過去を改変することの危険性に気付いた後は五人全員が改変を元に戻そうと躍起になって同様の行動を取る。
つまり、姿形こそ違えど五人の思考回路に違いがない。
だから五人のうち一人か二人欠けたとしても何となくそのままお話は成立しちゃうような、そんな錯覚に陥っちゃうんですよね。(実際成立するかどうかはさておき。)
これは三谷幸喜作品の『The有頂天ホテル』が、二十人にも及ぶ登場人物がそれぞれ性格付けがされていて、このうち誰か一人でも欠けたらもうそれでお話が進まなくなってしまうのではないか、と思えたのと対照的です。
自分だったら以下のような感じにします。
五人のうち突拍子もないバカを一人だけ配置する。
で、このバカが目の前に現れたタイムマシーンで昨日に行ってリモコンを取ってこようと言い出す。
しかし慎重派である主人公を始め、四人は「そんなバカなことのためにせっかくのタイムマシーンを使えるわけねーだろ!」と提案を却下しようとする。
そこでヒロインが「私はその考え、いいと思うけどなー、昨日に行くとしたら危険性も少ないし」みたいな台詞を口にする。
彼女の意見を聞いてあっさりと考えを翻す四人。憮然とするバカ。
こんな感じにしたら(あくまで一例として)キャラクターに性格付けが出来ると思うんですが、『サマータイムマシン・ブルース』には残念ながらそれがない。
だから登場人物に違いがないし(極端にいえば記号でしかない)、当然特定の誰かに感情移入をする、といったことも出来ない。
ついでにいうとヒロイン役の上野樹理は存在感こそあれど出番が少ないので、なぜ主人公が彼女に惹かれるのかがまったくわからない。
わからないといえば、ヒロインの所属するカメラ部とSF研究会との関係もそう。
作中SF研究会が現在使っている部室は元々カメラ部のものだったことが説明されます。どうやら部員が減少したためにカメラ部はSF研究会に部室を明渡し、自分たちは暗室として使われる小部屋に引っ込んでいるようです。
だとしたら、カメラ部とSF研究会が和気藹々と友好的な関係を築いているのっておかしくないですか?だって見方を変えればSF研究会こそがカメラ部の部室を乗っ取ったといえるのですから。友好的な関係が築けるわけがない。
まぁこういった指摘が重箱の隅というのは十分承知しています。もしこれがシナリオなんて二の次、金を湯水の如く使ってSFXやカーチェイス、爆発炎上シーンなどを魅せるハリウッド大作であれば、自分も一々あげつらったりはしません。
でも本作はアイディアとシナリオで勝負する低予算映画のはずなんです。
だったら設定でどうとでもなることであれば、きちんとどうにかして欲しかった、というのが偽らざる本音です。
何だかあら探しばかりしてしまったみたいですが、実はあらを探す気になれる作品って良心的な作品ではあるんですよね。
世の中にはいくらだってあら探しする気にすらなれない作品がありますから。
最初に述べたとおり『サマータイムマシン・ブルース』は誰が見てもそれなりに楽しめる作品にはなっていると思うので、レンタルビデオ屋に行って貸し出し中でなければ借りてみても損はないと思います。
えーっと、まぁ一言でいうと和製『バック・トゥ・ザ・フューチャー』です。
誰もがそれなりに楽しめる、タイムトラベル(トラブル?)コメディの佳作と言っていいでしょう。
ただ、amazonのレビューで絶賛されているような大傑作!というわけでもないと思います。
amazonのレビューではあまりにべた褒めしているので、ここでは多少厳しくレビューさせてもらいます。
まず、キャラクターの描き分けが出来ていません。
主人公を含め、SF研究会に五人の大学生が所属してるんですけど、五人が五人とも後先を考えないバカなんですよ。いや別に登場人物にバカがいることが悪いといってるのではなく、ここで問題なのは五人がまーったく同じ性格だということ。
目の前にタイムマシーンが出現した!
じゃエアコンのリモコンも壊れたことだし、昨日に行って壊れていないリモコンを取ってこよう!と一人が言い出すと残りの四人も異を唱えることなく付和雷同する。
で、過去を改変することの危険性に気付いた後は五人全員が改変を元に戻そうと躍起になって同様の行動を取る。
つまり、姿形こそ違えど五人の思考回路に違いがない。
だから五人のうち一人か二人欠けたとしても何となくそのままお話は成立しちゃうような、そんな錯覚に陥っちゃうんですよね。(実際成立するかどうかはさておき。)
これは三谷幸喜作品の『The有頂天ホテル』が、二十人にも及ぶ登場人物がそれぞれ性格付けがされていて、このうち誰か一人でも欠けたらもうそれでお話が進まなくなってしまうのではないか、と思えたのと対照的です。
自分だったら以下のような感じにします。
五人のうち突拍子もないバカを一人だけ配置する。
で、このバカが目の前に現れたタイムマシーンで昨日に行ってリモコンを取ってこようと言い出す。
しかし慎重派である主人公を始め、四人は「そんなバカなことのためにせっかくのタイムマシーンを使えるわけねーだろ!」と提案を却下しようとする。
そこでヒロインが「私はその考え、いいと思うけどなー、昨日に行くとしたら危険性も少ないし」みたいな台詞を口にする。
彼女の意見を聞いてあっさりと考えを翻す四人。憮然とするバカ。
こんな感じにしたら(あくまで一例として)キャラクターに性格付けが出来ると思うんですが、『サマータイムマシン・ブルース』には残念ながらそれがない。
だから登場人物に違いがないし(極端にいえば記号でしかない)、当然特定の誰かに感情移入をする、といったことも出来ない。
ついでにいうとヒロイン役の上野樹理は存在感こそあれど出番が少ないので、なぜ主人公が彼女に惹かれるのかがまったくわからない。
わからないといえば、ヒロインの所属するカメラ部とSF研究会との関係もそう。
作中SF研究会が現在使っている部室は元々カメラ部のものだったことが説明されます。どうやら部員が減少したためにカメラ部はSF研究会に部室を明渡し、自分たちは暗室として使われる小部屋に引っ込んでいるようです。
だとしたら、カメラ部とSF研究会が和気藹々と友好的な関係を築いているのっておかしくないですか?だって見方を変えればSF研究会こそがカメラ部の部室を乗っ取ったといえるのですから。友好的な関係が築けるわけがない。
まぁこういった指摘が重箱の隅というのは十分承知しています。もしこれがシナリオなんて二の次、金を湯水の如く使ってSFXやカーチェイス、爆発炎上シーンなどを魅せるハリウッド大作であれば、自分も一々あげつらったりはしません。
でも本作はアイディアとシナリオで勝負する低予算映画のはずなんです。
だったら設定でどうとでもなることであれば、きちんとどうにかして欲しかった、というのが偽らざる本音です。
何だかあら探しばかりしてしまったみたいですが、実はあらを探す気になれる作品って良心的な作品ではあるんですよね。
世の中にはいくらだってあら探しする気にすらなれない作品がありますから。
最初に述べたとおり『サマータイムマシン・ブルース』は誰が見てもそれなりに楽しめる作品にはなっていると思うので、レンタルビデオ屋に行って貸し出し中でなければ借りてみても損はないと思います。