ダイアン・セッターフィールド著、『13番目の物語』、読了。市立図書館蔵書。
ダイアン・セッターフィールドという名前に聞き覚えのある人はいないでしょう。
それも然り、本書が彼女の処女作なのですから。
しかし、覚えておいて損はないと思われます。いずれ彼女の名前は世に知れるはずです。
そう思わせるだけのものが本書にはありました。
父親の経営する古書店を手伝いながら、世間の目から隠れるようにして暮らしているマーガレットの元にある日、英国で最も著名な女流作家ヴァイダ・ウィンターから自伝の執筆を依頼する手紙が届きます。
ヴァイダにはいくつもの偽りの生い立ちを語ってきた過去があり、マーガレットは訝りつつも彼女の住むヨークシャーへと向かいます。
ヴァイダからすべて真実を語るという約束を取り付け、依頼を引き受けることにしたマーガレット。
そしてヴァイダの口から語られる『13番目の物語』は驚くべきものだった・・・。
まずは傑作といってよいと思います。
本書には、例えばカズオ・イシグロの作品に通じる、英国文学特有の格調の高さがあります。それは同時に取っつきにくさでもありますが、実際自分はそのせいで幾度となく挫折しかけました、読み終わった今、その格調の高さはやはり特筆するに値する、そう思います。
本書はまたミステリーの様相も呈します。
ヴァイダが幼少のころを過ごしたエンジェルフィールド、そこに潜む邪悪と謎、そして狂気、それらは読む者の興味を捉えて離さないでしょう。
そして本書は作者であるダイアンと登場人物であるマーガレットとヴァイダ、三人の女性の、本に対する惜しみない愛の結晶でもあります。
本好きにはたまらない、そして羨ましくもある一冊であることは間違いありません。
上下巻合わせて3600円するので、おいそれとは購入しかねるとは思いますが、図書館に蔵書であれば是非借りて読んでみて下さい。
至福の読書体験が出来ること、請け合いです。
ダイアン・セッターフィールドという名前に聞き覚えのある人はいないでしょう。
それも然り、本書が彼女の処女作なのですから。
しかし、覚えておいて損はないと思われます。いずれ彼女の名前は世に知れるはずです。
そう思わせるだけのものが本書にはありました。
父親の経営する古書店を手伝いながら、世間の目から隠れるようにして暮らしているマーガレットの元にある日、英国で最も著名な女流作家ヴァイダ・ウィンターから自伝の執筆を依頼する手紙が届きます。
ヴァイダにはいくつもの偽りの生い立ちを語ってきた過去があり、マーガレットは訝りつつも彼女の住むヨークシャーへと向かいます。
ヴァイダからすべて真実を語るという約束を取り付け、依頼を引き受けることにしたマーガレット。
そしてヴァイダの口から語られる『13番目の物語』は驚くべきものだった・・・。
まずは傑作といってよいと思います。
本書には、例えばカズオ・イシグロの作品に通じる、英国文学特有の格調の高さがあります。それは同時に取っつきにくさでもありますが、実際自分はそのせいで幾度となく挫折しかけました、読み終わった今、その格調の高さはやはり特筆するに値する、そう思います。
本書はまたミステリーの様相も呈します。
ヴァイダが幼少のころを過ごしたエンジェルフィールド、そこに潜む邪悪と謎、そして狂気、それらは読む者の興味を捉えて離さないでしょう。
そして本書は作者であるダイアンと登場人物であるマーガレットとヴァイダ、三人の女性の、本に対する惜しみない愛の結晶でもあります。
本好きにはたまらない、そして羨ましくもある一冊であることは間違いありません。
上下巻合わせて3600円するので、おいそれとは購入しかねるとは思いますが、図書館に蔵書であれば是非借りて読んでみて下さい。
至福の読書体験が出来ること、請け合いです。