アンジェリーナ・ジョリー主演、フィリップ・ノイス監督、【ソルト】、7/31、ワーナー・マイカル・シネマズ・筑紫野にて鑑賞。2010年33本目。
映画秘宝で本作のことを「女性版『ボーン・アイデンティティー』か?」などと煽られていたから、てっきりそういうノリの映画なのかと思って観に行ったのですが、違いました。
本作は『ジェイソン・ボーン』シリーズというより、『ジェイソン・ボーン』シリーズ以前のスパイ映画ティストの作品でした。
『ジェイソン・ボーン』シリーズがそれまでのスパイ映画とは何が一線を画すのかというと、リアルな格闘シーンもですが、CIAによって仕込まれたスパイがCIAに見捨てられ、最終的にCIAと対決し、見事落とし前をつけるという、スパイの敵がロシアでも、中国でも、謎の秘密組織でもなく、他でもない、これまでのスパイ映画では味方であったCIAである点だと思います。
冷戦の終結により、かつてアメリカの強大な敵国であったソビエトは崩壊、その後任といえば、例えば北朝鮮であり、イスラム諸国なんでしょうけれど、北朝鮮は敵国というにはあまりにショボイし、イスラム諸国を敵国とすると自らの墓穴を掘りかねません。
スパイは今後、どこに活躍の場を見出せばよいのか、という問いに対する一つの答えが『ジェイソン・ボーン』シリーズだと思うのです。
それに対し【ソルト】の敵組織はロシアの特務機関なんですけど、この組織が何ていうか、笑っちゃうぐらい強大で荒唐無稽なんですよ。
この組織はロシアの各地から子供たちを調達し、洗脳、その後アメリカに送り込み、最終的に米軍やその他米国政府内の情報機関の要職に就けることを目的としてるんですが、まず、十歳前後の子供を、ロシアは素晴らしい、アメリカは腐っている、ロシア万歳、社会主義万歳と、どれほど洗脳したところで、そのマインドコントロールがいつまでも続くはずがない。
いい年をした大人の社会主義者でさえ一日ディズニーランドに連れて行けば資本主義に宗旨替えしちゃうというしね。
まぁ、その特務機関の洗脳が完璧だったのだ、ということにしてもいいよ。
でもさ、「お前の使命は○○大学に入学し、CIAに入ることだ!!」っていわれても、大学はともかく、CIAって努力すれば入れるようなところじゃないでしょ?
にも関わらずその機関の送り込んだスパイは、ソルト曰く、「数え切れないぐらいいる」んだよね。
どんだけ強大な組織やねん!って観ていてツッコミたくなりました。
それだけ強大であるなら、何も一か八かのテロに頼らず、フツーにアメリカ政府を乗っ取ればいいのにね。
ロシアの特務機関同様、シナリオもかなり荒唐無稽ですが(こんなところにいたのか、カート・ウィマー!!)、最初からそういう荒唐無稽な映画なのだということを承知で観に行くのであれば、それなりに楽しめる作品ではあると思います。
お気に入り度は★★★☆、お薦め度は★★★(★は五つで満点、☆は★の半分)です。
映画秘宝で本作のことを「女性版『ボーン・アイデンティティー』か?」などと煽られていたから、てっきりそういうノリの映画なのかと思って観に行ったのですが、違いました。
本作は『ジェイソン・ボーン』シリーズというより、『ジェイソン・ボーン』シリーズ以前のスパイ映画ティストの作品でした。
『ジェイソン・ボーン』シリーズがそれまでのスパイ映画とは何が一線を画すのかというと、リアルな格闘シーンもですが、CIAによって仕込まれたスパイがCIAに見捨てられ、最終的にCIAと対決し、見事落とし前をつけるという、スパイの敵がロシアでも、中国でも、謎の秘密組織でもなく、他でもない、これまでのスパイ映画では味方であったCIAである点だと思います。
冷戦の終結により、かつてアメリカの強大な敵国であったソビエトは崩壊、その後任といえば、例えば北朝鮮であり、イスラム諸国なんでしょうけれど、北朝鮮は敵国というにはあまりにショボイし、イスラム諸国を敵国とすると自らの墓穴を掘りかねません。
スパイは今後、どこに活躍の場を見出せばよいのか、という問いに対する一つの答えが『ジェイソン・ボーン』シリーズだと思うのです。
それに対し【ソルト】の敵組織はロシアの特務機関なんですけど、この組織が何ていうか、笑っちゃうぐらい強大で荒唐無稽なんですよ。
この組織はロシアの各地から子供たちを調達し、洗脳、その後アメリカに送り込み、最終的に米軍やその他米国政府内の情報機関の要職に就けることを目的としてるんですが、まず、十歳前後の子供を、ロシアは素晴らしい、アメリカは腐っている、ロシア万歳、社会主義万歳と、どれほど洗脳したところで、そのマインドコントロールがいつまでも続くはずがない。
いい年をした大人の社会主義者でさえ一日ディズニーランドに連れて行けば資本主義に宗旨替えしちゃうというしね。
まぁ、その特務機関の洗脳が完璧だったのだ、ということにしてもいいよ。
でもさ、「お前の使命は○○大学に入学し、CIAに入ることだ!!」っていわれても、大学はともかく、CIAって努力すれば入れるようなところじゃないでしょ?
にも関わらずその機関の送り込んだスパイは、ソルト曰く、「数え切れないぐらいいる」んだよね。
どんだけ強大な組織やねん!って観ていてツッコミたくなりました。
それだけ強大であるなら、何も一か八かのテロに頼らず、フツーにアメリカ政府を乗っ取ればいいのにね。
ロシアの特務機関同様、シナリオもかなり荒唐無稽ですが(こんなところにいたのか、カート・ウィマー!!)、最初からそういう荒唐無稽な映画なのだということを承知で観に行くのであれば、それなりに楽しめる作品ではあると思います。
お気に入り度は★★★☆、お薦め度は★★★(★は五つで満点、☆は★の半分)です。