伊坂幸太郎著、『終末のフール』、読了。(注:昨日に引き続きの書評ですが、一日で読み終わったというわけではありません。)
「じたばたして、足掻いて、もがいて。生き残るのってそういうのだよ、きっとさ」
断言しましょう、伊坂幸太郎はまず間違いなく本作によって直木賞を受賞する、と。(といって何かを賭けるというわけではないけれど。。。)
なぜならこの『終末のフール』は自分の考える直木賞受賞作の条件をすべて充たしているからです。
1.出版社が大手である。
2.大長編というわけではない。
3.過去に数度、その作家が直木賞候補に選出されている。
4.内容にモラル的な問題がない。または残酷なシーンがない。
といったところです。
そもそも自分は直木賞そのものにそれほどの価値を見出しているというわけではないんですけどね。(というか不信感で一杯です。笑。)
以上、前置き。
前作である『砂漠』からはわずか三ヶ月、前々作である『魔王』からも半年足らず、あまりにも出版ペースが早いので、正直もしかしたら『終末のフール』は期待外れの作品なのでは、なんてことを思ってました。
杞憂でした。
激しく心を動かすようなお涙頂戴の感動作というわけではありませんが、この先、自分は生きている限り何度となく『終末のフール』を読み返すでしょう。
おだやかに、そしてとても静かに心の中に染み入っていく、そんな不思議な魅力に満ちた作品でした。
『終末のフール』は小惑星の激突というカタストロフを三年後に控えた非日常における、どこにでもいそうな、それでいてとても魅力的な人々が織り成す八つの物語です。
三年後に地球が滅びるとしたら、あなたは何をしますか?
もちろん、そう簡単に答えの出る問いではありません。このお話の中の人々も何をするべきなのか、何ができるというのか、自らに問いかけ、悩み、答えを出すために行動し、時に答え(のようなもの)を得ることもあれば、答えの出ぬままにそれをよしとすることもあります。
共通するのは皆、あるがままを受け入れているってことです。
最後の最後の瞬間まで(この作品で小惑星衝突の瞬間が描写されるというわけではありません)、自分を見失わず、自分が大切に思う人たちを大切にする、考えてみればごく当たり前のことなんですけど、それが出来たら素敵だな、そう思える作品でした。
何だか感想を上手く伝えられず、ひどく抽象的な物言いになってしまってもどかしいぐらいです。
ともかく『終末のフール』は、まだ三月が終わったばかりですけど、おそらく2006年に自分が読んだ小説の中でナンバーワンの作品だと思います。
是非一人でも多くの人に読んでもらいたい、そう思っています。
「じたばたして、足掻いて、もがいて。生き残るのってそういうのだよ、きっとさ」
断言しましょう、伊坂幸太郎はまず間違いなく本作によって直木賞を受賞する、と。(といって何かを賭けるというわけではないけれど。。。)
なぜならこの『終末のフール』は自分の考える直木賞受賞作の条件をすべて充たしているからです。
1.出版社が大手である。
2.大長編というわけではない。
3.過去に数度、その作家が直木賞候補に選出されている。
4.内容にモラル的な問題がない。または残酷なシーンがない。
といったところです。
そもそも自分は直木賞そのものにそれほどの価値を見出しているというわけではないんですけどね。(というか不信感で一杯です。笑。)
以上、前置き。
前作である『砂漠』からはわずか三ヶ月、前々作である『魔王』からも半年足らず、あまりにも出版ペースが早いので、正直もしかしたら『終末のフール』は期待外れの作品なのでは、なんてことを思ってました。
杞憂でした。
激しく心を動かすようなお涙頂戴の感動作というわけではありませんが、この先、自分は生きている限り何度となく『終末のフール』を読み返すでしょう。
おだやかに、そしてとても静かに心の中に染み入っていく、そんな不思議な魅力に満ちた作品でした。
『終末のフール』は小惑星の激突というカタストロフを三年後に控えた非日常における、どこにでもいそうな、それでいてとても魅力的な人々が織り成す八つの物語です。
三年後に地球が滅びるとしたら、あなたは何をしますか?
もちろん、そう簡単に答えの出る問いではありません。このお話の中の人々も何をするべきなのか、何ができるというのか、自らに問いかけ、悩み、答えを出すために行動し、時に答え(のようなもの)を得ることもあれば、答えの出ぬままにそれをよしとすることもあります。
共通するのは皆、あるがままを受け入れているってことです。
最後の最後の瞬間まで(この作品で小惑星衝突の瞬間が描写されるというわけではありません)、自分を見失わず、自分が大切に思う人たちを大切にする、考えてみればごく当たり前のことなんですけど、それが出来たら素敵だな、そう思える作品でした。
何だか感想を上手く伝えられず、ひどく抽象的な物言いになってしまってもどかしいぐらいです。
ともかく『終末のフール』は、まだ三月が終わったばかりですけど、おそらく2006年に自分が読んだ小説の中でナンバーワンの作品だと思います。
是非一人でも多くの人に読んでもらいたい、そう思っています。