モチロンという発想には脱帽させられたものだ。
前回(→こちら)に続いて怪獣の話。
特撮映画やドラマでは地球を蹂躙する怖ろしい存在として描かれるわけだが、時には「なんやこれ?」といいたくなるような、マヌケな怪獣というのが存在する。
前回はパンダ大好きという、日本の「KAWAII」文化のあだ花(?)ともいえるスチール星人について語ったが、他にもスットコ怪獣というのは存在するもの。
たとえば、『ウルトラマンタロウ』に出てきたモチロン。
月から来た宇宙怪獣だが、そのフォルムが臼に手足がついているという、安易きわまりないもの。
大阪城を破壊した古代怪獣ゴモラ。
怪獣無法地帯のボス、レッドキング
モチロン
どうだ、脱力だろう。
ウスだよ、お前は怪獣じゃなくて、ただのウスだ!
そんなモチロンが、地球に何をしにきたのかといえば、
「餅を食べに来た」
そのままだ。まあ、たしかに月にモチはないだろうけど。
昨今、ラーメンを食べに福岡や札幌まで行くという人もいるというし、グルメのために他の土地へ行くのはおかしなことではあるまい。
しかし、いったいどこで餅情報を仕入れてきたのか。やはり「るるぶ地球」とか読んできたのであろうか。
そんなモチロンは、モチ食べたさに月へ帰ろうとせず周囲を困らせるが(見ているこっちもリアクションに困るが)、ウルトラマンタロウとの相撲対決(なんでだ)に敗れ、しぶしぶながら帰ることに。
その際、食べたモチを返すために、自分が臼になって餅つきをする。
臼の怪獣を使ってタロウがえっちらおっちら杵をたたきつけているのを見ていると、なにがどうということはないが、
「とりあえず、成田亨先生にあやまって」
子供心にも、そう言いたくなったものであった。
そんな、硬派な怪獣ファンから失笑されがちなウルトラマンタロウを象徴するような怪獣モチロンだが、愛嬌に関してはなかなかのものであろう。
モチが名産の土地で、ゆるキャラにでも採用してもらうのはどうか。
フードファイトのイベントとかにいたら、けっこう人気が出そうだが。
(続く→こちら)