チェアに横になりながら、一連の出来事を思い返す。不満だけが残る。もう少し上手に触ってくれたらいいのに。もう少し強く揉んでくれたらいいのに……。
アルコールが回ってきて、体が火照りはじめた。目をつむり、スカートをたくし上げて下着の中に手を入れる。少し濡れている。
月の光がやけに綺麗だ。大胆な気持ちになって、おもむろに下着を脱いでみた。
膝を立てると涼しい風が心地よく陰部にあたる。そこへ右手の中指をゆっくり差し入れ、上下に揺らしてみた。左手を胸の上に置き、強く掴む。服の上から乳首に爪をたてる。
熱い息を吐いたのと同時に、視界が暗くなった。月が雲に隠れたのだろうか、と月を見上げようとして……息を飲んだ。
月光の中、少年が立っていた。まるで光でできた人形のように美しい少年。
悲鳴を上げそうになった口を、さっと塞がれた。猫のように柔らかい動きだった。
「大きい声出さないで」
悪戯っ子のような表情で彼が人差し指を口に当てた。肯くと、すぐに手は離された。
「君、誰? どこから来たの?」
この異常事態に「怖い」という感情がすぐに引いたのは、彼が十代前半の、青白い顔のひ弱な少年に見えたせいかもしれない。
彼は笑顔で手摺を指さした。
「手摺を伝ってそこの仕切を越えてきたの」
隣の家との境界に、緊急事態の時に蹴破ることができる薄い仕切がある。うちは角部屋なので、仕切は一つしかない。
「ボク、4月から隣に住んでるんだよ。知らなかった?」
「え? だって隣は……」
隣は子供のいない中年夫婦が住んでいたはずだ。その夫婦もご主人がアメリカに転勤になり、数ヶ月前からずっと留守にしている。三年ほどで日本に戻ってくる予定なので、家具等すべて置いておくと聞いていたが……。
「伯父さんがね、ボクが4月からこっちの大学に通うことになったって言ったら、自分たちが帰ってくるまで使ってていいって……」
「え、ちょっと待って。あなた大学生なの? 中学生くらいかと思った」
言うと、彼はムッと口をとがらせた。
「どうせチビだよ。どうせ160cmだよ。小さいころから体操やってたから背が伸びなかったんだよ。でもおかげで推薦で体育大に入学出来たけどね」
「なるほどね……」
体操をやっているのなら、手摺を伝ってこちらに来るのも簡単なのだろう。そうはいってもここは5階。落ちたら一大事だ。
「で、なんで君はここにきたの?」
「だってさあ」
彼はふいにしゃがみこんだ。頬を両手で囲んだポーズでこちらを見上げている。年齢不相応にかわいらしい。
「月があまりにも綺麗だったから、ベランダに出てみたら、隣に人の気配がした気がしてさ。誰かいるのかな~って覗いてみて、ビックリしちゃった」
「ビックリ?」
「だって、キレイなお姉さんが一人Hしてるんだもん」
「な……っ」
自分が赤くなったのが分かった。見られていたんだ!
「興奮しちゃってさ~。で、来ちゃったわけ」
「来ちゃったって……君がしたことって、覗きだよ!それに不法侵入!」
見られていたという動揺から立ち直れない。怖い声で叱ったつもりだったのだが、効果はなく、彼は笑顔のまま言葉を続けた。
「ねえ、続き見せてよ」
「何言ってんの?! 夫を呼ぶわよ!」
「ふーん。一人Hのことばれてもいいの?」
「そ……っ」
それは、マズイ。そんなことがばれたら「オレのSEXに満足できなかったのか!」とかなんとか怒り出すに決まってる。できないから一人で処理してるんでしょ、と言ってやりたいけど、今の安穏な生活を手放したくない。
「さっきも、お風呂で虐められてたでしょ?」
「な……っ」
何で知ってるの?!
「お風呂の音、換気扇通して玄関の外に筒抜けだよ。ちょうど前を通った時に怒鳴り声が聞こえたから立ち聞きしちゃったよ。ついでに言うと、ベッドルームの声はボクの部屋の壁に耳つけるとよく聞こえるよ」
あまりのことに言葉がでない。この一年まったく気がつかずにSEXしていた。
「お姉さんさ、本当は全然感じてないでしょ」
「え……」
「本当に感じてる人はああいう声ださないよ。AVじゃないんだからさ」
「…………」
言うべき言葉が見つからない。見つからないまま、彼の涼しげな瞳を見返した。ふ、と彼の目元が和らいだ。
「本当の気持ちよさ、知りたくない?」
「え? ちょ……っ」
突然のことで、何の抵抗もできなかった。いきなり太股の内側を掴まれ、上に押し広げられた。同時に陰部をぺろりと舐められる。先ほど下着を脱いだことを忘れていた。
「ちょ……っ」
押さえられて動くこともできない。痩せて見えるけれど、体操をやっているだけあって腕力はあるのだろう。
「何す……」
「何って気持ちいいでしょ?」
彼の長い舌が中まで入り、何度か行き来して出てくると、次はそれより上の膨らみのあたりも、唇すべてを使って強く吸われはじめた。ジュジュッっといやらしい音が響き渡る。
「あ……」
初めての感触に頭に血が上った。
「待って、待って、やめて……」
頭の中が熱い物でいっぱいになる。今までに経験したことのない波が押し寄せてくる恐怖と期待に身が震えた。
「やめていいの?」
彼の唇にいやらしい液体がねっとりとからみついている。これ全部、私の……?
「あ……えと……、あああああっ」
脳天に衝撃が突き抜けた。彼の指が中に侵入してきたのだ。顔からは想像できない節ばった指。なぜかすごく熱かった。
「今、何本入っているでしょう?」
「え……」
朦朧としていて何を言われているのかわからない。
「答え、二本でした。次三本行きます」
「ひ……っ」
突き上げられる衝動。いつの間にか彼の唇が胸元に侵入していた。乳首を軽くかじられ再び悲鳴を上げる。彼の長い指は、私の中をかき乱しては、きわどい強さで突き上げてくる。ほどなく、わけもわからないまま気を失うように果ててしまった。こんな経験は初めてだった。
アルコールが回ってきて、体が火照りはじめた。目をつむり、スカートをたくし上げて下着の中に手を入れる。少し濡れている。
月の光がやけに綺麗だ。大胆な気持ちになって、おもむろに下着を脱いでみた。
膝を立てると涼しい風が心地よく陰部にあたる。そこへ右手の中指をゆっくり差し入れ、上下に揺らしてみた。左手を胸の上に置き、強く掴む。服の上から乳首に爪をたてる。
熱い息を吐いたのと同時に、視界が暗くなった。月が雲に隠れたのだろうか、と月を見上げようとして……息を飲んだ。
月光の中、少年が立っていた。まるで光でできた人形のように美しい少年。
悲鳴を上げそうになった口を、さっと塞がれた。猫のように柔らかい動きだった。
「大きい声出さないで」
悪戯っ子のような表情で彼が人差し指を口に当てた。肯くと、すぐに手は離された。
「君、誰? どこから来たの?」
この異常事態に「怖い」という感情がすぐに引いたのは、彼が十代前半の、青白い顔のひ弱な少年に見えたせいかもしれない。
彼は笑顔で手摺を指さした。
「手摺を伝ってそこの仕切を越えてきたの」
隣の家との境界に、緊急事態の時に蹴破ることができる薄い仕切がある。うちは角部屋なので、仕切は一つしかない。
「ボク、4月から隣に住んでるんだよ。知らなかった?」
「え? だって隣は……」
隣は子供のいない中年夫婦が住んでいたはずだ。その夫婦もご主人がアメリカに転勤になり、数ヶ月前からずっと留守にしている。三年ほどで日本に戻ってくる予定なので、家具等すべて置いておくと聞いていたが……。
「伯父さんがね、ボクが4月からこっちの大学に通うことになったって言ったら、自分たちが帰ってくるまで使ってていいって……」
「え、ちょっと待って。あなた大学生なの? 中学生くらいかと思った」
言うと、彼はムッと口をとがらせた。
「どうせチビだよ。どうせ160cmだよ。小さいころから体操やってたから背が伸びなかったんだよ。でもおかげで推薦で体育大に入学出来たけどね」
「なるほどね……」
体操をやっているのなら、手摺を伝ってこちらに来るのも簡単なのだろう。そうはいってもここは5階。落ちたら一大事だ。
「で、なんで君はここにきたの?」
「だってさあ」
彼はふいにしゃがみこんだ。頬を両手で囲んだポーズでこちらを見上げている。年齢不相応にかわいらしい。
「月があまりにも綺麗だったから、ベランダに出てみたら、隣に人の気配がした気がしてさ。誰かいるのかな~って覗いてみて、ビックリしちゃった」
「ビックリ?」
「だって、キレイなお姉さんが一人Hしてるんだもん」
「な……っ」
自分が赤くなったのが分かった。見られていたんだ!
「興奮しちゃってさ~。で、来ちゃったわけ」
「来ちゃったって……君がしたことって、覗きだよ!それに不法侵入!」
見られていたという動揺から立ち直れない。怖い声で叱ったつもりだったのだが、効果はなく、彼は笑顔のまま言葉を続けた。
「ねえ、続き見せてよ」
「何言ってんの?! 夫を呼ぶわよ!」
「ふーん。一人Hのことばれてもいいの?」
「そ……っ」
それは、マズイ。そんなことがばれたら「オレのSEXに満足できなかったのか!」とかなんとか怒り出すに決まってる。できないから一人で処理してるんでしょ、と言ってやりたいけど、今の安穏な生活を手放したくない。
「さっきも、お風呂で虐められてたでしょ?」
「な……っ」
何で知ってるの?!
「お風呂の音、換気扇通して玄関の外に筒抜けだよ。ちょうど前を通った時に怒鳴り声が聞こえたから立ち聞きしちゃったよ。ついでに言うと、ベッドルームの声はボクの部屋の壁に耳つけるとよく聞こえるよ」
あまりのことに言葉がでない。この一年まったく気がつかずにSEXしていた。
「お姉さんさ、本当は全然感じてないでしょ」
「え……」
「本当に感じてる人はああいう声ださないよ。AVじゃないんだからさ」
「…………」
言うべき言葉が見つからない。見つからないまま、彼の涼しげな瞳を見返した。ふ、と彼の目元が和らいだ。
「本当の気持ちよさ、知りたくない?」
「え? ちょ……っ」
突然のことで、何の抵抗もできなかった。いきなり太股の内側を掴まれ、上に押し広げられた。同時に陰部をぺろりと舐められる。先ほど下着を脱いだことを忘れていた。
「ちょ……っ」
押さえられて動くこともできない。痩せて見えるけれど、体操をやっているだけあって腕力はあるのだろう。
「何す……」
「何って気持ちいいでしょ?」
彼の長い舌が中まで入り、何度か行き来して出てくると、次はそれより上の膨らみのあたりも、唇すべてを使って強く吸われはじめた。ジュジュッっといやらしい音が響き渡る。
「あ……」
初めての感触に頭に血が上った。
「待って、待って、やめて……」
頭の中が熱い物でいっぱいになる。今までに経験したことのない波が押し寄せてくる恐怖と期待に身が震えた。
「やめていいの?」
彼の唇にいやらしい液体がねっとりとからみついている。これ全部、私の……?
「あ……えと……、あああああっ」
脳天に衝撃が突き抜けた。彼の指が中に侵入してきたのだ。顔からは想像できない節ばった指。なぜかすごく熱かった。
「今、何本入っているでしょう?」
「え……」
朦朧としていて何を言われているのかわからない。
「答え、二本でした。次三本行きます」
「ひ……っ」
突き上げられる衝動。いつの間にか彼の唇が胸元に侵入していた。乳首を軽くかじられ再び悲鳴を上げる。彼の長い指は、私の中をかき乱しては、きわどい強さで突き上げてくる。ほどなく、わけもわからないまま気を失うように果ててしまった。こんな経験は初めてだった。