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BL小説・風のゆくえには~続々・2つの円の位置関係 目次・登場人物・あらすじ

2019年09月10日 08時00分00秒 | BL小説・風のゆくえには~ 続々・2つの円の位置関係
(2019年5月7日に書いた記事ですが、カテゴリーで「続々・2つの円の位置関係」のはじめに表示させるために2019年9月10日に投稿日を操作しました)

目次↓

1(享吾視点)
2(哲成視点)
3-1(哲成視点)
3-2(哲成視点)
4(享吾視点→哲成視点)
5(哲成視点)
6(哲成視点)
7(享吾視点)
8(享吾視点→歌子視点)
9(哲成視点)
10(享吾視点→哲成視点)
11(哲成視点)
12(享吾視点)
13(哲成視点→享吾視点)
14(享吾視点)
15の裏話(浩介視点)
15-1(哲成視点)
15-2(哲成視点)
16(哲成視点)
17(享吾視点)
18(哲成視点)
19(享吾視点)
20-1(享吾視点)
20-2(哲成視点)
21(享吾視点)
22の前(慶視点)
22-1(享吾視点)
22-2(哲成視点)
23(享吾視点→哲成視点)
24(享吾視点)
25(哲成視点→享吾視点)
26(哲成視点)
27(享吾視点)
28・完(享吾視点)
追加のおまけ(慶視点)

その後の話
追加3(享吾視点→哲成視点)

人物紹介↓


主人公1・村上享吾(むらかみきょうご)

公認会計士の資格を大学在学中に取得。
卒業後、某監査法人で働いていたが、2年半前に退職。現在はワインバーのオーナーをしている……ことになっている。
容姿端麗。人目を引くイケメン。身長178cm。


主人公2・村上哲成(むらかみてつなり)

大学卒業後、某電機メーカーに就職。
3年ほど前に、海外赴任を希望。それ以来、亨吾とは連絡を取っていない。
色白、眼鏡。身長159cm。


村上歌子(むらかみうたこ)旧姓・笹井
亨吾の妻。亨吾より一つ年上。
現在、自宅でピアノ教室の先生をしている。
スタイルの良い美人。身長168cm。


斉藤健一(さいとうけんいち)
亨吾と哲成の高校の同級生。元バスケ部。
慶と浩介とは高2の時に仲が良くなり、現在も友人関係が続いている。
明るく社交的。身長170cm。

山崎卓也(やまざきたくや)
享吾と哲成の高校の同級生。元鉄道研究部。
享吾と哲成とは、高3の時に同じクラスだった。
慶と浩介とは高2の時に仲が良くなり、現在も友人関係が続いている。
大人しく控えめな性格。身長172センチ。


渋谷慶(しぶやけい)
小児科医。中性的で美しい容姿に反して性格は男らしい。身長164cm。
哲成とは小・中・高と同じ学校。
『風のゆくえには』本編主人公1。

桜井浩介(さくらいこうすけ)
フリースクール教師。慶の親友兼恋人。現在慶と同棲中。身長177cm。
『風のゆくえには』本編主人公2。




あらすじ

「一生一緒にいるために、もう二度と、好きだとは言わない」

 そう大学2年生の時に約束した亨吾と哲成。その言葉通り、それから約21年もの間、表向きは『親友』の関係を続けてきた。

 しかし、あることをきっかけに、哲成が亨吾と離れる選択をし……

 それから約3年。偶然の再会により、二つの円は再び近づいていく。


 大人になったからこそ、今の時代になったからこそ、選べる選択肢がある、はず。

 そんな二人の物語。



----

お読みくださりありがとうございました!

『2つの円の位置関係』は、彼らが中学生の時の物語。高校生の私が書いたノートを元に書きました。

『続・2つの円の位置関係』は、彼らが高校生・大学生の時の物語。19歳の私が書いたノートを元に書きました。

今回の『続々・2つの円の位置関係』は、大人になった彼らの物語。大人の私が一から書きます。

あ、でも、亨吾と歌子が将来結婚するってことは、20歳の私がメモに書いていたので、そこは尊重しました。


何も特別な大事件も起こらない、平平凡凡な物語ですが、「友達の友達の友達の話」くらいのノリでお付き合いいただけたら幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。


読みにきてくださった方、ランキングクリックしてくださった方、本当にありがとうございます!
おかげさまで続編の続編に着手する勇気を持つことができました。
よろしければ、今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。


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BL小説・風のゆくえには~続々・2つの円の位置関係・追加のおまけ

2019年09月10日 07時21分00秒 | BL小説・風のゆくえには~ 続々・2つの円の位置関係

予定変更で、次回金曜日の読み切りをもってお休みに入ります💦
今回は、先週まで連載していた「続々・2つの円の位置関係」の、最終回から3週間ほど後のお話をお送りします。


-------------

『~続々・2つの円の位置関係・追加のおまけ』



【慶視点】


 高校の同級生の、溝部と山崎と斉藤がうちに遊びに来た。
 高校2年生の時は、浩介とおれとこの3人でつるんでいたので、余計に高校時代に戻ったような感覚になる。

「なー、卒アルすぐ出る?」

 一番最後にうちに着くなり、溝部がこめかみに人差し指をグリグリしながら言ってきた。

「さっき、電車の中で、こいつ絶対知ってるーって奴がいて……同じ高校な気がすんだけど」
「えー、誰だろう」
「オレが降り際、向こうもオレに気がついて、微妙な感じに頭下げてきて……」

 話している間に、浩介が卒業アルバムを持ってきてくれた。

「人数多いから、全然知らない人もいるよね」
「だよなー。話したことない気がする。一人は眼鏡かけててー……」
「え?」

 一人は?

「って、一人じゃないのか?」
「いや、二人。わりとイケメンの背高い奴と、小さい眼鏡の奴」

 それは……

 思わず浩介と顔を見合わせてしまう。

 それは、かなりの確率で、村上享吾と村上哲成だ。そういえば、二人の新居の最寄り駅は、溝部の家の最寄り駅と隣同士だ。そりゃ、偶然会うこともあるだろう……

 と、思っていたら、案の定、

「あ、こいつらだ」

 あっさりと、溝部がダブル村上の写真を指差した。

「同じ苗字……兄弟とか親戚とかじゃないよな?」
「えー、違うよな? 山崎」

 溝部と斉藤が振り返ると、山崎は苦笑いを浮かべて、

「そんな話は聞いたことない」

と、首を振った。山崎は3年の時に二人と同じクラスなので、同じページに写っている。山崎、あまり変わってない。ちょっとフケただけだ。

「こっちの村上は、バスケ部だから、バスケ部同窓会で会ったよ。3月だったっけ?桜井?」
「あ、うん。そうだね」

 浩介も斉藤も元バスケ部なのだ。

 実はおれ達はダブル村上とは先月も会っているけれど、浩介と一瞬視線をやり取りして、その件は「話さない」に決定。

 そんな秘密のやり取りを知るわけもない溝部が、「あ、そうだそうだ」と手を打った。

「なんか思い出してきた。こいつら当時もずっとつるんでたよな? バスケ部と野球部、部室同じ扉だったから、外でこの眼鏡が待ってるの何回か見た気がする」
「そうそう。この二人、仲良かったよね。渋谷と桜井みたいに」

 斉藤もニコニコと言ってくる。
 確かに、テツと享吾もいつもつるんでた。まあでも、おれ達は当時から付き合ってたけど、テツと享吾はずっと友達してて、ようやく最近付き合いはじめたんだけどな!……なんてことも、もちろん言わない。二人はカミングアウトする予定はないとのことなので、絶対秘密なのだ。

 と、思っていたら、溝部が普通のことのように、言った。

「こいつらも、付き合ってんのかもな」
「え?」
「えええ?!」

 み、溝部!?

「なんで……」
「いや、今日見た時な、携帯二人で覗き込んで楽しそうに話してて……その雰囲気が、なんか恋人っぽかったから」
「………」
「………」

 す……するどい。

 と、思っていたら、今度は斉藤が、「ないない」と手を振った。

「だって、村上享吾、結婚してるよ? 奥さん、ピアノの先生してるんだって」
「あ、そうそう。そう言ってたね!」

 浩介も慌てて同意する。
 詳しくは聞いていないけれど、契約結婚?みたいなものらしい。テツとのことは、奥さんも同意している、と言っていた。

「なんだ。そうなのか~」

 溝部は苦笑してから、おれと浩介を振り返った。

「最近さあ、お前らのせいで、世の中の見方が変わってきた気がする」
「……なんだそりゃ」

 世の中の見方?

「見たまんまじゃないっていうのかな。色々な可能性があるっていうか……」
「ああ、なるほど」

 斉藤もポンと手を打った。

「ただの仲の良い友達、と見えるけど、実は恋人、とか?」
「そうそう」

 溝部はパラパラとアルバムをめくると、文系クラスのページで手を止めた。そこには、溝部の奥さんになった鈴木の写真がある。溝部は今、鈴木の連れ子の陽太君と、二人の娘のよつ葉ちゃんとの四人家族なのだ。

「逆にさ……オレと陽太なんか、血の繋がりはないけど、普通に親子だと思われてて」

 ふっと目元を和らげた溝部は、妙に大人びてみえる。あ……いや、もう充分、大人なんだけど……

「陽太の小学校からの友達は、オレが本当の父ちゃんじゃないって知ってるけど、中学からの友達は知らないからさ」

 陽太君は今年の4月から中学生になった。やっぱり野球部に入ったそうで、あいかわらず溝部は毎週末は野球部の試合を見に行ったり、車出しをしたりしているらしい。部活なのに、親が車出し?と疑問にも思うけれど、そういう世界だそうだ。

「こないだも、野球部の先輩に『陽太、父ちゃんソックリだな!』とか言われてさ」

 クククと笑った溝部はとても幸せそうだ。

「世の中全部、見えたまんまじゃないんだよな~。小さい渋谷の方が男役とかさ」
「は!?」

 せっかく良い話だと思って聞いていたのに、聞き捨てならない言葉に、ピキッとなる。

「小さくて悪かったな!お前だって鈴木より小さいだろっ」
「小さくねーよ!若干高い!ヒール履かれると抜かされるだけだ!」
「まあまあまあまあ」

 我ながら子供じみた言い争いを始めそうになったところで、浩介が割って入ってきた。

「二人ともお腹空いてるんでしょ? ご飯にしようご飯に!」
「そうだな」

 すいっと山崎が浩介と一緒に台所に向かう。最近、山崎は料理の腕を上げたいとかいって、浩介に弟子入り?しているのだ。

「ご飯なに?」
「すき焼き」
「え!マジか!!」

 やったーやったーと斉藤と手を打ち合わせている溝部。この切り替えの早さ……

(こいつ……)

 ホント変わんねえよな……
 高校2年生の、あの楽しかった日々から、何年…何十年経ってるんだろう。みんな、見た目はすっかり大人になったけれど、中身はあの頃のままだ。そして……

「慶ー、人数分卵だしてくれるー?」
「……おお」

 あの頃と変わらないふんわりとした笑顔の浩介がここにいる。おれの恋人として。こんな奇跡が起きるなんて、あの頃のおれは想像もしなかった。

(『雰囲気が、なんか恋人っぽかったから』か……)

 ふと、溝部のさっきのセリフを思い出す。
 享吾と恋人みたいになりたい、と言っていたテツ。願いが叶って良かったな……

 おれの願いは……

「ご飯ももうよそってもいい?」
「うわーすげーうまそー」
「ビール!ビール!」

 愛する人と、気の合う仲間と、美味しいご飯と。これ以上ない、幸せな時間。これ以上、願う事なんて、何もない。



------------

お読みくださりありがとうございました。
まったり日常話、失礼しました。

って、いつもの「終わる終わる詐欺」発生……
言い訳をさせていただきますと……
元々、この話は「続々……」の最終回の後にくっつけようと思ってました。
が、これくっつけたら、慶達に乗っ取られちゃうなーと思い、休載前の読み切りの前にくっつけよう!ということにしました。
が、途中まで書いた時点で「これ、本編のネタバレじゃん……」と気が付きまして……。これを短編のカテゴリーの中に入れるわけにはいかん。
うーんうーんと考えた結果、分けることにしました。今日はせっかく浩介誕生日だったのに~~!

ということで、次回金曜日に読切をあげます。お時間ありましたらどうぞよろしくお願いいたします。

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