ライオンの詩 ~sing's word & diary 2

~永遠に生きるつもりで僕は生きる~by sing 1.26.2012

最後の星空

2010-10-07 22:40:57 | 2010夏北海道ツーリング~旅日記
今日も天の川が良く見える。最後の星空。

山部の星空がどうして特別なのか・・・

ここの星空は、特別な感じがしない。普通の木々に遮られて、空全体を見渡せるわけじゃない。まばらな灯りが辺りを照らし、完全な闇というわけでもない。
それなのに、信じられない星空がここにはある。極々自然にここにある。

まるで天井に貼り付けた光るシールのような星。手を伸ばせば剥がしてしまえそうなカシオペア。見上げると星が流れる。小さな流れ星なら無数だ。

毎日見てるのに、見る度に「あっ」と呟く。満天の星空だ。自然に溶け込んだ、当たり前の星空だ。極々普通の星空を見上げては、「あっ」と呟く僕がいる。

僕は自然を守ろうとは思わない。僕は自然に守られている。
だから、僕は自然を愛したい。
この空を、木々のざわめきを、川のせせらぎを・・・僕が感じる、この自然の鼓動を。

最後の星空だ。天の川は今日も綺麗だ。

フィナーレには晴れた空を

2010-10-07 09:00:33 | 2010夏北海道ツーリング~旅日記
グッドモーニング富良野。

まぁまぁ早起き。天気がいい。紅葉がとても綺麗だ。
タンポポとアジサイとヒマワリとコスモスが同時に咲くこの場所は、一本の木が見事なグラデーションを創り出す。緑とオレンジと赤。迷いながら染まっていくようで可愛らしい。

グッドモーニング富良野。困難を克服した人に、陽の光は降り注ぐ。今日はまだ発たない。のんびりと、誰も行かない美瑛の裏側の田園風景でも眺めに行こう。名付けて、裏美瑛。

明日は早朝から夜まで走る。そしてフェリー。いよいよ北の大地との別れが近づいてきた。
振り返るのはもう少し先だな。まだ、瞬間が残ってる。まだ、瞬間が山ほど残ってる。逃さないようにいくよ。それが僕の旅だ。

あっ、バイク、直ったよ。結局自分で直せちゃった。心配した?へへへ。
マグナと一緒に帰ります。

バイクが壊れたよ。

2010-10-07 01:42:38 | 2010夏北海道ツーリング~旅日記
朝の出来事。

最悪の事態が起きてしまった。

これから始まる1200キロの行程の準備として、オイルを替える。この旅二度目。チェーンとスプロケもだいぶへたってきてる。弛んだチェーンを引っ張ってルブを吹きかける。自分で出来るメンテナンスはそれくらいだ。

ホイールのナットを固く締めて、整備は終了。張ったチェーンを確認するために試し走り。数メートル動いた所で、ガチンという大きな音を立てて僕のマグナは止まってしまった。
エンジンはかかる。リアタイヤがロックしたままになっている。前にも後ろにも・・・一ミリも動かない。

自分でガチャガチャと色んな所をいじってみるが拉致があかない。バイクに詳しい知り合いに電話を掛けてみるが、わからないという答と、繋がらないという結果。行きつけのバイク屋は定休日。
一ミリも動かないのだから、修理にも持っていけない。これは由々しき事態だ。

こんな時に役に立つのがロードサービス。任意保険に付随しているロードサービス。遂に僕もロードサービスの力を借りることになる。

三井ダイレクトの対応・・・とても良かった。
何度かのやりとりをするうちに分かったのは、富良野近辺のバイク屋は二件、その二件共、今日は定休日。でも、そのうちの一件の主人は外出先から帰宅し次第山部まで出向いてくれそうだということ。すぐに直らない場合、今日か明日に帰るなら保険会社が帰宅費用上限二万円までを負担してくれるということ。

つまり、こういうことだ。
修理するためにバイクをバイク屋に預ける。数日かかるようなら一緒には帰れない。10日にはライブが控えている。だからそれまでには帰らなければならない。今日か明日に帰るなら保険会社が費用を負担してくれる。直ったバイクは、保険会社が上限十万円で自宅までの輸送費を負担してくれる。

選択肢はない。バイクを預けて帰るしかない。富良野から札幌経由で苫小牧。苫小牧から大洗行きのフェリーに乗って東京までバス。これなら上限二万円で収まるはずだ。

荷物はどうする?宅急便で送るしかない。宅急便で送ったら何個口になるのか?そもそも宅急便で送れるほどにまとまるのか?宅急便の費用もまかなってくれるのか?多分まかなってくれるだろう。富良野駅までどうやって行こう?山部の駅まで徒歩一時間・・・歩くのか?タクシーを呼んじゃうか?

バイク屋が来るであろう時間まで二時間半。バイク屋が見やすいように、シートを外してサドルバッグを降ろす。雨が降ってくる。バイクは一ミリも動かない。散々だ。

旅のフィナーレ・・・。

とんだ展開になったもんだ・・・シートのボルトを緩めながら僕はニヤリと笑う。

人生はバランスだ。

楽しいことがあれば、まるでバランスをとるようにそうじゃない事が起こる。これは摂理でもある。

大丈夫・・・全部を受け入れる覚悟と共に旅をしてきた。これは、人生の話でもある。
旅を重ねるごとに、僕は少しずつ成長している。うろたえたりはしない。

そういう自分を・・・少し頼もしく思ったりもする。

大丈夫・・・
格好良く言うならば、僕は困難に出会うために旅をしているのだから。
格好良く言わないのならば、僕の身体も僕のバイクも・・・もうボロボロだ。

でも大丈夫、僕も僕のバイクも・・・まだ生きてる。そうそう、まだ負けてない。まだ折れてない。


その後の展開?・・・それはまた別のお話。

(続く)