ライオンの詩 ~sing's word & diary 2

~永遠に生きるつもりで僕は生きる~by sing 1.26.2012

シアワセノカタチ。2

2014-10-02 17:07:26 | Weblog
入院中の話。

やっと、自分で歩いて売店へ行けるようになった頃の話。

ある土曜日。

ベッドに寝転んでばかりいても飽きる。ベッドに寝転んでばかりいると眠ってしまう。
眠ってしまうと困る。昼間に眠ると夜に眠れなくなる。困る。困る。
でも、ベッドに寝転んでばかりいると、眠る。困る。

そんなわけで出歩く。出歩くしかない。
手術が終わったばかりで、感染症の心配があるため、出歩くのはまぁまぁ禁止されている。禁止されても困るので、こっそりと出歩く。
でも、ゆっくりしか歩けないので、こっそりとのそのそとぼとぼと、ナースステーションの前を横切って出歩く。

行く先は、売店。売店しか、行くところがない。病院だから。

まだちょっとしか歩けない時、勝手に出歩くと看護師さんに怒られるので、看護師さんに言ってみた。

車椅子に乗って、売店へ行って来てもいいですか?

看護師さんは、「ダメです!」と食い気味に言う。

負けずに僕は言う。

車椅子に乗って、押してもらって売店へ行って来てもいいですか?

看護師さんは、呆れた表情でこう言う。
「欲しいものがあるなら、売店で買って来てもらえばいいじゃない?」

僕は、ちがーう!という意味を込めてこう言う。

「何かが欲しいんじゃなくて、売店へ行ってみたいんですってば!」

かなり食い下がったのだけれど、看護師さんは、僕の売店行きを許可してくれなかったのだ。

なんてこった。

こうして、僕にとって、売店は「夢の場所」となっていったのである。

ある土曜日の話はどこへ行った?

つづく。

シアワセノカタチ。

2014-10-02 16:55:56 | Weblog
入院中の話。

隣のベッドの関口さんと、温泉の話になった。
出歩けるようになったら、ここら辺の温泉に入ってみたいなぁ・・・的な。

そこで、温泉博士のこーかたにーさんにメールをした。

とりあえず、事故りまして重傷を負いましたっていう軽い説明と、「浦佐近辺でいい温泉ありますか?」という質問と。

しばらくして、返信があり、いくつかの温泉の情報が届いた。
浦佐だったらどこどこの温泉旅館がいくらでそこのお湯はまぁまぁとか、隣町の六日町だったらどこどこの共同浴場がいくらでお湯は良いとか。

隣のベッドの関口さんに、その情報を披露すると、「よく知ってますねぇ」と唸っていた。
地元の人をも唸らせるこーかたにーさん、恐るべし。

僕は自慢げに言う。

「この人、北海道で会ったんですけどね、僕の尊敬する人なんですけどね、日本中、津々浦々まで知ってるんですよ。半端じゃないんですよ、底が知れないんですよ」とね。

つづく。