ライオンの詩 ~sing's word & diary 2

~永遠に生きるつもりで僕は生きる~by sing 1.26.2012

シアワセノカタチ。8

2014-10-07 15:08:56 | Weblog
北海道を走っている時の話。

北海道は広い。広いから楽しい。

広い北海道を、こーかたさんの先導で走る。
コデラーはすぐに荷物を落とすので、僕はコデラーの荷物の見張り番として、殿を務める。三台で走る。

こーかたさんに連れられて、色んな所へ行った。普通は行かない所へ行った。泊まる場所も、通る道も、入る温泉も、全然普通じゃない。普通では知り得ない場所がたくさんあった。

北海道は楽しいなぁ。と、改めて想った。こーかたさんが色々なことを教えてくれた。
コデラーと二人で、キャッキャと騒ぎながら、四日間、共に遊んだ。

こーかたさんは、北海道の道を、自分の庭のように走る。
実際、北海道は、こーかたさんの庭なのだと想う。

すげーなぁ、この人。と、僕はしみじみ想った。

北海道が自分の庭ってのもすごいことなんだけど・・・追い追い分かったことなんだけど・・・
こーかたさんにとっては、日本全国が庭のようなものなんだ。

この人、知らない所ってあるんだろうか?
と想ってこーかたさんに聞いてみた。

答は、予想通り。
「ありますよ。まだほとんど知りませんよ」

ほらね。

僕がこーかたさんに追いつけるなんてことは、ない。ありえない。むーりー。

つまりね。

僕が、旅人として、そこそこ謙虚でいられるってのは、謙虚で気持ち良くいられるってのは、慢心せず貪欲でいられるってのは、こういう人に出会っているからなんだよ。

つづく。

シアワセノカタチ。7

2014-10-07 02:31:50 | Weblog
入院中の話。

えっ?なんで知ってんの?
あれ?病院の名前教えてないのに。あれ?

「想ったより元気そうだね」
とこーかたさんは言う。

「駅からの道にジェラート屋があってね、ジェラートは持ち帰れなかったから、はいお土産、プリン」
とこーかたさんは言う。

突然の訪問にびっくり仰天しながら、僕は言う。
「なんで病院わかったんですか?」

「いやぁ、ここしかないなって思ってね」
とこーかたさんは言う。

ノーアポね。ノーアポ。
ノーアポどころか、病院の名前も確認せずにね、新潟まで来ちゃうってやつね。電車に乗って。

サプライズ。ってやつ。

普通、来ないよ。だって、ここらへんの病院は一つじゃないもん。普通、聞かないで来ないよ。ははは。
なんだ?この人?ってね。

なんだ?この人?って、想わない?

笑っちゃうくらい、不思議な人なんだよ。こーかたさんってさ。

ニコニコしながらプリンを食べてさ、笑っちゃうくらい素敵な人なんだよ。こーかたさんってさ。

つづく。

シアワセノカタチ。6

2014-10-07 00:47:27 | Weblog
バイクに乗って旅を始めて、五年・・・かな。
たった五年ではあるけれど、8万キロ、地球を2周出来る距離を走ったってわけだ。

僕はいつも一人で走っているわけで。
その8万キロを、ほとんど一人で走っているわけ。
仲良しの仲間でチームを作って走っている人を見ると、「いいなぁ、楽しそうだなぁ」と想ったりもするのだけれど、やっぱり一人が気楽で良かったりしてね。

想い返してみると、誰かと一緒に走ったことなど・・・、・・・ない。驚くほど・・・ない。

たった二人を除いてね。

北海道、帯広にある無料の宿泊施設「大正カニの家」で出会った。もう四年も前のことだ。
その夜に、続々と就寝する人たちがいる中で、一番遅くまで話していたのが、僕と、コデラーと、こーかたさんだった。

ただどこにでもある、旅の中ではごくありきたりの出会いだった。

なんだったんだろうか。。。
なぜだったんだろうか。。。
それは、よくんからない。

ありきたりの出会いだったのに、そんな出会いはそこら中に転がっているはずなのに、それから四日間、三人で一緒に走った。
根室から羅臼、羅臼から弟子屈、弟子屈から美幌峠を越えて別れるまで。

それはそれは楽しい四日間だった。こーかたさんに色々教えてもらって、コデラーはたくさん笑わせてくれた。

その次の年の秋。長野だったか山梨だったか、その辺りで三人で落ち合ってキャンプをした。目的地まで、こーかたさんと一緒に走った。

去年の秋。北海道釧路のホーマックでコデラーと待ち合わせをした。根室から羅臼、羅臼から中標津と四日間、二人で一緒に走った。

なんでだろう?といつも想う。
不思議だなぁ。といつも想う。

僕は、この二人としか一緒に走ったことがない。

なんなんだろうか。といつも想う。
不思議だなぁ。といつも想う。

ねぇ、不思議だと、想わない?

つづく。