下北沢でつけ麺を食べた。エムケイと。
前回の下北沢のつけ麺は大失敗だった。だから、今回は、美味しいつけ麺を食べたい!と、エムケイに宣言しておいた。
駐車場からライブハウスへと歩く道。ふと気づくと、隣にいるはずのエムケイがいない、
あれ?と思っていると、向こうの方から駆けてきた。「あそこのつけ麺、どうよ?」
「銀座いしい」。比内地鶏でとったスープ。ドロドロしていて、美味。超極太麺で、美味。おーいしー。
ラウンの話。
ラウンのオーナー吉田さんにいつも聞かれることがある。
「今日は何人くらいですか?」
うーんとぉ、今日は日取りが悪いみたいでぇ、そんなに来ないんですよぉ〜。と僕は答える。
吉田さんがテーブルやイスをセッティングしているのを見て、僕は言う。
吉田さん吉田さん、そんなにイスは要らないと思いますよ。今日はほんとに日取りが悪いみたいで・・・。
ラウンで初めてのソロライブは、定員をはるかにオーバーしてしまい、ギューギュー詰めになってしまった。
それはそれで理由がある。久しぶりのライブだったから。
2回目と3回目は最初よりは減ったが、満杯になった。
今回は4回目。12月ってのは、人の入りが悪いんだね。ほんとに。届くメールも、欠席ばかり。
そりゃあ、そうだよ、12月だもん。
さて、開場は6時。チラホラとお客さんがやってくる。
師走の忙しい時にすいません!という気持ちになる。
6時半頃になって、会場の3分の1くらいが埋まる。
師走の忙しい時にありがとうございます!という気持ちになる。
6時50分、開演10分前。あれ?空席が目立ちすぎじゃない?あれ?
さすがのエムケイも心配顔になっている。
7時。開演。ちらほらと空席。うーん・・・師走だからなぁ。でもなぁ、来るって言ってた人がいないなぁ、何人も。師走だからかなぁ。
ソロワンマン。長丁場である。お客さんの出足が鈍くても、歌い始めなければならない。
さて、第2部の中盤辺りか。僕は、ふと客席を見て驚いた。
「満席やん」。客席は若干ギューギュー気味なのである。
さっきまでスカスカだったのに。
小さなライブハウスを埋め尽くす人々。
その人々が、みんな僕の唄を聴きに来てくれている。この師走の忙しい時に。
こんな幸せなことがあるだろうか?
ライブの時にも話したが、「こんな幸せなことがあるだろうか・・・」なのである。
いつも来てくれる人も、懐かしい人も、初めましての人も、みんなみんな、優しい瞳で唄を。
路上みたいなライブハウスに、唄と笑い声があふれるのである。唄と笑い声しかないのである。
下北沢ラウン。世界の片隅のほんのちっぽけなハコの中の出来事。
とりあえず伝えたいのは、僕はすごく幸せでした。ということ。
そして、吉田さんに伝えたいのは、
「ちがうんです!ほんとに!みんな来られないって言っててね。あれぇ、おかしいなぁ?いやぁ、イス、足りて良かったっす。さすが吉田さんですね!」
きっと次のラウンでも僕は言うのだろうな。本気で。
「いや、今日こそ、ほんとに、全然お客さん、来ないっす!」
へへへ。