ライオンの詩 ~sing's word & diary 2

~永遠に生きるつもりで僕は生きる~by sing 1.26.2012

こんにちは。ハチミツのカフェ。

2019-06-22 04:48:27 | Weblog


五月の話である。

ゴールデンウィーク。僕にとってはゴールデンウィークが10連休だろうが100連休だろうがまったく関係ないのだが、ちょっと世間一般と関わったりすると、そんな連休がちょっと関係あったりするのである。

嵐山へ遊びに行きたい!とよく言われる。たまに言われる。

そんな時は、決まってこう言う。

「そうだねぇ、暖かくなったらねぇ。春かなぁ・・・」

みんなにそう言う。だって、嵐山の冬は寒い。

そして春になり、五月になり、世間一般がゴールデンウィークに突入し、ゴールデンウィークの最中に出掛ける気なんぞない僕のところへ、冬の間に交わした軽い約束を果たしに、次から次へと、友人たちがやって来るのである。

そんなある日のことである。

朝である。早朝。
アイフォーンの呼び出し音。電話が鳴る。

「今すぐにハチの巣箱をうちへ持ってきなさい」と、電話の主が言う。

電話の主とは・・・ハチ師匠。キムキムにーやんである。元マル暴の、刑事と書いてデカ。見た目はヤクザそのものの、キムキムにーやん。

「え?今ですか?今はちょっと・・・来客がありまして・・・えぇ、近いうちに持っていきますよ」

「今だよ。今持ってこないとダメなんだよ。すぐな!」

「・・・」

さてさて、どうするっか。昨日から泊まりの来客なのである。なんとなくの予定も立ててあるのである。

「まぁなぁ・・・行くしかないよなぁ」

客人に告げる。

「ちょっと申し訳ないんですけど、2時間半ばかり出掛けてきます」

ハチの巣箱をバックシートに載せて、ジムニー号、出発なのである。

キムキムにーやんは、なぜ巣箱を持って来いと言ったのか?

説明しよう。

キムキムにーやんは沢山の巣箱、たぶん11個くらいの巣箱にニホンミツバチを飼っていたのだが、アカリンダニの被害に遭い、生き残ったのはたった二つの巣箱だった。
その巣箱に入っているハチの群れに新しい女王蜂が産まれると、古い女王は群れの半分を引き連れて巣を出て行く。これを分蜂という。

なぜか知らないが、ハチは何度も何度も分蜂するらしい。

今回、今年は、もう諦めていた。キムキムにーやんもそう言っていた。今年は無理だと。

キムキムにーやんの巣箱に入った蜂が今年4度目の分蜂をしそうだというのである。

つまり、本当に分蜂すれば、キムキムにーやんがその群れを捕らえ、蜂箱に入れ、僕にくれるというわけだ。我が家に再びニホンミツバチがやって来るというわけだ。

僕が客人を置いて、車を走らせているのは、そういうわけだから、なのである。

キムキムにーやんの家に着いて、巣箱を置いて、すぐに帰ってきた。

その日の昼間に、キムキムにーやんから電話があった。

「分蜂したぞ。なっ、だから言っただろ?すぐに持って来いって」

さすがなのである。さすがの師匠なのである。僕のハチの群れ。

「やったぁ!」

と叫び出したい気分・・・いや、実際、「やった!と叫んだのである。

こんにちは、はちみつのカフェ。

そして、これもまた・・・悲劇の始まりだったりして・・・

つづく。