ゴールデンウィークに来客が多数あったとあう話を書いた。
高校時代の友人たちが来てくれた。
順風満帆な人生を送っているように見える友人たちも、意外と波乱万丈に生きている現実があり、それを知った僕が「人生とは本当におもしろい」と思ったという話をライブの時に話した。
我が家の庭にて。その日は大雨の一日で、シットリとした濡れた椅子に座ったり、立ったり、薪ストーブで暖まったりしながら・・・。
友人が言う。
「私は、もういつ死んでもいい。もう、やりたいことは全部やった」
それを聞いて驚いた僕は、彼女に問う?
「ほんとに?全部?」
少しだけ考えて、彼女は言った。
「ルーブルを観たら、死んでもいい」
ルーブルねぇ・・・と思いながら僕は問う。
「オーロラは?オーロラは見なくていいの?オーロラを見るまでは、おれは死にたくないな」
少し考えて彼女は言う。
「・・・オーロラねぇ。オーロラ・・・見たいなぁ」
おそらく、彼女は自分の死を意識したことがあるのだろう。死を意識したことがある彼女が、死を意識しながら生きることは、いいことだと思う。
いつだって、生の裏側には死があり、その逆も然り。生は、死があるからこそ輝く。
僕は、ルーブルよりもオーロラが見たい。
オーロラを見るまでは死ねるか!といつも思っている。
でも、彼女が死について語っている時に、僕はこう思っていた。
実は、オーロラのことなんて考えていなかった。
実は、新竹で食べた「糯米餃子」の事を考えていた。
「あの餃子をもう一度食べたい。あの糯米餃子をもう一度食べるまでは死ねないなぁ。死にたくないなぁ」
ははは。
ちなみに、僕がルーブル美術館へ行ったのは、二十歳を少し過ぎた頃。
なんといっても、僕は若過ぎた。モノの価値など分かっていない。今も分かっているとは言えないが、今よりも遥かに分かっていなかった。
そんな僕が見たルーブル。広過ぎて、小走りで観ても観終わらない。「でかすぎるだろ!?」と文句を言いながら・・・。
そう考えると・・・僕も、もう一度ルーブルへ行きたい。一週間くらいかけて、のんびりと周りたい。
今思い出すと、凄まじいものがたくさんあった。
あぁ、もう一度ルーブルへ行きたい。ルーブルへ行っても、死なないけどね。