ライオンの詩 ~sing's word & diary 2

~永遠に生きるつもりで僕は生きる~by sing 1.26.2012

和AND洋。

2012-05-08 22:31:22 | Weblog
ジブは、ここは熊がでるぞと言っていた。熊、怖いか?熊、怖いか?と聞いていた。ツキノワグマだったら倒せると想うよと言ったら、ヒグマが出るぞ!と言っていた。いくらなんでもヒグマはいないだろ?とかなんとか話をしていると・・・リーがジブを小突きながら、そういう嘘を言うんじゃない!と怒って言った。
結局熊は出ないと言うことだ。会いたかったなぁ・・・クマ。
その後もずっと、ジブは、熊が出るぞぉと言っては、リーに何度も怒られていた。

そんな話はいいとして・・・

その小人は床下に住んでいる。家族で床下で暮らし、時々縁側の下から庭に出てくる。
そこには、見たことのない素敵な建物があって僕を驚かせる。

純和風な数奇屋造りの一階の上に、完全に洋風な二階が乗っかっている。不思議な光景がそこにはある。和洋折衷と人は言うが・・・和洋合体と人は言うけど・・・
僕には和と洋が、ぎこちなく手を繋いでるように見えた。・・・でも、そのぎこちなさがあまりに素敵で・・・そのぎこちなさが、あまりに完璧で・・・長い間、その佇まいに見惚れてしまった。

僕は、床下を覗き込む。あっちもこっちも覗き込む。あれぇ?いないなぁ・・・小人。
いくら探してもいないので、通りすがりのおばちゃんに聞いてみた。
すいません、アリエッティはどこですか?
するとおばちゃんは言った。
先月まではここにいたんだけどねぇ・・・。
そして、独り言のように「どこへ行っちゃったのかしらねぇ?」とつぶやきながら行ってしまった。

床下のアリエッティには逢えなかった。・・・本当に残念だ。

小人が教えてくれたこと

2012-05-07 16:37:23 | Weblog
たくさんの小人のうち、僕と話をしてくれたのは二人。

目が合ったので、僕から話しかけた。最初の小人はジブ。
ジブは、花粉症の人がかける眼鏡をしていたが、花粉症ではないらしい。
ジブは、自分の言葉が僕に通じないと思っていたらしく、考え込んでから、言葉を選んで慎重に話すので、なかなか話が進まない。山から湧き出る湧き酒を飲んで、酔っ払っている。
いい温泉を教えてくれと言うと、教えてくれた。値段はいくら?と聞くと、5000円で泊まれると言う。泊まるんじゃなくて、お風呂だけは?と聞くと、お風呂も安いと言う。お風呂はいくら?と聞くと、6000円で泊まれると言う。おれ、キャンプするから、温泉には泊まらないんだよ。と言うと、キャンプするのかぁ?ここでかぁ?と聞いてくる。我々のすぐ横に、僕のテントが立ててある。そして、その後も何度となく、5000円で泊まれる・・・の会話が繰り返されるのである。

そこに現れたのが、二人目のリー。「言葉、通じてんの?」と言って、ジブの肩を突ついた。
リーの言葉は100パーセント分かる。

リーは色々なことを教えてくれた。例えば街の歴史のこと。例えばりんご畑のこと。例えばこの街を走る電車のこと。庭づくりのこと。

僕は、いい温泉がないか聞いてみた。たくさんあると言う。小人たちも温泉が大好きらしい。
リーが目ぼしい温泉をピックアップしてくれている間、ジブは、アップルランド、アップルランドと言っていた。アップルランドも温泉らしい。

ジブの言うアップルランドはともかく、リーは最後に素敵な場所を教えてくれた。
・・・床下に小人が住む家・・・

とにかくその場所には行ってみよう、そう想った。
だって、小人が小人の住む家を教えてくれたのだから。

I' m just human.

2012-05-06 22:25:00 | Weblog
ここは一体どこなんだろう?
目が覚めると僕は、眼下の灯りを見下ろしていた。この世界は僕のものか?・・・僕は一体どこにいるんだろう?
・・・まるで神様になったみたいだ・・・

樹齢250年の親杉の枝の下・・・小雨がポツポツと音を鳴らす。

神様はきっと、とっくの昔に自殺してしまった。喋るカカシのように。
人間は「欲」という意識を自ら覚醒し、突き詰め、そして神を見殺しにした。

ここは・・・天界ではない。・・・僕は神様じゃなかった。

・・・よかった。・・・幸せな気分だ。

サクラ

2012-05-06 21:15:34 | Weblog
岩手と秋田は桜が満開。ついつい寄り道をしてしまう。
鹿角で、突然の雷雨。水難の相は、まだ続いているみたいだ。

昨日の夜からの出来事を振り返りながら・・・長い一日だったなと・・・想う。
寒さ、闇、夜明け、霧、日の出、座ったまま眠り、ポカポカの陽気の中を、花々の中を走り、雷、雨・・・。

そして僕は小人たちの宴に出会う。

コーヒーとアップルパイ

2012-05-06 05:30:16 | Weblog
出発から4時間。出発から5分で後悔した。・・・寒い。寒いのに北へ向かう。今寒いのに、これからもっと気温は下がる。

暗闇の中をビュンビュン飛ばして走った。ビュンビュンなんて走りたくないのに、寒すぎてついビュンビュンになってしまう。

スーパームーン・・・ずっと月を見ながら走った。薄ぼやけたり、霞んだり、くっきり見えたり・・・大きな月が西の空に沈むまで、月を見ながら走った。

4時前、空が白んできた。・・・これほど夜明けを待ちわびた時があっただろうか?これほどまでに、夜明けを待ち望んだことがあっただろうか?
・・・ある。すげぇある。何度もある。もっと辛いことなんて山ほどある。
ありはするが、今日の夜明けは格別なのである。

夜が明けたと想ったら、ものすごい霧に襲われた。一時間、ずっと霧の中を走った。
そりゃあ半端ない霧で・・・信号が赤なのか青なのかも分からない・・・。せっかくの夜明けが台無しになった。雨みたいに、びしょ濡れになる霧だった。

次に待ちわびるのは日の出だ。お日様さえ出てくれれば、気温なんてグングン上がるに決まってる。
もう冷え切ったこの身体を温めておくれ。
右手に見える山の上の空がオレンジ色に変わっていく。なかなか上がってこない。まだか、まだか、まだかぁ? 
少しして、赤い太陽が恥ずかしそうに顔を出した。

やぁ!元気かい?

そして僕は、眠くなった。寒さも眠さも限界みたいだ。
気温は六度。冬だ。真冬よりは寒くない。全然寒くない。でも・・・僕の装備は春仕様に変わっているのだ。
インナーダウンも着ていない。グローブも春用だ。だから、凍えるほどに寒い。

そして、ちょっと疲れた。

今やっと盛岡に入った。パンにハンバーグを挟んで売っているお店でコーヒーを飲みながら、ちょっと意識を休ませることにするよ。

針路を北へ

2012-05-06 00:20:11 | Weblog
今年のゴールデンウイークは、長い。よね?
4/27の夜に埼玉を出て石巻に来た。雨で休みはあったものの、今日まで良く頑張った。と想う。

今回の石巻遠征の日程は、今までになく変速的だった。土曜は空けてくれと頼んであるのに、土曜が二回も入ってしまった。

僕は、ちょっと怒った。

ちょっと怒ったから、こう言った。

「ゴールデンウイーク無しで働くってことはさ、やっぱりその後にプラチナムウィークみたいなものがあってもいいと想うんだよね。いや、逆に、なければいけないと想うんだよね。どう想う?」

そう、いつも僕はこうやって休みを頂く。

そんなわけで、今日から一週間の休暇です。

仕事終わりの疲れた身体で、そそくさと荷造り。お世話になった家の掃除。
今、しばしの休憩中。身体を畳に横たえてます。

明日の東北は午後から雨の予報。なので、雨が降る前に目的地へ着いて、テントを設営したい。
だから、もう少ししたら出発です。一般道を夜通し走る覚悟です。

まずは、弘前を目指します。
桜が綺麗・・・そんな気がしています。

それでは、旅ブログ、乞うご期待ϵ( 'Θ' )϶

星の巡り

2012-05-05 00:21:12 | Weblog
今週のあなたには、水難の相が出ていますと、占い師に言われたとか言われないとか・・・。

今日は朝から晴れ。晴れてるのに、夕べの雨予報のせいで仕事は休み。予報で休みが決まるってねぇ・・・。せっかくの晴れの日の休みなので、バイクで出かけることにした。ツーリングである。

金華山を周る。ひたすら山道を行く。
昨日の雨のせいで、山から水が染み出している。至る所で水の流れが道を横断している。
低いところになると、冠水している場所もしばしば。

バイクは水跳ねに弱い。油断をすると、自分が跳ねた水で足がびしょ濡れになる。だから、水のあるところは慎重に行く。

途中、大きな冠水箇所があった。極限までスピードを落として、水が跳ねないように進む。
すると・・・対抗車がそこそこのスピードでやって来るではないか。このままではタイミングが悪過ぎる。
「やめれぇ!!!」
ジャバーンという音と共に、僕の右半身はびしょ濡れだ。ひどいもんだ。ヘルメットまで水を被った。ホントにひどいもんだ。

気を取り直して走る。太陽と風の力で、濡れた服は乾く。すごく気にはなるが、なるべく気にしないで走る。

今週のあなたには、水難の相が出ていますと、占い師に言われたとか言われないとか・・・。

ところで、越波というのをご存知か?・・・越える波、エッパと読むのだと想う。

震災でことごとく切り裂かれた防潮堤。切れた場所には巨大な土嚢が積んである。長い所は数百メートルに渡って土嚢が並べられている。
越波と言うのは、防潮堤なり土嚢なりを越えて来る波のことである。

山を下ったところに町なり港なりがあるところには、結構頻繁に出てくる「越波注意」の標識。
三陸の海岸は、リアス式の湾になっている場所が多いせいか、穏やかな感がある。越波が来るようには思えない。きっとこれは、台風など大時化の時のための注意なのだと、思い込んでいた。

鮎川の手前、十八成(くぐなり)に入った所に、越え波注意の標識があった。右側に海。土嚢が積んである。
僕は土嚢の向こう側の遠くの海が、白波を立てているのを眺めながら走っていた。
小さな橋を渡る。橋には土嚢が積んでいない。その時、僕は見た。緩やかに盛り上がった波がこちらに迫って来るのを。その瞬間である。
ドッパーン!と音を立てて、橋と土嚢に波がぶつかった。そして、僕は、はじけた大波を被ったのである。もちろん、頭からである。バイクもろともである。

信じられるか?いや、信じられない。ボクハシンジタクナイ。
またもや、右半身が・・・今度は潮水に・・・。

今週のあなたには、水難の相が出ていますと、占い師に言われたとか言われないとか・・・。

帰ってから、潮を洗い流すために洗車をしていたら、ものすごいスコールに降られてびしょ濡れになったとか、そんなことはどうでもいいんだ。

一つだけ言いたい。

あの場所には、こう書いて欲しい。
「越波注意、本当だよ」とか、「ここはやばいよ、本気で越波に注意だよ」・・・と。

水難の相、今日で終わりになりますように・・・。

そしてまた、僕は途方に暮れる

2012-05-04 03:04:31 | Weblog
僕はいつだって途方に暮れている・・・そんな気がする。

日本中の至る所で・・・世界中の至る所で。途方に暮れている自分を思い出そうとすれば、いくらだって思い出せる。とにかく、何処でだって途方に暮れているのだから。

今日の僕は、住まいから徒歩で40分の距離にある大型スーパーの軒先で、煙草を吸いながら途方に暮れていた。

今日は朝から雨のため仕事は休み。畳の上に寝転がって、ずっと本を読んで過ごした。昼寝もした。また本を読んだ。
辺りが薄暗くなって来て、ふいに思った。・・・退屈だな。退屈だな、どこかへ出かけたいな。

僕は秘密兵器の三段折畳傘を持って出かけることにした。近所のスーパーへ。徒歩で40分のスーパーへ徒歩で。

出かけてから5分で後悔の念がよぎる。外はまさに暴風雨だ。僕は・・・大雨、洪水、波浪、雷、強風、高潮、濃霧警報がこの地域に出されているなんて、ちっとも知らなかったんだから。

この地域は、震災で地盤が1メートル近く下がってしまった浸水区域だ。至る所に巨大な水溜りが出来ている。暴風に向かって傘を突き出して歩いているので、前が見えない。少しも見えない。だから水溜りがあっても、その中をじゃぶじゃぶと進むしかない。

陸地に溜まった水を、排水ポンプが海へ吐き出す音に驚きながら歩く。頭上を行く雨と風の轟音に慄きながら歩く。ひっくり返りそうになる秘密兵器の傘を頭と体で支えながら歩く。徒歩で40分。
こういう時、僕はいつもこんな言葉を思い出している。
「どんなに大変でもね、ちょっとずつ進んでいれば、いつのまにか辿り着いちゃうんだよ」
ある冒険家の言葉だ。ちっちゃな冒険家は進む。徒歩で40分。

スーパーに何をしに行ったか・・・別に何もしにいってない。ただ・・・退屈だったから。
せっかくのお休みに「退屈」はダメだよね。

そして僕は、スーパーにたどり着く。暴風雨のせいか、人影は疎ら。目的が無いのだから、する事もない。30分ほどウロウロして濡れた服を乾かす。
カンパーニュを一個とハムを買った。晩御飯にしよう。

なんとなく、こんな風に想っていたんだ。
・・・帰る頃には雨は止む・・・。

スーパーを出て目に入ったのは・・・先ほどより数倍強力になった暴風雨の姿。大きな駐車場の地面を雨が暴れながら走り抜けて行く姿が見える。

そんなわけで、僕は途方に暮れてしまうのである。

帰り道、暴風と闘いながら僕は想う。色々な事を思い出しながら僕は想う。
「もう絶対こんなことはしない・・・退屈でも部屋でジッとしているんだ」
傘を握る手に力を込めながら、想う。誓う。誓う。

そしてこう想う。
「なんでいつも忘れちゃうんだろ?」
もう千回くらい、そう想っているのにな。

小さく空に溶ける魚たち

2012-05-02 20:00:06 | Weblog
工場の煙突の間を、魚たちが泳ぐ。煙で見えたり見えなかったり・・・。

僕は、この街がどこへ向かっているのかが・・・さっぱりわからない。どこかへ向かっているのか。まだどこへも向かっていないのか。
何もかもを綯い交ぜにした感情が、行方も知れずバラバラに彷徨っている。
答を知らないのに答を知った気になって、答を探そうとせずに流されている。

ところで、僕は何を探しているのか?・・・僕は今、それを探しているのかもしれない。
そして、彷徨っているのはきっと、僕の方だ。

小さく空に溶ける魚たち。今は流れに逆らって、泳ぐことをしない。今は風が示す方向へ、泳ぐしかない。

Marcador

2012-05-01 20:02:24 | Weblog
例えば君に手紙を書くとしたら、どんな手紙を書こうかな・・・

元気ですか?
僕は寝転がりながら、本を読んだり空想に耽ったりしています。つまり、おおまかに言うと、相変わらずです。

君はどんな時間が好きですか?
緩やかに流れる時間が、僕は好きです。風に吹かれたり、花に見惚れたり、白い月を眺めたり、遠い景色に憧れたり・・・そんな時間が、僕は好きです。

君は何をしてますか?
綺麗なものや、素敵な瞬間や、楽しい事があったりすると、君が隣に居たらなぁ・・・と想像します。ケラケラと笑う君を想い浮かべて、幸せな気持ちになるのです。

君は悩んだりしていませんか?
僕はいつも、小さい壁や大きな壁にぶつかって困っています。でも、その度に想うのです。僕は今、旅の途中だ、と。今旅をしているわけではないけれど、旅の途中だと。
旅には困難がつきものな訳で、いちいち立ち止まって悩んでいたら先に進めない、というわけ。
だから、いつだって僕は、旅の途中だ、と。

今日はどんなふうに過ごしましたか?
風がゴーッと吹いて、木々がザザザーっとざわめいて、雲がブワーっと走り抜けて、夕日がドワーっと僕を照らして・・・そんな中で・・・
小さな花を見つけました。君に見せてあげたくて、写真を一枚撮りました。

そんな僕の一日を、君に手紙を書こうかな・・・どうしようかな?